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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

道中、せめてもの憩い

2017-02-05 20:05:07 | Singer Song Writer
透明なひとときを / 長谷川きよし (フィリップス)

あらためて言うまでもなく、この世は汚れているし、そこに暮らす人々の心は濁っているわけですが、だからこそイノセントな何かを求めたくなるのも人情(?)かもしれません。

しかし、そ~かと言って、全てを詳らかにする事だって、決して肯定出来ないのが、これまたこの世の理となれば、後は個人主義の幸せを求めてしまうわけですが、環境では幸せになれないのが人間の宿業かと……。

まあ、そんなこんなをつらつら考えながら長距離移動していたサイケおやじには、やっぱりイヤホーンから流れてくるお好みの音楽が必携必須!

長谷川きよしが自作自演で昭和45(1970)年にヒットさせた本日掲載のシングル盤A面曲「透明なひとときを」は、まさにそんな気持ちにジャストミートのタイトルにして、ボサノバ歌謡の名作ですからねぇ~~♪
 
アップテンポでありながら、決して熱くならない歌と演奏には、村井邦彦のアレンジが素晴らしすぎるプロの仕事というには、やっぱり素晴らしすぎますよ♪♪~♪

ということで、ゴッサムシティからの帰路、交通機関の乱れや例の問題で出入国の手続き現場がモタモタしていたもんですから、余計に疲れました。

でも、弱音を吐いていても問題は解決しませんからねぇ~~~~。

やれるところまで、やるしかないって、そんな気持ちを自分に言い聞かせているのでした。
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トランプとアメリカのパイ

2017-01-25 17:03:53 | Singer Song Writer
American Pie / Don McLean (United Artists / キングレコード)
 
アメリカの新しい指導者となったトランプ大統領の個性は、何と言っても分かり易さに尽きるんじゃ~ないでしょうか。

今のところ、遠慮会釈無しにやっているところは唯我独尊でありながら、以前から主張していたものをとりあえずやっておこう!?

というふうにサイケおやじは解釈しているんですが、それは演説や会見の場においても、シンプルな単語と率直な言葉遣いが特徴的なもんですから、批判を真っ向から受け止める姿勢にも、なかなか潔いものを感ぜざるをえないわけですが、だとしたら逆の意味でアメリカ国民、そしてアメリカに少しでも関わりがある人々であれば、そこから真の意味を考え出すという作業が求められるのかもしれません。

そして、もしもそれがトランプ大統領の狙いだとすれば、新しいタイプの哲学系政治家なのか……?

う~ん、言葉の意味の重さや深さは、侮れませんからねぇ……、

さて、そこで思い出したのは、ドン・マクリーンが1972年に放った本人自作のメガヒット「American Pie」で、それは覚え易い「バァ~イバイ、ミス(ア)メリカンパ~イ」というリフレインと軽快なフォークロックのリズム、さらに起伏がありながら、起承転結のはっきりしたメロディ展開の中で歌われるのは、バディ・ホリーという早世した偉大なるロックスタアの思い出諸々に事寄せたアメリカの青少年の終わりなき日常?

なぁ~んて書いてしまったのは、実は全篇で8分半ほどの長尺な歌の中身が、例え英語を日常的に喋っている者であったとしても、イマイチどころか、オチも結論も見いだせないまま、シンプルな言葉の積み重ねに引っ張られてしまうという、いやはやなんともの名(迷)曲と思われるのですから、今でもそれについて真剣に研究探索を続けているファンの実在が少なくないと言われています。

もちろん、ドン・マクリーンはシンガーソングライターの常(?)として、それに明確な答えは未だ提出してくれませんが、だからこその面白さが「American Pie」をチャートトップの大ヒットにしたポイントかもしれません。

ちなみに掲載の私有シングル盤には、その全長版を分割してA&B面に収録するという強引なワザが用いられていますが、前述したとおり、この「American Pie」は我が国でも、その調子の良さから歌詞の中味をド返してのヒットになり、当時のラジオからは主にスローな導入部からリズムとビートが効いた心地良さに展開されるA面が流れまくっていたんですが、これが深夜放送になるとDJの休憩目的でもあったんでしょうか、しっかりLPバージョンが放送される事もありましたですよ♪♪~♪

また、当時のNHKが放送していたテレビショウ「ステージ101」の番組内では、若子内悦郎と河内広明(現・芹澤廣明)が組んだデュオユニットのワカとヒロが「American Pie」を十八番にしていて、それが実にカッコ良かったんですねぇ~~~♪

それにはサイケおやじの妹も夢中になり、なんとっ!

