OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

GFRでベース初体験

2011-08-17 15:31:31 | Rock

Heartbreaker / Grand Funk Railroad (Capitol / 東芝)


サイケおやじが最初に覚えた楽器は、小学校でのたて笛とハーモニカを別にすれば、ギターでしたが、それはもちろんエレキブームからのロックやGSの流行と相互作用でありました。

そして、当然ながら最初はガット弦の所謂クラシックギターであり、次いでエレキに持ち替えていったのは自然の法則(?)とはいえ、欲張りなサイケおやじはザ・フーの「My Generation」におけるジョン・エントウィッスルの超絶プレイ、あるいはクリームのジャック・ブルースやゴールデン・カップスのルイズルイス加部、そしてポール・マッカートニーといった名手達の演奏にシビれてしまえば、ベースも弾いてみたいなぁ~~、という願望が強くなっていきました。

しかし現実的にはベースという楽器は手に入りません。

そこで、ギターの低い方の弦4本を使い、それらしい事を弾きながら、自分を納得させていたんですが、いよいよ高校生となって、同好会のバンドに入れてもらった時には、そこにベースを弾く先輩が鎮座されていましたから、少しは慣れてきた頃に「ベースをやりたい」という願いを申し出て……。

いざ、練習をさせてもらうと、これがちっとも思う様にはなりません。

なによりもギターに比べてフレットの間隔が大きい事もあり、単純なリフでも繰り返していると予想外に疲れるんですねぇ。しかも先輩が用意してくれたのは、四分音符ひとつと八分音符がふたつのシンプルなフレーズながら、それを延々と同じリズム感で演じ通すことの難しさは、半端ではありませんでした。

自分では合っていると思っていても、メトロノームには合わなくなるし、なによりも先輩からのダメ出しは激しくキツイばかり……。

まあ、このあたりはリズムギターの練習もきっちり出来ていないサイケおやじですから、当たり前田のクラッカーなんですが、如何に自分の願望が甘っちょろいものか、思い知らされました。

さて、そんな苦闘の日々がどうにか過ぎた頃、次に実際のバンド演奏の中で課題に提出されたのが、本日のお題というグランド・ファンク・レイルロード=GFRの代表曲「Heartbreaker」だったのです。

今となっては、なんであんなに突拍子もない人気があったのか、ちょいと理解しかねるGFRではありますが、とにかくリアルタイムでは圧倒的! 特にエレクトリックなバンドをやっている者にとっては絶対に避けられない存在感がありましたですねぇ。

そのあたりは、1969年の公式デビュー直後から、大音量というか、まさに轟音のハードロックをライプで演じていた事で、忽ち話題騒然! 中でもレッド・ツェッペリンのアメリカ巡業では前座でありながら、完全に主役よりもウケまくったという驚愕のニュースが、遠く離れた島国の日本でも洋楽マスコミによって、実しやかに報道されたのですから、たまりません。

メンバーはマーク・ファーナー(vo,g)、メル・サッチャー(b)、ドン・ブリューワー(ds,vo) というアメリカ人のパワートリオで、基本的な演奏スタイルはクリームというよりも、初期のブルー・チアーあたりの如何にもアメリカンなハードロックを継承していますから、決して凝った音楽性は追及せず、ライプでのアドリブ合戦も単純明快なリフやコード進行を外さず、極言すれば「ノリが一発」の魅力!

しかし、もうひとつの狙いは当たり前ですが、キャッチーな曲作りという部分であって、素敵なメロディは出なくとも、そこに何かしら調子の良いリフやバカにされても言い訳できないシンプルなコードの使い方等々を臆面も無く利用した歌と演奏は、案外と練り上げられたものかと思います。

例えば、この「Heartbreaker」はご存じ、我国では井上陽水が自作という「傘がない」に転用されたほど、まったくロック的にノーテンキな悲壮感が表現出来るコード進行は温故知新!

実は告白すれば、これは聴くよりも、やって楽しいのが本音の名曲でもありますよ♪♪~♪

ですから、GFRが我国で本当に大評判となったのは、2枚組で長尺な演奏も収めた通算4作目のアルバム「ライプ」を出して以降だと思いますし、それが今や伝説となった1971年の豪雨の中の後楽園球場公演に繋がったのは言うまでもありません。

ちなみにサイケおやじは、このライプには行けませんでしたが、その狂乱と興奮の様子は一般マスコミでも報道されましたし、ちょいと真偽は定かではありませんが、実はその所為で機材が変調し、演奏は途中からテープに切り替わったという説もあるようです。

閑話休題。

さて、気になるサイケおやじのペース初体験談の顛末は、既に皆様ご推察のとおり、バンドで合わせたリハーサルの段階から、ルートの音だけを無難に出していたという結果ですから、先輩の目論見はズバリと当たったわけです。

もちろん自分自身、それで納得していたわけではありませんし、これをきっかけにベースという楽器のあれこれを模索していくのですが、それにはリズム感の絶対的な会得が必須だと観念されられた部分もありました……。

ということで、後には自分だけのペースもゲットし、弾くことも大好きなんですが、とても縦横無尽にドライヴするようなプレイには程遠く、しかし何時かは!

なぁ~んて、今も気持だけは前向きなのでした。

コメント (6)
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