山上俊夫・日本と世界あちこち

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橋下大阪市長「バス87路線を極限まで減らす」

2014年11月24日 13時11分47秒 | Weblog
 橋下大阪市長は、19日(2014・11)の市議会交通水道委員会で、民営化条例案が否決されれば、現在の87路線を「極限まで減らす」と述べた。正気の沙汰とは思えない。
 21日の本会議で、市営地下鉄・バス民営化関連条例案を公明、自民、民主系、共産各会派の反対多数で否決した。
 橋下市長は、593億円の累積赤字がある市バスに税の投入を続けるつもりはないと述べ、バス路線を極限まで減らすのを本気でやるのだろう。
 だが、市バスが赤字になるのは当たり前のことだ。大阪は地下鉄が発達し、その地下鉄を補う形でバス路線網がある。だから地下鉄とバスを交通機関として一体のものとして経営的にも一体的に考えないと、バスだけを切り離して経営を考えるのは実態に合わない。事実、かつては地下鉄の年200億円程度の黒字からバス会計に繰り入れして処理してきた。ところが橋下氏はこれを切り離し、バスをことあるごとに攻撃してきた。その結果、バスの本数をどんどん減らし、とくに支線は悲惨な状態になっている。わたしが前に(2014/4/2)に書いた記事で、港区から大正区へ通勤していた娘が、朝7時台のバス本数が3本から1本に減らされて通勤に使えなくなったと怒っていたことを紹介した。バスが1時間に1本とは、どんな田舎かという異常事態だ。橋下改革の実際の姿だ。
 橋下氏は、これをさらに極限まで減らすというのだ。おそらく娘が使っていた路線は確実に廃止するだろう。民営化してもこの路線は廃止されるだろう。
 だが公営交通は、市民の交通権、移動の自由を確保するために必要なものだ。そのために必要な範囲で税金投入は認められる。だが、地下鉄バス一体運営の観点からは、バスを極限まで減らす方策は絶対出てこない。逆に、生活圏に身近なバスは、お年寄りの大切な交通機関だ。お年寄りを町に引き出すための、交通権のなくてはならない手段だ。引きこもりにさせないために欠かせない。
 累積赤字が593億円あるといって攻撃するが、一体運営では解消されるものだ。攻撃するためにあえて分離するのだ。一方で地下鉄は大幅黒字をだす優良企業なのだが、優良企業だから財界の欲望に沿う形で民営化しようとする。どっちにころんでも民営化するのが橋下政治だ。いちばん被害をうけるのがお年寄りと赤ちゃんをかかえたお母さんだ。
 こんな橋下政治の弱者いじめに、市民全員が気付いてほしい。

 ところで、わたしの4月2日の記事に、(な)という人がかみついてきた(コメント欄参照)。
「そのまま赤字路線つづけて借金ふえて大阪事態(自体)つぶれたら通学(通勤だ!)している意味さえないだろう笑。いくら借金あったと思ってんだ。日本全体の恥だったぞ。目先だけで評価するんじゃない。」というのだ。
 赤字路線の周辺に住んでいる人はバスがなくて当然だというのだが、住んでいる場所で差別しては政治というものは成り立たない。いくら借金あったと思ってんだ?地下鉄の黒字をまわすのは当たり前ではないか。交通局は市営交通として両方を運営しているのだから融通するのは当然だ。
 このコメントを呼んで、わたしは大阪維新の市会議員かそのスタッフの投稿ではないかと直感した。



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1 コメント

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Unknown (五体満足)
2014-11-26 00:16:10
松井さんも橋下さんも、大阪府民いじめ。
あっ、地下鉄や市バス使っているのは大阪府民だけじゃないから、関西人いじめかな。

やはり、2011年のW選挙は、知事は倉田薫さん、市長は平松邦夫さんに、当選してほしかった。

僕は、知事選挙は、きっちり倉田さんに投票しましたよ。

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