ワカとヒロが歌う「American Pie」が収録されたステージ101のLPを買ったというほどっ!

もちろん、サイケおやじも兄の面目として、ドン・マクリーンの本名盤をゲットした上で、妹といっしょになって楽しんだというわけですが、それにしてもワカとヒロのバージョンは素敵ですよ♪♪~♪

閑話休題。

ということで、ドン・マクリーンは、ほとんど「American Pie」の当たりが大き過ぎて、他にも飛ばしたヒット曲が過小評価されていますが、ちょっぴり古いタイプのシンガーソングライターというか、フォークやフォークロック系の歌を地道にやってくれる存在としての有難味は、簡単に失せる事は無いと思われます。

そして何時の日か、「American Pie」の真意が明かされるとすれば、オールディズな政治手法のトランプ大統領も、ご満悦!?

そんな妄想を浮かべているのでした。
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ハロウィンに事寄せて

2016-10-31 17:53:46 | Singer Song Writer
心の扉を開けよう / Melanie (Neighborhood / 日本コロムビア)
 
何時の間にか日本も、今の時期はすっかりハロウィンで騒ぐようになっちまいましたので、クリスマスも含めて些かそれには懐疑的なサイケおやじではありますが、やはりそれらしいレコードを出してみようとあれこれ棚を物色して選んだのが、本日掲載のシングル盤です。
 
だって、それはジャケ写に登場しているメラニーの佇まいが、なんとなくハロウィンの基本的扮装という気がするもんですから、皆様はいかがでございましょうか。
 
そして肝心のA面曲「心の扉を開けよう / Brand New Key」が、なんとも童謡調のフォーク&ポップスでありまして、シンプルな構成と不思議な味わいが浮かんでは消えるようなリフレインは、呆気ないようで、実は終わって直ぐに聴き直したくなるような、いゃ~、本当にミョウチキリンな歌と思うばかり!?
 
同時にメラニーの自作自演の歌いっぷりが、これまた上滑りしたような節回しに疑似アニメ声みたいな、これまた不思議系の存在感なんですねぇ~~~!?
 
さらに驚くのは、そんなこんなの「心の扉を開けよう / Brand New Key」が、なんとっ!
 
1971年のアメリカではクリスマスシーズンにチャートトップの大ヒットになっているんですから、リアルタイムの我が国ではほとんどウケていなかった実情に鑑みても、基本的な文化の違いさえ感じてしまうのがサイケおやじの本音です。
 
えっ、それじゃ~、サイケおやじはど~して、このレコードを持っているのっ?
 
という皆様からの当たり前の問い質しには、告白すれば一時期のサイケおやじは英米のチャートに入った楽曲のシングル盤を完璧に蒐集しようという大それた野望を抱いていたもんですから、このシングル盤にしても、その流れの中で中古屋から釣り上げてきたブツのひとつなんですよ、恥ずかしながら。
 
もちろん、そんな無謀な目標は達成されるはずもなく現在に至っているんですが、レコード棚を探索していると、そ~やって集めたあれやこれやの無秩序さに心が痛くなったりしますねぇ……。
 
つまり、それで使ってしまったお金を別な方面に回していたら、なぁ~んていう「レバタラ」症候群を確かに感じてしまうんですよ。
 
年寄りの潔くない繰り言かもしれませんが、それを何とかして正当化したいという思惑も、拙ブログには言うまでもなく滲みまくりというわけです。
 
失礼致しました。
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これから聴いたジェシ・コリン・ヤング

2016-10-29 18:12:27 | Singer Song Writer
朝日のリズム / Jesse Colin Young (Warner Bros. / ワーナーパイオニア)
 
今となっては些か忘れられた存在というよりも、その全盛期だった1970年代においてさえ、我が国ではそれほど目立つ人気も得られなかったジェシ・コリン・ヤングは、しかし現在でも一部からは根強く支持されているシンガーソングライターだと思うんですが、いかがなものでしょう。
 
もちろん、サイケおやじも、その「一部」の中のひとりでありまして、端緒となったのは本日掲載のシングル盤A面曲「朝日のリズム / Morning sun」だったんですが、当然ながら、ジェシ・コリン・ヤングは全くの新人ではなく、この「朝日のリズム / Morning sun」を含む秀逸なLP「ソング・フォー・ジュリー / Song For Juli」を出した1973年までに侮れないキャリアを積み重ねてきた才人であり、一応のスタートラインはアメリカ東海岸地区を拠点とするフォーク&ブルース系のシンガーソングライターだったらしく、既に1964年には最初のアルバムを出しているんですが、実際にアメリカ芸能史に名前が刻まれたのは、おそらくは1967年に公式レコードデビューを果したヤングブラッズと名乗るグループの結成に参加してからのようです。
 
