黒鉄重工

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北米project 2 ~Major Leaguers und Jäger.  その13 【2015/06/24~26】

2016-04-28 22:44:47 | 海外旅行記

2015年6月25日(木)12時27分
ワシントン州エバレット フューチャー・オブ・フライト

強敵フライング・ヘリテージ・コレクションを倒した私は、次の目標であるフューチャーオブフライト Future of Flightへ向かったのでした。
ここは例のボーイング大帝国の旅客機製造工場の隣りにあって、秘密の工場見学ができちゃうよという施設です。
FHCからエバレット空港を挟んでおおよそ反対側にありますので、2つ合わせて攻略することも出来ます。ただし路線バスだとクソ不便なのでレンタカーで行くのをおすすめします。

予定が30分押しているんで、とっとと入館して工場見学のチケットを購入します。
事前購入も出来るんですが、予定が押すことが考えられたのと(実際押した)平日やし大したことないやろと高をくくってたのがあって当日購入にしたんですが、一番早い時刻で14時から。13時のツアーで行くつもりだったんで、おっとこれは遅いぞ。
まあしゃあないんでそれにします。ちなみに値段は$20と結構いいお値段します。



暇が出来てしまいましたがせっかくなんで館内を見ていきます。ついでに昼飯も食べます。今日は飯食えないと思ってたからね。なお館内のカフェにはろくなものが残ってなかった模様。悲しい。
FHCがミリオタ向けの博物館だとするならこっちは飛行機とはなんぞや旅客機とはなんぞやという飛行機初心者でも楽しめる内容という感じでした。かくいう私も飛行機初心者なので色々参考になりました。



飛行機の首。ボーイング707か727か737のノーズだと思いますよ。少なくともエアバスではないでしょう(
・・・いやぁ、707~737はノーズの形がどれも同じなので首だけ置かれても判断がつきにくいです。とはいえボーイングのノーズといえばこの角ばったやつですね。
奥の首はイースタン航空の機材で、同社は737を運航してなかったようなのでたぶん727。でも適当に塗り替えた可能性もあるし、やっぱ知らん。手前のシャチみたいなのが描かれた奴はそもそもキャリアが分からないです。



謎飛行機。しまったことに説明板を撮り忘れていたので、後から見たらこいつ誰やねんと困ってしまいました。
やべぇ、この角度じゃ調べようがないぞ、特徴がない・・・特徴・・・特徴・・・あ、こいつカナード付いてんぞ。
ボーイングって前翼機なんて造ってたっけ・・・そもそもこんな小型機扱ってたっけ・・・と思いながら前翼機から切り込んでみたらあっさり見つかりました。
ビーチクラフトのスターシップというビジネス機でした。なんでビーチの機体がボーイングの中枢に・・・。特に宇宙に行けるとかそういう機能は持ってないらしい。

機首に前翼(カナード翼)が付いているのが特徴でこの手の機体は前翼機と呼ばれます。日本だと戦闘機の震電あたりが知られてるんじゃないかな?
カナード翼は、抵抗の低減とかエンジンを後方に配置できるので騒音が低下できるとか、メリットはあるんですが、現代の飛行機がどれもこれもカナード翼付けてるかというと全然そうじゃないんで、設計者の趣味なんだろうなぁと。
設計者誰やねんと調べてみたら、バート・ルータンでした。あっ(察し)ってなりました。こいつ、前回出てきたスペースシップワン(とその母機のホワイトナイト)のデザイナーでもあります。
この写真の角度からだと見えないので気が付かなかったんですが、この星船には胴体に垂直尾翼が無く、代わりに主翼端にあります。あれウィングチップじゃなくて垂直尾翼だったのかっていう。おそらくウィングチップの役目も狙っているんだと思いますが。
この垂直尾翼を翼端に付けるという設計はスペースシップワンと同様で(スペースシップワンはブームを介しているが)、ああこれはルータンの趣味なのか、となんとなくそう思いました。
これには水平尾翼もついてないですが、カナード翼とデルタ翼の主翼で代替しているんだと思います。ちなみにカナード翼は可変翼らしい。またよう分からん機構を付けたな・・・。
なお10年間で53機しか製造されず商業的には大失敗だったということで、ここに置いてあるのは中々貴重なことなのだな。

