黒鉄重工

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木造トレッスル橋が跳ね上がる瞬間を見に行く【2015/09/21】

2017-09-25 23:57:37 | 日常記

2015年9月21日。
ビクトリアのダウンタウンの外れにセルカーク・トレッスル Selkirk Trestle という木造の橋があります。ここはギャロッピンググース・トレイルという遊歩道にある橋で、徒歩と自転車でのみ渡ることのできる橋です。
これ、ただの遊歩道の橋ではありません。元々は鉄道橋だったものです。そもそもギャロッピンググース・トレイルが、昔の鉄道の廃線跡を転用してできた遊歩道なのです。廃線跡についてはまた後日・・・。
この橋は端の南側(手前側)の橋桁が跳ね上がる構造になっていて、橋を潜ることのできない船が行き来する時に跳ね上がります。これは鉄道時代からあったものです。





場所はここ。橋の左右に延びるトレイルの線形が鉄道っぽいでしょ?



この橋を含めた線路はカナディアンナショナル鉄道により1990年まで使われていたようです。路線のほとんどは1970年代に廃線になりましたが、最後の区間だけはE&N鉄道のビクトリアから延びる支線というか、線路の先にある工場への引き込み線として使われていたフシがあります。当時の写真や動画を見てみると、カナディアンナショナル鉄道のスイッチャーがグレインホッパー車1両だけを牽引しているものが出てきます。
廃線後は遊歩道に転用されたので線路は剥がされてしまったわけですが、セルカーク・トレッスルといった一部の建造物は遊歩道に活用されています。

遊歩道整備に伴って橋桁は付け替えられてしまったのですが、橋脚は恐らく当時のままではないかと思います。鉄製の跳ね上げ部も当時のものがそのまま使われているように見えます。
跳ね上げ部が山なりになっていますが、これは整備時に変更が加えられた部分でしょう。鉄道橋にこのような勾配は不必要ですし、実際当時は水平の橋桁でした。この部分の橋桁を変えたのは、船が通れる高さの限界を上げるためでしょうかね。



跳ね上げ開始は13時からで、それは事前に予告されています。その直前に係の人が橋の制御台に入ります。しばらくすると橋桁が動き始めました。
私は南側の岸から張り出ている桟橋(地図上のGorge Waterway;水上タクシー乗り場だ)から眺めていました。



上がりきりました。
ちなみにどうやって予告を知ったかというと、橋が跳ね上がるからその間は通行止めになるよ、という張り紙が橋に貼られていたのを読んでいたのでした。
なので私の他にも聞きつけた人たちが見物に来ていました。この橋は毎日のように渡っていましたが跳ね上がったのは1~2回程度で、使用頻度は極めて少ないといえます。



程なくして橋を動かさせたボートが橋を横切っていきました。大きさはそれほどじゃないですが、マストが高くて確かに閉じた状態だとぶつけてしまいます。



船が通過したので橋を下ろします。



・・・と思ったら再度上げました。



滑り込み(?)で船が通過していきました。あれもマストをぶつける高さだったし、通過する予定の船だったのかしらん?



今度こそ橋を下ろして跳ね上げイベントは終わり、いつも通りのトレッスルへと戻っていきました。20分ほどの光景でした。
なお高さが大丈夫な船は悠々と通過しています。写真の水上タクシーとかね。



橋を見た後はトレイルを進んでダウンタウンへ。
その途中にポイントホープ船渠という会社があるんですが、ここでは船の修繕を行っています。常に何かしらの船が入れ替わりでドック入りしているので、毎日見ていて飽きないです。
この時はなんとカナダ海軍のフリゲート、HMCSイエローナイフが入渠していました。フリゲートも陸に上るとでかいねぇ。



他にはタグボートでしょうか、ゼネラル・ジャクソン丸もいました。普段は主にこういった民間船を診ています。



船を移動させる時に使う巨大転車台があります。



これはフロスティ丸でしょうか?何の船か分かりかねますが。



もう1箇所見聞ポイント。ジョンソンストリート橋です。この橋はいま架替工事を行っている最中でして、右側の青いのが今使っている橋です。
ジョンソンストリート橋も跳ね上げ橋でして、使用頻度は先程のセルカーク・トレッスルよりも遥かに高いです。ここもダウンタウンへ行くときはよく通りますが、何十回と橋が上がっているところに出くわしました。実際の回数はもっと遥かに多いでしょう。
その青い橋がさすがに老朽化してきたので架け替えようとしているわけです。当然新しい方も跳ね上げ橋になります。
橋は自動車用と歩行者用の2本の橋桁があります。さらに、今はまだ準備工事程度でしょうが鉄道用のものもあるらしいです。廃線になったE&N鉄道の一部を復活させる動きがあって、それが果たされた日にはこの橋を渡ってダウンタウンまで乗り入れるつもりだそうで。