ただし、サイケおやじはリアルタイムじゃ~、当然ながらヤングブラッズの歌や演奏は聴いたことがなく、それでも評論家の先生方やラジオDJの諸先輩方からの薫陶(?)により、ようやく後追いで接したのは、本日のお題「朝日のリズム / Morning sun」とジェシ・コリン・ヤングの存在を知ってからのことです。
 
なにしろミディアムテンポでイントロからホンワカムードの泣きメロが全開の曲調もサイケおやじの好みならば、ツボを押さえたキメのギターソロ、弾んだベースに軽快なドラムス、そして程好く力が抜けたボーカル&コーラスの心地良さは、何度聴いても飽きません♪♪~♪
 
まさに自作自演の強みと言えばそれまでなんでしょうが、バックを固めるメンバーの演奏も素晴らしく、ハーモニカやピアノも良い感じ♪♪~♪
 
とにかくネット等々でも聴く事が出来るはずなので、ひとりでも多くの皆様にお楽しみいただきたい和みの名曲です。
 
そしてジェシ・コリン・ヤングは地道と書いては失礼千万、殊更1970年代に勃興したシンガーソングライターのブームを担った桂冠詩人かもしれず、あるいはAORのジャンルでも堂々と存在感を示せるオシャレなミュージシャンという認識も不思議ではありません。

それは前述のヤングブラッズ時代からグループの特質としてブルースやR&B、ジャズやフォークロックを巧みに融合させた音作りを実践していた道行の成果だと思いますから、結局はヤングブラッズのレコード諸作を探求せねばならなかったのも、自然の成り行き!?
 
そうです、サイケおやじは1970年代のある時期、執拗にヤングブラッズやジェシ・コリン・ヤングのレコードを探しては、聴き狂っていたのですが正直、ヤングブラッズよりはジェシ・コリン・ヤングだけのリーダー盤が好きなのが本音です。
 
ところが、何故か1980年代に入るとジェシ・コリン・ヤングは活動を縮小してしまったらしく、近年はハワイに在住して農業に勤しんでいるという噂も耳にしているんですが、それについては本人の決断を尊重するのがファンの取るべき態度なのでしょう。
 
というこで、ジェシ・コリン・ヤングやヤングブラッズのレコードはそれなりに手元に集まっているので、追々にご紹介させていただく所存です。
 
そりゃ~、ボブ・ディランやニール・ヤング等々に比べれば、アクも主張も薄味かもしませんが、こんなに穏やかに、そして気持ち良く歌を聴かせてくれるジェシ・コリン・ヤングだって、サイケおやじには充分に伝わるものを感じているのでした。
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われ解放さるべし

2016-10-14 19:18:23 | Singer Song Writer
男らしいってわかるかい c/w プカプカ / ディランII (URC)
 
いゃ~~、ボブ・ディランがノーベル文学賞!?! という昨夜の報道には驚かされたという気分が半分、同時に昔っから本命が不在の時の穴馬(?)なぁ~んていうジョークめいた話も出ていましたから、ノーベル財団もずいぶんと物分かりが良くなったんだなぁ~~!?
 
そんな不遜な気持ちも半分はあったんですから、それこそサイケおやじの天邪鬼も極まってしまった証といえば、ミもフタもありませんが……。
 
ですから、とにかく音楽業界でメシを喰っている連中がそれを悪くいうはずもないし、表立って誹謗中傷でもしようものなら、そんな戯言を放った者が笑われるのは必定でしょう。
 
もちろん、サイケおやじも肯定派であることに違いはありませんし、近年夥しく、それも膨大な分量のアーカイヴシリーズを出しまくっているボブ・ディランの活動がさらに盛り上がっていくのであれば、歓迎するのは自らの経済状況と相談しなければならないという、所謂嬉しい悲鳴が抑えきれません。
 
さて、そこで本日掲載したのは、ボブ・ディランについて何か書こうと思い立ち、あれこれとレコード棚を物色していたら出て来たというシングル盤で、何故ならば、それは松平維秋がデザインしたというスリーブがまずは素敵過ぎますよねぇ~~♪
 
しかし、これは決してボブ・ディランのレコードじゃ~なくて、実は我が国のフォーク系グループで関西を拠点に活動していたディランII(セカンド)のデビュー作として、昭和46(1971)年夏に発売されたシングル盤です。
 
そして今となってはB面に収録された「プカプカ」がフォークを越えた人気曲として知られているわけですが、しかし、今日のお題はディランですから、このA面収録の「男らしさってわかるかい」がボブ・ディランの人気有名曲「I shall be released」の替え歌であるという事実こそが大切!?
 