脱線が過ぎたんで話を戻します。



787の胴体の輪切り。ちょうどいい具合におっちゃんが解説を読んでいるので比較しやすいです。
3-3-3列なので当然ですが、意外とデカイもんですね。
胴体の下半分は貨物スペース、我々がいつも乗る客室は上半分という風になっています。さらに客室の天井裏には客室乗務員の隠し休憩室があります。



ゼネラルエレクトリックGE90-115Bエンジン。115B型は現行のエンジンかな?
ボーイング777用に開発された史上最大のエンジンで、実質777専用エンジンになっています。エンジンナセルを含めた直径は737の胴体より少し小さいくらいの大きさになっていて、エンジンの前に6人横に並べられるということに。
ただしデカイのはエンジン前方のファンで、その後ろの本体は意外とそんなにデカくないんだなと。



後ろから。いやぁ構造については全く分からんね。



ロールスロイス トレント1000エンジン。787のエンジンです。

今のジェットエンジンの主流はターボファンエンジンなので、前方にデカいファンが付いております。ターボジェットエンジンにプロペラを付けたような感じです。
旅客機のエンジンとして、ターボジェットじゃ速すぎるしターボプロップじゃ遅すぎるし、ということでその中間として開発されました。ジェット噴流の他にもプロペラで掻き回した空気流も推力に利用しています。
旅客機のターボファンエンジンは全推力のうちプロペラの空気流の割合が多い「高バイパス比ターボファンエンジン」というものが主流です。これもうほとんどプロペラ機だろ、とか言われてるそうです。



後ろから。配管がうじゃうじゃしていて気持ち悪い。
エンジン本体とプロペラのスキマが結構空いているんですねぇ。ここから空気流を流します。



館内の見学はそこそこに、屋上へ出てみました。FOFはペインフィールド空港の滑走路の横に建てられていて、屋上から空港の様子を見ることが出来ます。
滑走路の奥のエプロンにはできたてホヤホヤの機材が並べられています。ボーイングの旅客機工場は737以外はエバレットに集中しているので、ここにいれば世界中の機材を一度に拝めるわけなんですなぁ。737の工場もシアトル南部にあるそうなんで試験がてらここにやってくるらしいです。



サウディア。たぶん777。



ジェットスターの787。
787なんて発注してたんだ。A320のイメージしか無いよ、あそこ。


塗装前で保護シートが貼られたままの747。747-8Fかな?今や747は貨物型でしか生き残る道ないような気がしないでもないですね。
その奥にいるのは777。サブタイプはわからない。垂直尾翼を見ると納入先は大韓航空のようです。この緑の保護シート貼るのだって大変だろうな・・・。
さらにその奥にはビジネスジェットと、727がいました。727、汎用性が高いのか未だにいますね。



あとは、ボーイングのデブことB747-400LCF「ドリームリフター」(N780BA)がいました。ただし頭は隠れていました。頭隠して尻隠さず。
世界各地で製造された787の部品をここまで運ぶためだけの機体です。日本でもセントレアに飛来するのでよく知られた機体です。なお新造機ではなく中古の747からの改造だそうで、ようやるわという感じ。
これが見られるとは思わなかったので良い収穫でした。頭が見えなかったけど・・・。これはセントレアで再履修。



遠くの山もうっすらと見えます。何て山なのか分かりませんが、結構標高高そうですね。



ビーチクラフト95「トラベルエア」。なんかの会社の所有機らしいです。1956年に初飛行して1967年には生産終了したんで、結構古い飛行機です。



セスナ152。個人所有機です。ボーイング専用の飛行場ってわけじゃないんですな。
その奥には塗装前の787が。



その後急にデカいのが!大韓航空貨物のB747-8F(HL7629)です。
当然大韓航空がここにやってきたというわけではなく、工場で完成した機体を納入する前に試運転しているというわけですね。果たして試運転機が来るかも分かりませんでしたが、大物を見ることが出来て満足です。やっぱり4発機はロマンだね。ゴミがついてるけどそこは目をつむるんじゃ。
大韓航空、貨物輸送に力を入れていて、輸送量は世界2位とかなんとか。なんだか意外ですね。



横から。おお、でけぇぇ!
747-8は787の技術を一部転用して開発された747シリーズの現行モデルです。GEnxエンジンを積んでいて、787同様にエンジンナセルにギザギザが付いているので既存の747-400との見分けはつけやすいです。747-8Fはそれの貨物型というわけです。



フェデックスのB767-300F(N124FE)。。今日の試運転はもうおしまいのようです。

今日はここまで。


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