対岸から。まだ橋脚と橋台が建ったくらいです。
2016年春には竣工すると聞いていたのでこうして記録していたわけですが、工期が延びてしまって国外追放までに完成を見ることは出来ませんでした・・・(泣)
執筆時点では、跳ね上げ部以外は橋桁の工事が完了したようです。今のところは2018年4月の供用開始を目指しているのですよ。

橋はここまで。



最後にダグラス通りでバスを見ていきましょう。
BCトランジットのNFI D40LF旧塗装 #75系統。#75系統はブッチャートガーデンを経由しますので、バスでそこへ行くときはこれに乗ると便利。



Nova LFS #31系統。



D40LF新塗装 #4系統。



LFS #21系統。
これは初期ロットでして、窓の形状が窓枠の見えるものになっています。大多数は上記のLFSのような窓枠が見えず一体の大型ガラスに見える(実際は分割されているが)フラッシュマウント窓 Flush-mounted window なので、比較的レアです。



ウィルソン交通Prevost H3-45 (1st generation)。
ウィルソン交通はビクトリア一帯を縄張りにする観光バス会社。他に空港連絡バスやスクールバスもやっています。これは観光バスでしょうねぇ。



アイランドリンクバスのMercedes-Benz Sprinter。
ビクトリア~ナナイモ~コートニー~キャンベルリバーを結ぶ路線バス会社。1日数便が運行されています。
キャンベルリバーは自然豊かな町。ビクトリアまで車で270km、3.5時間かかるそうな。だいたい東京~浜松よ。



BCトランジットのAD Trident 3 #50系統。



Nova LFS #4系統。



LFS #6系統。こう圧縮して撮るのが良い。



AD Enviro 500旧塗装 #14系統。
二階建てバスの旧塗装は赤と青の帯が車体後半から二階まで伸びる躍動感あるもので好きなんですが、新塗装化で一階の窓下に細帯という各社共通のものになってしまい残念です。
それと地味な部分ですが、二階窓の下のVictoria Regional Transit Systemのロゴマークも現在では廃止されたものですので、今となっては貴重です。



D40LF旧塗装 回送。



D40LF新塗装 #15系統。ですが、行先表示器が全部黒塗りになっている、個体差バージョン。



そういえばこの頃からBCトランジットのバス停のサインが新しいものになっていました。2015年9月8日改正から開始されたようです。
バスのアイコンが大きくなり、系統が色分けされるようになりました。
オレンジは15~60分間隔で急行運転をするリージョナルルート、灰色は20~120分間隔運行のローカルルート。後ここにはないですが、平日昼間に概ね15分間隔で運行する青のフリークエントルートの3種類です。
ただし、リージョナルは#15,#16,#50,#70系統、フリークエントは#4,#6,#14,#27,#28系統。残りの数十以上ある系統は全てローカルでして、あんまり色分けする意味が感じられないような。
それと、#15,#70系統は急行路線だったので末尾にX(expressの意味か?)が付いて#15X,#70Xという風に表示されていましたが、今度の改正でXが外されました。ただし、通常は各停系統で一部の便のみ急行運転する時はXが付きます(#61系統とか)。妙にややこしい。



こっちが古い方のバス停サイン。この時はまだ新旧入り混じりでした。
なお、サインがあるのはダウンタウンや複数の系統が停車するなど主要バス停のみで、引き続き利用の少ないバス停は棒がぶっきらぼうに突き刺さっているだけです。たまに時刻表すらないバス停とかありますからね・・・。

そういえばひとつ思い出しましたが、BCトランジットは車内で無料の時刻表を配布しています。
中身は、バスの乗り方、運賃から始まり、全系統の全便の時刻表(ただし掲載バス停は主要バス停のみ)、地域全体の路線図、各系統の地図上の経路、ダウンタウンや各地のエクスチェンジ(乗り換え地点)の乗り場案内が載っていました。
有料でもいいくらいの充実ぶりです。特に全系統の時刻表と経路を一元化して1冊にまとめているというのが素晴らしく、これ1冊あればバス移動はばっちりという代物でした。日本の路線バスでここまでやっているものはそうそう見かけないでしょう。BCトランジットの規模がさほど大きくないというのもありましょうが、似たような規模の路線バス網は日本にもいくらでもあるはずです。
特に系統ごとに経路を載せてくれていたのはありがたかったのですが、今回の改正の時刻表からこれが削除されました。
結構残念でした。全体路線図では系統同士が複雑に交わり合ってどれがどこを通るか分からないのです。執筆時点では果たしてもとに戻ったのかどうなっているのか存じませんが・・・。

という感じでバスのサインが大きく変わった2015年9月のことでした。
今日はこれでおしまい。