それはディランII(セカンド)が最初は大阪の難波にあった喫茶店「ディラン」の関係者や常連客で結成された経緯があり、当初は大塚まさじ、西岡恭蔵、永井洋が中心となって「ザ・ディラン」と名乗っていたんですが、諸事情からレコーディングの話が来た時には西岡恭蔵が抜けていたために「ディランII(セカンド)」名義で活動する事になったと云われています。
 
で、この「男らしさってわかるかい」のレコーディングは昭和46(1971)年5月に行われ、大塚まさじ(vo,g) &永井洋(vo,g) のディランII(セカンド)をサポートしたのが鈴木慶一(p)、上村律夫(org)、ピロ(b)、松本隆(ds) というのが定説なんですが、既に述べたとおり元ネタはボブ・ディランの楽曲ですから、メロディはオリジナルに近くとも、歌詞の中味は翻訳、あるいは意訳というよりも、大塚まさじ&ピロによる創作と定義しても差し支えないと思います。
 
そのあたりは皆様がそれぞれにボブ・ディランの「I shall be released」の英語詞とディランII(セカンド)の「男らしさってわかるかい」で歌われているものを聴き比べ、あるいは読み比べてみれば、おそらくは十人十色の好き嫌いはあろうかと思いますが、個人的にはディランII(セカンド)の「男らしさってわかるかい」の世界も嫌いではありません。
 
 ヤツらは楽な方を 取るのさ
 誰とでも 手をつなぎながら
 でも 俺は断じて俺の
 考え通りに生きるんだ
 
 朝日は もう昇るよ
 少しずつだけどね
 そのとき その日こそ
 自由になるんだ
 
上記した歌詞のパートは「男らしさってわかるかい」の中でも、特にサイケおやじが好きなところです。
 
さて、ここまで書いてしまえば、ど~しても触れておかなければならないのがB面収録ながらラジオの深夜放送を中心にヒットして以降、今や我が国の裏スタンダード曲となり、様々な歌手やグループによってカバーもどっさり吹き込まれている「プカプカ」です。
 
それは今更説明不要かもしれませんが、西岡恭蔵の作詞作曲で、歌の中の中心人物はジャズシンガーの安田みなみ? という真相もあるようですが、その真偽をサイケおやじは知る由もありません。
 
しかし何があっても「タバコをプカプカ」という歌の世界は、まさに昭和40年代後半のムードであり、これはサイケおやじと同世代の皆様ならば、きっと共感していただけるものと思います。
 
ちなみにレコーディングメンバーはディランII(セカンド)に加えて鈴木慶一(p)、細野晴臣(b)、松本隆(ds) と云われていますが、このシングルバージョンは後に作られたディランII(セカンド)のLP「きのうの思い出に別れをつげるんだもの」とは異なりますので要注意!
 
サイケおやじとしては、そのLPバージョンの方がヘヴィなサウンドになっているので好みなんですが、大塚まさじのボーカルに特徴的なある種のネチッコさに微妙な安らぎが滲むシングルバージョンにも捨てがたい魅力を感じてしまいます。
 
ということで、最後に告白させていただければ、サイケおやじは高校生の頃、校内同好会のバンド組で、この2曲を演奏した事があります。
 
それは年末恒例の発表会という場の校内ライブだったんですが、これまで拙ブログで度々書いてきたように、その頃にロックを追及していたバンド組は空前の歌謡フォークブームに押されてメンバーも最小限の5人体制だったところから、ドラマーの最上級生が抜けてしまい、ベースの先輩がドラムス、サイケおやじがベースにコンバートされ、後はボーカル&ギターの先輩と無口な上級生女子のキーボードという、本当に苦しい状況でしたから、やれる演目も限られて……。
 
ついには日本語のフォークをやらざるをえないという窮地(?)から、ボーカルの先輩が選びだしたのが、掲載したシングル盤に収録の2曲でありました。
 
尤も件の先輩は岡林信康の信者でしたからねぇ~、日本語を歌うことにも、それをロックと認識すれば抵抗はなかったみたいですし、現実的にはバンド組もそれまでに日本語の歌をやっていたのですから、何を今更ってな居直りも確かにありました。
 
しかし顧問の教師からは、もっと前向きな歌をやるようにっ!
 
