こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

誰もが冤罪被害者になるかもしれない・・・その時あなたは?

2018-05-18 08:17:46 | 冤罪事件・国民救援会
5月12日に開催した「SUN-DYUさんともに冤罪事件を考えるつどい」のことを、あらためて書いておきます。

誰もが、冤罪被害者、つまり身に覚えのないことで突然「犯人」に仕立て上げられる・・・そんなことがおこるかもしれません。


過去にSUN-DYUさんのことを何度か書いていますが、初めて今日、このブログを見てくださった方のために、まず「泉大津コンビニ窃盗冤罪事件」について簡単に記しておきます。


2012年6月、泉大津市内のコンビニでレジから現金1万円が盗まれ、それから約2か月後、当時21歳のSUN-DYUさんが逮捕されます。否認を続ける中で起訴、302日間の拘留。アリバイと無実の証拠により、2年後に無罪判決。

判決確定後、検察・警察に謝罪を求めたが、回答なく、2015年、国家賠償訴訟を起こす。「冤罪を起こした原因を究明して、同じ過ちを繰り返さないで欲しい」との思いから。地裁、高裁は証人調べせずに棄却。最高裁に上告するも、今年4月不受理の決定。


SUN-DYUさんは、自身は「黙秘します。」という言葉だけを口にし、警察の取り調べの中で言われた言葉は、その都度メモにして記録に残してきたと言います。

12日の集会で、SUN-DYUさんが経験したことを事実に基づいて舞台で再現されました。脚本・演出・そして「本人」を演じたのはSUN-DYUさん自身。

音楽仲間のMIC SUN LIFEの3人のメンバーのうち、ひとりは病気で来られないなかで、もう一人のメンバー、ズッカンが警察官、弁護士の役を演じてくれました。


第1幕「トンネルの入り口」・・・ある日突然、帰宅すると8人の警察官が待ち構えていて逮捕。

第2幕「喜怒哀楽」・・・22日間の取り調べ、302日間の拘留。その中で、思ったこと。「お前が犯人だと言われても、やっていないから認めることはできない」・・・希望をなくして命を絶つことも考えた。何度も。

第3幕「無実の証拠が・・」電話の履歴や友人の証言でアリバイが証明され、決定的な証拠として、店のガラス戸に残った指紋が事件当日ではなく5日前のものであったことが、防犯カメラに残っていた映像によって明らかになる。映像を丹念に見て、5日前の映像を見つけたのはSUNーDYUさんのお母さん。


第4幕 「その時」裁判所で判決。「主文 被告人は無罪」・・・裁判官を演じたのは、SUNーDYUさんのお母さんでした。


取り調べの中で言われた言葉は、ここにそのまま記すことはできないヒドイものです。

「自分に向けられる言葉は、黙って聞いていることができても、家族や友達や恋人まで侮辱する言葉に心が折れた」


「冤罪が起きる仕組み」について、お話いただいた泉大津在住の南部秀一郎弁護士は、こうした警察の取り調べを「憲法違反」と断じました。



日本国憲法第38条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。


2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。


3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。




南部弁護士は、「憲法の条文で、ここまで具体的に記述しているのは例外」と言います。

かつて日本が侵略戦争に突き進んでいった時代に、強制、拷問、脅迫によって自白を強要され、命を奪われた多くの人たちがいたこことを思い起こします。

そんな暗黒の歴史を繰り返してはならないという反省の上にある憲法なのだと思います。

SUN-DYUさんは仲間とともに6月3日に東京で開催される若者憲法集会に参加されることも紹介されました。


「SUNーDYUさんは『奪われた僕の300日の人生』と言う。21歳の若者が、無実の罪で囚われ、300日以上も接見禁止で社会から隔絶され、自由を奪われ、希望を奪われた。それはまさしく人生そものを奪われたこと。誰の人生も奪われてはならない。多くの人の人生が、命が奪われた歴史の上に、今の憲法がある。私たちが生きている社会は、その憲法がいまだに完全には守られていない。憲法を力に、誰もが安心して生きていける社会をめざしていきたい」

こんな言葉で、集いを呼びかけた実行委員会の一人として閉会のあいさつをさせていただきました。
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2 コメント

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問題の本質は刑事システム全体の腐敗にある (遂犯無罪)
2018-06-24 09:56:04
法治国家の無法地帯・・裁判所 裁判の仕組みが 犯罪も 捜査も 裁判も 弁護も 仲間内でやれる裁判に「裁く側と捜査する側の不正」がある 公判調書偽造で立証された。
マル暴扱いのアウトローや変質者扱いされて有罪判決になった方は 自分の判決書を取り寄せて検証すべきだ 懐疑しなければ人間の尊厳という生きるに値する根源まで破壊される。

誤判の基は当事者主義の不徹底 検事の証拠隠し 被疑者 証人等の供述証拠のみを有罪証拠に権力のでっち上げ 弾圧事件において「証書の差替え 検事の証拠の偽造」を立証した本件は司法を国民の手に取り戻す突破口となった。 
http://www.suihanmuzai.com/
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Unknown (ただち恵子)
2018-06-25 17:23:28
「遂犯無罪」さんへ

コメントありがとうございます。

「司法を国民の手に取りも戻す」と、あえて言わなければならない現実!

その中で、コンビニ冤罪事件の無罪判決の意義は大きなものがあります。
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