湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

2年振り3回目の秋の王滝100km走って来ました!

2012年09月16日 | MTB
 報告遅くなりましたが、タイトル通り2年振りに秋の王滝100kmを走って来ました!レースのあった日付にしれっとエントリーしてますが、報告が遅くなった一番の理由は今更ながらに思い知らされたのですが、レースレポって僕にとってかなり苦手な分野だからのような気がします。走っているときは、集中しつつ、そして苦しみつつもいろいろ思うわけですよ。「今のこのことを書こう!」とか。でも走り終えたときにはほとんど忘れてしまっていたり、あいまいになってしまっているのです。1時間程度のヒルクライムレースですらそうなのだから、王滝のような長いレースの場合なんてホント困ります。でも、自分のためにも少し頑張って思い出していくことにしましょう。長く、苦し楽しかった王滝のことを。

 過去2回は出だしが遅くてかなり後方からの出走となったのですが、今年は目覚ましより早くしっかり目覚めて準備したおかげで、プロ選手の後ろ姿が見えるようなかなりの好位置からの出走できました。これだけで過去2回の大会より2~3分のタイムの短縮になったと思います。今年の100kmは過去最高?の1000名を越えるエントリーがあったそうなので、今までのようにのんびりとしていたらかなり後ろからの出走になったのではないかと思います。前日の受付なんかも、今まではなかったような長い行列だったし。

 ダートの入口までの約5kmはパレードランということになっています。でも、そこまでのペースが僕レベルにはとても速い。密集した集団のなかを前へ前へと位置取りしてくる選手も当然いるので、きつさを感じながら接触しないようにちょっと注意と緊張が必要でした。パレードランの序盤は一応先導の車、そして有力な選手たちについていくようにしたのですが、すでに心拍数は190とか。そんなにきつさは感じてはいないものの、これは多分レースの昂揚感ゆえでしょう。こんなペースではこの先もつわけないので、後半は足をゆるめてペースを落としました。ただそのあと先導車のスピードも遅くなったので結局ダートの入口までパックで行くことはできたのですが、すでにきつきつです。



 きつきつのパレードランが終わると、プロ選手を含む有力選手が一気に飛び出します。いやぁ速い速い。僕は逆に足をゆるめて自分のペースをさがします。何人かの人を抜き、それ以上の人に抜かれます。そうこうしているうちに足の合うメンバー6~7人のパックができました。ただ勾配がきつくなると明らかに僕はそのなかでは遅れます。そして緩斜面でとくにペースをあげるわけではないのだけれどもなぜか追いつく。自転車のせいにしてはいけないのだけれども、やはり昔ながらのクロモリMTBだと重量的に不利だからなのだろうかと思ったりしました。

 そんなふうにスタートから標高差640mあまりの最初のピークへのがれた道を上って行ったのですが、そうしたなかで後ろから追いついてきた人が「VOGUEのMTBって珍しいですねぇ」と話しかけてきてくれました。話してみると、広島の方でロードはVOGUEに乗っているとのこと。で、その方の乗っていたMTBがこれが年代物(おそらく1996年前後?)のパナソニックのクロモリ?アルミ?のとにかく古いMTB。普段はロードが圧倒的にメインなんだろうなと思ったのですが、この人が速い上に、とにかくペダリングがめちゃくちゃきれいでびっくり。3本ローラーでペダルを回すかのように、がれた上りをスムーズに上っていく。空気圧が高すぎたこともあるのだけれども、僕なんかタイヤのハネが影響しまくっているのに。もっともっとペダリングスキルを磨く余地があると実感させられた瞬間でした。そして自転車の違いも当然あるだろうけれども、自転車だけじゃないという当然のことを思い知らされた瞬間でした。

 この広島からの方は途中パンクしていたりもしたのですが、「追いついた~」と爽やかにまた僕を抜き去っていき、結局5時間45分くらいのタイムでゴールしてました。すごいなぁと思うと同時にちょっと励みになりました。

 急斜面で遅れ、緩斜面で追いつくというのを繰り返してようやく最初のピークに到着。そこからはいよいよ下りなのですが、どうやらこのパックのなかでは下りは僕に一番アドバンテージがあるようです。楽しみながら、そして少し先を走っていた人を何人か吸収しながら良い感じで下ることができました。上りは弱いのに下りで前に出れるってなんだかとってもお得感ありますよね。最初に出場したときは下りが駄目駄目だったのでちょっと自分の成長を感じました。ま、ホントはもっと上りも強くならなきゃいけないわけですが。

 さて、小さな上り返しを終えてまた下ると今度はまた長い上り。ここらからそろそろ暗雲が・・・

 まずペダリングにだんだん力が入らなくなりはじめました。ついでに腰も痛くなりはじめました。それでも今いるパックから遅れたくなくて黙々とペダルを漕ぎます。そして2つ目の大きなピークはなんとかそのパックで越えたわけですが、そこからの下りで今度は前の人たちにまったく着いていけません。最初の下りでは自分のほうが下りが得意だと思ったのに。いったい、あれはなんだったのだ?