なぁ~んていう、何時もどおりに注意され、相変わらず分かっちゃ~いませんでしたよ。
 
うむ、ボブ・ディランは今頃何を思っているのかなぁ~~。
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ディランの真髄はプロテストソングなのか?

2016-09-19 17:27:28 | Singer Song Writer
George Jackson / Bob Dylan (Columbia / CBSソニー)
 
リアルタイムで初めて買ったボブ・ディランのLPは「新しい夜明け/ New Morning」で、それは昭和46(1971)年という我が国の歌謡フォークブームが盛り上がっていた時期でしたから、サイケおやじとしても納得しての切迫感に酔わされていたところがありました。
 
そして件の「新しい夜明け / New Morning」が思惑以上に聴き易かった所為もあり、また歌謡フォークよりは洋楽のそれが本物!?
 
なぁ~んていう勘違いもあったもんですから、翌年に新譜扱いで発売された掲載のシングル盤も迷わずというか、実は半分近くはミエで買ってしまったのが本当のところです。
 
もちろん、そんなこんなを書いているのは、だいたいがプロテストソングを歌っていると解説されていたボブ・ディランの諸作、あるいは他のフォークシンガーの歌を聴いたところで、英語もロクに分からなかった当時のサイケおやじには猫に小判、馬の耳に念仏だったわけですからっ!
 
ところが、それでもこのシングル盤に入っている「George Jackson」に惹きつけられたのは、すっかりロックスタアに変身(?)していたボブ・ディランが久々にプロテストソングを歌った!
 
等々のマスコミの煽りにノセられてしまったからで、しかもご丁寧にシングル盤の両面に同じ歌がアレンジを変えての収録!?!
 
という、如何にもプロテストな執念を感じた事にもありました。
 
それはわざわざ「Big Band Version」とされたA面がボブ・ディラン(vo,g,hmc) 以下、ベン・キース(steel-g)、レオン・ラッセル(b)、ケネス・バトリー(ds) の他にコーラスが入ったカントリーロックであったのに対し、「Acoustic Version」とされたB面がボブ・ディランの弾き語りという仕様で、率直に言えば、同じ歌を使い回しているのですから、所謂コスパは悪いわけですが……。
 
実はA面が約5分半強、対してB面は3分半強というランニングタイムの違いがミソ!?
 
実はこの「George Jackson」という歌は、黒人の過激政治団体「ブラック・パンサー」の幹部指導者であり、収監中だった刑務所から脱獄を企てたとして射殺されたジョージ・ジャクソンの事件を露骨に、そして大袈裟にっ!?
 
というふうに当時のアメリカの権力者達は決めつけていたところから、しかしボブ・ディランという稀代の詩人がそれを歌う事も妨げられず、そこで作られたレコードにはロングバージョンよりはショートバージョンがラジオ放送でも扱い易いという目論見があったと言われています。
 
しかし、それこそがボブ・ディランの本当の狙いで、なぜならば弾き語りのショートバージョンの方が歌詞がはっきり聴き取れるのですからっ!
 
 朝、目覚めると、涙で寝床が濡れていた
 あいつらが僕の本当に愛する人を殺してしまった
 あいつらが彼の頭を撃ったんだ
 
 神様… 神様…
 
 あいつらがジョージ・ジャクソンを殺したんだ
 
 神様… 神様
 
 あいつらがジョージ・ジャクソンを死の世界へ送ったんだ
 
という歌詞の中身には、もっと複雑な意味合いが隠されているのかもしれませんが、シンプルに聴き取っても、そんな反権力な歌であり、実際の事件現場では看守による集団暴行の嫌疑があるとか、様々に大きな波紋があったようですし、この事件に影響された刑務所の暴動や抗議デモによる騒乱がアメリカでは多発していたとあっては、ボブ・ディランの歌も穏やかには受け入れられないでしょう。
 
何よりも大手レコード会社のコロムビアが発売に踏み切ったという現実にも様々な憶測が渦巻くと思われますから、それだけボブ・ディランは危険分子でありながらも、同時に「お金の成る木」であった証かもしれず、若かった頃のサイケおやじにしてみれば、そんな諸々にもボブ・ディランの凄さを感じさせられたものです。
 
ただし、正直に告白すれば、楽曲そのものや演奏は、他の「ディランの聖典」に比べて、そんなに面白くはありません。
 
未聴の皆様も、特に「Big Band Version」という惹句には、もっとド派手なスワンプロックを期待されるかもしれませんが、実はシンプルでスカスカな演奏には肩すかし……?
 
