黒鉄重工

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吉原の保存車両を見聞する その1【2017/03/19】

2018-08-17 22:40:20 | 鉄道撮影記
2017年3月19日。
確かツイッターあたりから情報を見つけてきたんだと思いますが、富士市の元吉原小学校に保存されている蒸気機関車と路面電車を一般公開するという話を聞きつけました。
この小学校にはC57蒸気機関車と都電7000形が保存されているのですが、屋内保存という環境の良さに加えて児童や国鉄OBの手により定期的な手入れが行われているので車両の状態は極上と言えるものです。
難点は小学校の敷地内にあるためいつでも見られるものではないということ。それがこの日は誰でも見学できるということなので保存車に自信ニキ蒼風君と他数名と行ってみることに。

SL博物館と名付けられている収蔵庫は木造。中に入ると案内してくれる小学生たちがいました。なんかいきなり変な連中が来たぞと思いながら機関車の説明を始めてくれました。説明はちゃんとしたもので、よく勉強しているね、と感心しました。私よりも詳しい。


C57形30号機。1938年製造、1969年廃車。金沢、富山、名古屋等に配属されていたそうな。
元吉原小学校に保存された理由は、この小学校の当時のPTA会長が元国鉄マンだったこともあり寄贈に向けて動いたんだとか。
最初に書いたとおり状態はとても良いのです。部品の欠損も見当たらず、塗装も錆びついていません。引退してここに保存されてからずっとこの状態を維持されてきたのではないでしょうか。


後ろ側。いやほんときれいだな。惚れ惚れする。


配管類も揃ってますね。


煙室扉も開けさせていただき、中を見せてもらいました。部品が可動するというのは状態の良さを表しています。実際に動かせるのもこういう屋内展示系の車両ならではです。


ボイラー上。
ややホコリが溜まっているようにも見えましたが、逆にその程度が気になるほど機体がきれいなのです。


動輪など走行装置の部分には名札が振られています。こういう部品の名前、意外と知らないのでありがたいなぁ。


従輪等。


キャブのナンバープレート。その横には竣工日(昭和45年4月11日)と協賛(高木産業=現パーパス)、施工主(中村組)の銘板。
パーパスがこれの寄贈に協賛したというのは何というか意外ですが、上記のPTA会長がパーパスの創業者という繋がりを知るとなるほどね、と納得。


ピンぼけしてるけど火室。公園に保存されている機関車のように石が投げ込まれていることは無く、内部構造がよく分かります。



キャブの計器や弁のハンドルも良好です。


JRの鉄道博物館に保存されているような状態の機体でした。想像以上の良さです。


もう1台保存されているのが東京都交通局7000形7024号。都電で使われていた路面電車です。
上野~池袋系統で使われていたそうですが、方向幕(模造品だろうが)では品川~上野系統ですな。

7000形も色々あるようですが、7024号は1954年製の電車で1000形の車体更新車だそうな。1968年3月に廃車になりました。以降ここへ持ってこられるまでの経緯は不明です。ここに都電を保存した理由もいまいちわかっていません。
車体や足回りがすべて揃った7000形はここくらいのようで、貴重な現存例ということになります。

ちなみに7000形は現在も延命工事を受けた7700形として都電荒川線を走っていますが、あれは元々この7000形の一部を車体更新したものです。ただし完全新造車の1956年製の後期型だけが更新工事を受けています。
7700形に改造された時点で元の7000形の部品は全く残ってないんだと思いますが、長生きな電車なんですね。


台車は今書いたように1000形の流用品です。1932年製だそうで。


サボも差さっていました。これは本物っぽいです。


車内にも入れます。結構埃っぽいかな。


運転台。
部品は一通り揃っていると思われますが、全体的に劣化が進んでいます。C57ほど手は掛けられていないようです。


車体の車番表記は消されているんですが、車内の銘板に番号が書かれています。1954年3月製造、定員96名。


収蔵庫の壁にはC57のレリーフがあります。これがまた精密なのです。

以上で見学終了。今回の機会を設けてくれた小学校の関係者や児童に感謝です。
これの翌年、2018年3月にも一般公開が行われたようなので、2019年もひょっとすると行われるかもしれません。気になる人はアンテナを張っておこう。

今日はここまで。