 タイヤの空気圧が高すぎるのと、サドルの位置が低いかもしれないということをここまで感じていたのですが、多分その影響が出はじめていたのだと思います。空気圧は高いのは元々わかっていたのだけれども、パンクが怖くて・・・、といよりもなんとかなるだろうという気楽な気持ちで走りはじめてしまっていました。最初の年、それでやはり失敗しているにもかかわらず。ポジションもロードの場合はかなり丁寧に決めるのに、MTBは直江津を走ったそのときのまま。さらにここまでで若干サドルが下がってきている感じです。でも今いるパックから遅れたくなくて、そのまま走り続けてしまった。そのせいで早々と体にダメージが出てきているのだと思いました。

 35km過ぎのCP1まではなんとか頑張ったものの、そこからは腰の痛みが耐え難く、苦痛に喘ぎながらの走りになりました。ただオールスポーツのカメラを向けられたときだけは笑顔で。いつもさも頑張っているみたいな写真ばかりなので、今回は笑顔でいこうと親指をたてて余裕のポーズをとったりもしたのですが、坂練の効果はともかく、堺雅人練の効果はかなりあったようで苦しかったにもかかわらずなんかすごく余裕そうに写っていて、これはこれで複雑な気持ちになりました。いやぁ、ホント楽しそうに、楽そうに上ってましたよ。そのときだけは。

 ただ実際はホント腰が痛いわけです。CP1は素通りだったのですが、CP2までは痛くて苦しくて遂に自転車から降りてしまいました。補給のためではなく、腰の痛みのために。幸い膝やアキレス腱はここまで問題ないのです。神様ありがとうっていうくらいに影響ないのです。でも腰の痛みは直江津の一番痛かったときより痛い。DNFが頭をよぎるほどつらい。とりあえず最初に自転車から降りたときに、体へのダメージが少なくなるようにタイヤの空気を少し抜きました。でも、それだけでここまで痛くなった腰が回復するはずがない。その後しばらくして結局また自転車から降りて、少しのあいだとぼとぼ自転車押して歩いてしまいました。ストレッチしてもすぐに回復するはずないのだから、だったら押してでも少しでも前へ進んだほうがいいという気持ちもあって。

 CP1を素通りしてしまったために、ボトルの水がそろそろ尽きかけていたので天然エイドステーションでまたしても自転車から降りたのですが、よ~く見ると沢まではちょっと距離があります。気持ち的な余裕が少なかったので、結局ここでは補給なしで、さらに走った場所にあったやはり天然エイドステーションでようやくボトルの水を満たしました。さらにここでようやくサドルバッグから携帯工具を取り出してポジションを調整しました。今思うともっと早い段階でやっておくべきだったのだけれども、余裕なかったんだよなぁ。次回はタイヤの空気圧とポジションは出走前からしっかり絶対調整しておく!CP1まではともかく、CP1~CP2ではかなりタイムロス出てしまったはずなので。それにもしかしたら最初感じた急斜面でのちょっとした遅れもポジションが悪くてトルクが出なかったということもあるかもしれないから。

 ポジション調整が良かったのか、ここからは少し復調した感じ。というか、実際ペダリングは楽になり、腰の痛みはひどいけれども、全然力が入らないという感じではなくなった。

 それからほどなくしてCP2へ到着。CP1は素通りだったけれども、ここでは停まって一呼吸おいた。ボトルの水は余裕あったのだけれども、ゴミを捨てて、ザックのなかに入っていた補給食をジャージの背中のポケットに移した。

 CP1~CP2でのタイムロスは実際よりもかなり長く自分には感じられた。だからタイム的な期待はほとんど期待できなかったのだけれども、悔いの残らないようにとCP2を走り出した。

 ポジション調整した効果は確実にあったようで、CP2からは自分としてはかなり頑張れたし、苦しいながらも楽しみながら走れた気がする。景色が素晴らしかったのも大きいけれども、でもツーリングのときと比較したら1割も楽しめてないだろうなぁ。あんなすごい場所走っているのに、それは毎年もったいなく感じるのだけれども、まぁレースなんだから仕方ない。最高地点の1610mまでいくつかの小刻みなピークを越えていかなくてはならないので足には当然来るのだけれども、これも以前はうまくできなかったスリップしやすいダートの上り坂を休むための立ち漕ぎを織り交ぜながら、少しは順位をあげることができた。

 ただ自分なりには良い走りができていたこの区間なのだけれども、前を走る人たちとはだいぶ距離が離れていたよで、抜くことができたのは思ったよりも少ない人数だった。そして抜かれたのはそんなに多くなかったのだけれども、そのなかのひとりのギアを見て感動!小刻みなピークのちょうど少し手前だったのだけれども、見間違えがなければシングルギアだ!声は掛け損なってしまったのだけれども、ほんとすごいと感嘆してしまった。ピークではすでに姿が見えず、下りで追ったのだけれども、これまで空気圧を3回くらい抜いたおかげでここらでは再び良い感じで下れるようになっていたのだけれども、結局下りでも追いつかなかった。