それでも同時期に発売されていた「グレーテストヒット第二集」から流用されたと思しきジャケ写デザインのカッコ良さ、さらにはしばらくの間、この「George Jackson」が正規LPには未収録になっていた事もあり、シングル盤そのものがコレクターズアイテムになっていたのは、ちょっと嬉しかったです♪♪~♪
 
ということで、現在ではきっちり両バージョン共にCD化されていますので、今となっては何が問題だったのかという疑問も歴史の中の出来事でしょうし、我が国においては、そんな事情や経緯なんて、ますます無関係でありましょう。
 
ただ、それでもボブ・ディランという偉大なシンガーソングライターの虚実に触れんとする時、このシングル盤は案外と有用なのかもしれません。
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ジャクソン・ブラウン登場

2016-08-27 19:39:06 | Singer Song Writer
Doctor My Eyes / Jackson Browne (Asylum / 東芝)
 
ジャクソン・ブラウンは説明不要、アメリカの有名シンガーソングライターであり、ウエストコーストロックを牽引した人気者ですから、我が国でもレコードはそれなりに売れていたと思いますが、本人の存在意義としての資質というか、殊更英語が日常の言語ではない日本においても受け入れられたのは、自作のメロディに乗っかる歌詞の語感の良さじゃ~ないか?
 
というのが、例によってのサイケおやじの独断と偏見です。
 
もちろんレコードやライブステージで披露される演奏には、常に西海岸派のロック系ミュージシャンが参加しているところから前述したとおり、典型的な1970年代の所謂ウエストコーストロックが楽しめるわけですし、それに安心して身も心もゆだねてしまう心地良さがジャクソン・ブラウンの声と節回しのナチュラルな魅力なのかもしれません。
 
そこで掲載したのは、1972年に発売されたジャクソン・ブラウンの公式デビューシングル盤で、なんとっ! A面収録の「Doctor My Eyes」がいきなりアメリカのヒットチャートではトップテンにランクされるという大快挙として、我が国でもラジオの洋楽番組等々で注目されたほどのキャッチーな人気曲でした。
 
なにしろピアノとベースがリードするイントロからしてボール・マッカトニーが十八番の節というか、ちょっぴりブギウギ調の楽しさが全開ですし、そんなウキウキしたグルーヴをバックに歌い出すジャクソン・ブラウンのボーカルにはちょっぴり諦めムードというか、ヒネクレタ感じさえ滲むロック的な反抗を伝えているような気分にさせられるんですねぇ~、サイケおやじには。
 
それは英語なんか理解出来ないに等しい高校時代に聴いた感性がそのまんま、今でも変わることのない印象でありまして、実はその歌詞の本質には諦観滲む皮肉が込められていた事を後に知ってみれば、ジャクソン・ブラウンの歌の説得力の強さには感服するばかりです。
 
ちなみにレコーディングにはジャクソン・ブラウン(vo,p,g) 以下、ジェシー・エド・デイビス(g)、リー・スクラー(b)、ラス・カンケル(ds,per)、デヴィッド・クロスビー(vo) 等々が参加し、流石の良い仕事をやっている結果は、この「Doctor My Eyes」を含むアサイラムでの最初のLP「ジャクソン・ブラウン1st」でも楽しめますが、こ~ゆ~サウンド作りこそがウエストコーストロックの基本のひとつに認定された事を思えば、同時期に世に出たイーグルスとの親交やシンガーソングライターの大ブームを象徴する存在になったことについても自然に納得させられてしまいますねぇ~~。
 
そして、だからこそ冒頭で述べたとおり、ジャクソン・ブラウンが自作の歌詞には歌う場合の語感までも練り込まれた深慮が感じられるんじゃ~ないでしょうか。
 
ということで、我が国でも同じ頃には歌謡フォークの大ブームがあって、所謂「四畳半」とまで呼ばれていたマイナーなミュージシャンが自作自演をウリにすれば、続々と大手の会社からレコードを制作発表出来ていたという、なかなか幸せな時代があったんですが、ボブ・ディランやエルトン・ジョン、あるいはローラ・ニーロあたりはそれらしく(?)真似出来ても、不思議なことにジャクソン・ブラウンに関しては演奏の雰囲気はコピー出来ても、特有の節回しや語感の心地良さまでは日本語の歌詞には不向きだったようです。
 
逆に言えば、それゆえにジャクソン・ブラウンが英語で歌うレコードには需要があったんですかねぇ~?
 
