晩秋から酒造りが始まった酒蔵、そろそろ終盤です。
かなり大雑把に申しますと、お酒の仕込みとは 蒸したお米に麹菌や酵母などの微生物が作用していい具合にアルコールをつくりだしてくれるように人間が誘導することでして、その作業をひと冬に何回か繰り返すのが一般的です。
ですので、「お米を蒸す作業はこれが最後ですよ。」という日が来ると、いよいよ今期の仕込みも無事目処が立ちました、みなさんお疲れさまでしたね・・・ との意味を込めて蔵元が祝いの宴席を設けます。「甑倒し(こしきたおし)」と呼ばれる行事です。お米を蒸す甑(大きな釜、または蒸籠のようなもの)の役目が終わって洗浄するために横に倒すことからそのような名称になったそうで。
昨日は佐渡の加藤酒造店さんの「甑倒し」でした。
毎年その日の夜になるとほろ酔い上機嫌の蔵人から電話がかかってきます。夕べも11時になるころに賑やかな場所から楽しそうな声が。そんな時間に電話できる間柄ってのが何とも嬉しいことで。
蔵の人たちがそれぞれの思いを話してくれ、その情報と普段お客さんとの会話から感じていること、さらに私自身の考えをすり合わせて新たな課題が生まれたりして・・・ う~む、頑張らねばいけませんな。
前にも使わせていただきました写真は、かつて金鶴の釜屋(蒸米担当)だったマタベエさん。
黙々と淡々と仕事をこなし、ときどきみんなを笑わせて「和」を保って下さったムードメーカー。
引退されてからお会いする機会がありませんが、お元気でお過ごしのことと存じます。
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