こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

介護保険「要支援」認定者のサービスは守られるか?!

2016-09-01 18:13:47 | 社会保障
介護保険の認定で「要支援」となった方の、訪問介護(ヘルパー派遣)と通所介護(ディサービス)を保険給付からはずして、市町村の事業に移管することが法律で決まり実施の猶予期間も今年度いっぱい。


全国一律の保険給付から、市町村の「総合事業」に移管して、サービスの提供者も利用料も自治体ごとに決める。

国が示したガイドラインでは、「多様なサービス」の名のもとに、「無資格のボランティアでもよい」ということになっている。

どんな「総合事業」になるのか?

気がかりで、これまで何度か質問してきた。


きょう開催された厚生文教常任委員会協議会で、ようやく市の事業の概要が示された。

まず「現行相当」のサービス。

これまで同様のサービスを、現行の指定事業所が行う。

ただし報酬は、現行の「月額包括制」ではなく、「1回ごとの単価」に変更。

この変更は、近隣自治体と足並みをそろえたものであること、そして事業所にとっては「事業は現行どうりでも報酬は下がる」ことが、質問の中で明らかにされた。


「月額制」から「1回ごと」に変更することで、利用者にとってはメリットがある場合もある。

しかし、すでに介護報酬の引き下げで打撃を受けている事業にとって、どれほどの収入減になるのか?

地域にあって、心あるサービスを提供するために努力している小規模な事業所が消えていけば、結局困るのは利用者ではないのか?


次に「現行サービスより基準を緩和したサービス」。

実施主体は、特別養護老人ホームなど社会福祉法人とシルバー人材センター。有資格者だけでなく「市長が指定する研修」の受講者が、実際のサービスを行ってよい。その「研修」とは、「2日間で12時間」。

この場合、報酬は現行相当の75%。「要支援1」の訪問介護は、約4割、通所介護では半数がこの「緩和したサービス」の対象となると想定されているのが、今日の質問に対する答弁だった。

「現行相当の75%の利用料で、2日間12時間の講習を受けた無資格者によるサービス」と、「現行の予防給付と同等の専門職のサービス」を併存させたとき、そのいずれを選ぶのか?

それは「保険制度」のそもそもからしても、「利用者の選ぶ権利」は厳格に保障されなければならない。そのことは引き続き問題にしていかなければならないと思っている。




これらに加えて、国の基準では「住民主体による支援」としてボランティア等の活動も位置づけしているが、これについて「当面」ということわりをつけた上で「導入しない」ということ。




最後に、これだけ大きな制度変更にあたって、広く市民の意見を聞くパブリックコメントを「実施する予定はない」というのは、「全く理解できない」ということを率直に指摘した。

「現サービス利用者に担当ケアマネから個別に説明するなかで意見を聴取する」ということだが、当事者への説明と意見の聴取は当然のこととして、「それで事足りる」ということではないだろうと思う。

国は、要支援者のサービスの「総合事業」への移管が様々な不安の中で、本格的に実施されようとしているときに、その検証も待たずに「要介護2以下」のサービスも保険給付からはずすことまでも打ち出している。

そういうなかで進める市の「総合事業」であれば尚のこと、今、急いでするべきことは現にサービスを利用している方々と家族、サービスを提供する全ての事業者、地域で活動する様々な団体を初めとする市民的議論をおこしていくことではないか。

その一環としてのパブリックコメントの実施は、必要最低限だと思う。



「軽度」の段階でのしっかりした支援が重度化を防ぐこと、目先の財政支出の削減で要支援認定者のサービス切り捨てを行うべきではない。

それは、これまで繰り返し主張してきた。

いかなる国の制度改悪のもとであっても、市は保険者として地域のサービス提供事業者と力を合わせて、高齢者と家族の安らかな暮らし、命と健康を守る立場に立ちきる責任がある。


そういう視点で9月議会でも引き続き議論していきたい。










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