正直、当時はそこまで真剣に考えていなかったのがサイケおやじの本質でありますから、ただただ、心地良いウエストコーストロックを楽しむというポイントにおいて、ジャクソン・ブラウンを聴いていたのです。
 
それは本日も変わりなく、偽りのない気持ちというわけです。
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夏はウキウキしたいよねぇ~♪

2016-07-27 16:36:54 | Singer Song Writer
恋するマリンパーク c/w 月の浜辺~マヤマヤビーチ / 尾崎亜美 (ポニーキャニオン)
 
そりゃ~、別に夏に限った事ではありませんが、しかしやっぱり夏には甘~い恋の歌が似合います。
 
そこで本日のご紹介は尾崎亜美が昭和59(1984)年に出したシングル盤、その両面共に素敵な夏向きの恋の歌♪♪~♪
 
とにかくまずはA面「恋するマリンパーク」からしてミディアムスローな甘さが満点の雰囲気が良い♪♪~♪ ただし、甘すぎて虫歯になりそう……、とか言う前に、彼女の節回しに幾分歌詞が聴き取りづらい感もあり、それゆえにバックのバンドサウンドの力強さが面白いコントラストを描いているのは狙ったものなんでしょうか?
 
ちなみに作詞&作編曲は尾崎亜美、そして参加ミュージシャンは堀信泰(g)、小林信吾(key)、深井康介(b)、河野道生(ds) をメインとするシンプルな編成で、当時の彼女のツアーバンドだったという話も聞いたことがありますが、未確認で申し訳ございません。
 
しかし、それが完全に良いベクトルを示したのがB面に収録された「月の浜辺~マヤマヤビーチ」で、所謂トロピカルな楽しいムードが大盤振る舞いのウキウキソング♪♪~♪
 
確か岩崎良美に提供された楽曲だったはずですが、作者のセルフカバーなればこその魅力が確かにあるわけで、しかも尚更にバンドサウンドを強めた小林信吾のアレンジもニクイばかりですから、サイケおやじは当時から、しっかり自家製の「好きな歌カセット・夏篇」には入れていましたですねぇ~♪
 
そして良く知られているところでは、この「月の浜辺~マヤマヤビーチ」はアルバムとシングルの両バージョンにミックスの違いがあって、アルバムよりはシングルバージョンがメリハリの効いた音作り、さらに45回転ならではの音圧の強さがあるので、個人的にはこちらが好きなんですが、現行のCDではど~なっているのか不明ですので、気になる皆様は聴き比べをしてみて下さいませ。
 
ということで、何かと物騒な世相には、せめて音楽でも聴いて過ごしたりする、そんなささやかな和みの時間を大切にしたいものです。
 
さあ、夏はこれからっ!
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渡辺真知子の雨の歌、そしてAORな流行歌

2016-06-28 17:45:43 | Singer Song Writer
恋のフリーウェイ c/w 雨がやむまで待って / 渡辺真知子 (CBSソニー)


すっかり雨の季節になって、しかも世相がザワザワと落ち着かないのであれば、せめて一時の憩いには素敵な「雨の歌」でも聴きたいなぁ~~、と思ってサイケおやじが愛用のPCに入れておいた音源を検索してみれば、真っ先に選ばれたのが本日掲載のシングル盤B面曲、渡辺真知子が歌う「雨がやむまで待って」でありました。
 
いゃ~~、これがソフトなスイング感も心地良い、4ビートのAOR歌謡曲で、しかも彼女の自作によるジェントルでせつないメロディと儚くも優しい女心(?)が滲み出た歌詞、そして言うまでもなく本当に上手い歌唱表現♪♪~♪
 
まさに渡辺真知子の実力と魅力が良く出た仕上がりは、船山基紀のアレンジもジャストミートの成功作であり、これがB面収録というあたりもニクイですよ♪♪~♪
 
ちなみにこのシングル盤は昭和56(1981)年初夏に発売されたLP「Feel Free」からの先行カットだったんですが、アルバムそのものの大きなウリだったのが当時流行のアメリカ西海岸レコーディングであり、それゆえに演奏パートのセッション参加メンバーにはドン・グルーシン(key,arr)、ロベン・フォード(g)、ネイサン・イースト(b)、カルロス・ヴェガ(ds)、スティーヴ・フォアマン(per) 等々の凄腕名手が顔を揃えており、それが堪能出来るのがA面に収録された「恋のフリーウェイ」で、まさにニューミュージックのAOR進化形、つまりは流行最先端のシティミュージックになっているわけで、個人的にもなかなか好きなメロディ展開と如何にも「らしい」ドン・グルーシンのアレンジ、そして幾分イージーな歌詞の中身にもニンマリさせられましたねぇ~♪
 
まあ、今となってはB面曲「雨がやむまで待って」が圧倒的に好きなんですが、それも渡辺真知子が珍しく女の部分を強く出した節回し、平たく言えばフェロモンがジンワリ感じられる歌唱に惹きつけられるからに他なりません。
 
彼女は本当に歌が上手いっ!
 
ということで、そうした和みも瞬時に霧散させられる仕事の厳しさ、誹謗中傷ばっかりの選挙戦、私生活における諸々の欲望との葛藤等々、逆の意味で音楽を聴ける僅かな時間が至福と思えるのでした。
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自分のボロ傘を眺めつつ

2016-06-15 17:52:43 | Singer Song Writer
傘がない / 井上陽水 (ポリドール)
 
散々っぱらバカをやらかし、やっと辞めると言い出した舛添の奴が、それでもボーナスや退職金を持ち逃げするような状況は、面白くないですねぇ~~。
 
最後にはタダ働きでもOK……、なぁ~んて泣きながら懇願していたのであれば、そんな報奨金は潔く返上、もしくは一般人になるのだから、堂々と寄付するのが人の道じゃ~ないでしょうか?
 
と、本日も独断と偏見に満ちた不平不満ではありますが、死者を鞭打つような話は止めにして、ちょうど今の時期になると思い出すが、昭和47(1972)年に発売された本日掲載のシングル盤A面曲、井上陽水が自作自演の代表作「傘がない」です。
 
ご存じのとおり、井上陽水には洋楽からの影響を隠さない作風があって、この「傘がない」にしてもグランド・ファンク・レイルロード=GFRの人気持ちネタ「Heartbreaker」の焼き直し的パクリは否定出来るものではありません。
 
逆に言えば、だからこそウケたという現実は失礼でも、何でもないでしょう。
 
で、これまでも度々書いてきましたが、サイケおやじが学生時代に入れてもらっていたバンドは、例えばダンパとか、そんなところで所謂パーティーバンドみたいな小遣い稼ぎも出来たんですが、しかしそこで要求されたのは決して自分達が標榜していたアメリカンロックではなく、当時流行の歌謡フォーク等々がメインでしたから、それゆえに反発して抜けていった先輩もいましたし、サイケおやじだってターヘを棚に上げて、一丁前に不貞腐れていた事も確かにありました。
 
そこで窮余の一策というか、もちろん歌謡フォークとかは演じるにしても、なるべくロックぼいもの、あるいはロック系のアレンジが適用出来る楽曲を選んでやるという方針が最低限の妥協になり、この井上陽水の「傘がない」に関しては、当然ながらGFRをモロに出すっ!
 
それはサイケおやじにとっても願ったり叶ったりで、なにしろGFRの「Heartbreaker」こそ、サイケおやじが高校生の頃からの十八番でありますし、やっている側が一番に楽しい事は言うまでもありません♪♪~♪
 
ちなみに高校時代の同好会では、この「Heartbreaker」でベースを練習したサイケおやじが、その頃にはギターに専念出来たので、本当に気持ち良くパワーコードを鳴らし、それほど難しくないのに自然体で盛り上がってしまうギターソロとか、そんなこんなを長々とやれる快感は今も忘れていないほどです。
 
まあ、聞かされる方は迷惑千万だったでしょうが、今となっては笑って許していただきたいという懇願の懺悔が本日の拙文であります。
 
ということで、井上陽水やアレンジを担当した星勝には失礼な暴言になってしまいましたが、決してバカにするとか、そんな気持ちは微塵もありません。
 
むしろ、この「傘がない」を世に出してくれたからこそ、自己満足ではありますが、日本語のロックをやれた学生時代の楽しさに感謝したいのです。
 
どうか、ご容赦下さい。
 
う~ん、それにしても今年は雨が少ないとか、様々な予報が出ていますが、どうやら明日は本格的な雨になるようなので、自分のボロ傘を、じっと眺めてしまうのでした。
コメント
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