 小刻みなピークを越えながらようやく最高地点の1610mピークへ到着。いくつかの小ピークに騙された感が何度かあったけれど、ようやくここまで来た!という感じだった。ここからCP3まではほとんど下りだ。王滝の場合、というかMTBの場合は常にそうなのかもしれないけれども下りも休めない。それでも少しでも体を休めるつもりで楽しい、楽しいと自分に言い聞かせて、そして落ちたら谷底というガードレールのないカーブに何度かヒヤッとしながら下っていった。

 CP3はちょうど下りきった地点にある。そのCP3のすぐ手前になんでこんなところに?というちょっと大きめのギャップがあったのだけれども、高まっていた昂揚感そのままに大きくジャンプして、そのままCP3を素通り。あとは2つの小さなピークを越えるだけ。でも毎年この“小さな”が小さいはずなのに大きくつらい。勾配のきつさもあるのだけれども、少しここまで頑張り過ぎたか思ったよりも上りのペースが遅い。でもきつさは皆同じ。遅い歩みながらも何人かの前走者をパスしていく。CP2以降はそれなりに頑張れているようだ。ひとつ目のピークを越え、2つ目のピークも越えたところで、残りの下りをさらに楽に下ろうと多分4回目の空気圧調整。でもこれはあとから考えると余計だったかもしれない。抜いたときもちょっと抜きすぎたかもしれないと思った。ただうまく下りきれば、秘かな目標だった6時間切りはもう全然無理だけれども、6時間15分はなんとか切れそうだ。お願いします!と誰に頼んでいるのかわからないけれど、そんな気持ちで下りはじめた。

 下りに入っても何人かをパス。そしてもうひとり、ラインの関係でなかなか前に出れなかった人をちょっと無理して抜いてすぐのカーブのところで後輪で大きな石を踏んづけた。ガツンという衝撃に「やったかも!」と思ったけれど、王滝を走っていればこんなことは何回もあること。今回も、過去の大会でも何度もやったか!という瞬間はあったけれども、運良くパンクはなかった。でも、今回は駄目でしたね。やったかもと思った次の瞬間にはしっかり空気抜けました。ぎりぎり15分切りを狙えそうだっただけにこちらも消滅。王滝ではパンク、そしてもっと大きなメカトラだって普通に起こり得るので不運は感じなかったし、遂に来たかという気持ちのほうが強かったけれども、思わず腰に手をあてて天を見上げてしまった。あ~ぁ!と。

 今回パンクのリスクを避けるためにエアボリュームの大きいタイヤを新調した時点で、でもそういうときに限って・・・となんとなくそんな気持ちがあった。だからというわけではないとは思うのだけれども、不思議なくらいに焦る気持ちなくたんたんとチューブ交換が出来た。ついでにそのあたりに落ちていたゴミを拾ってから再び走り出した。パンクが怖くてスピードを落としたのは最初だけ。すぐに元のスピードに戻った。最後滑りやすいけれども、走りやすい砂利道になってからは後悔したくないので頭を前へ突き出すようにとにかく頑張ってペダルを踏んだ。

 そして遂にゴール!

 一応両手をあげてここも笑顔で通過する予定だったのだけれども、いやぁここは全然余裕なかったですね。少し遅れてとめたガーミンで確認したタイムは6時間23分ちょい。う~ん、コース変更があった2009年が6時間40分(138位)、今回と同じコースの2010年が6時間50分(115位)くらいだから、短縮はできているけれども思ったようなタイムでは走ることができなかった。15分切れていればまた少し違った感覚だったのだろうけれども、それもできなかったので本当に複雑な気持ちだった。

 チップを返して、ゴミを捨て、水を一杯もらって駐車場に戻るために走りはじめたのだけれども、ここでちょっとだけうっときた。腰の痛みから復活してまた走り出した自分は素直に誉めたい。それにパンクは仕方なかったのだと思う。膝やアキレス腱の故障、それから夏の暑さで思うような練習ができいたわけではない。ポジションや空気圧なんかにしても準備不足だったよなぁと思う。だからうっとくるなんておかしいし、おこがましいとも思うのだけれども、ちょっとだけそんな感じなった自分がいた。本や映画だと簡単にそうなるのだけれども、自分の自転車のことでそんなふうになったことなんて今まで一度もなかっただけにいまだに不思議なのだけれども。

 ただ今回は今までで一番楽しく走れたし、可能性が感じられた王滝だった。過去2回は走行時間のほとんどが苦痛やつらさに耐える時間だった気がするけれど、今回は楽しく感じられる時間も長かったし、良い感じで走れているみたいに感じられた時間も結構あった気がする。それに過去2回は、「これ以上タイムを削る余地なんてないよ・・・」というのが走り終えた直後の正直な気持ちだったのだけれども、今回はまだもう少しいけるのではないか、と甘いかもしれないけれども思った。このようにして、人は毎年王滝を走ることになるのかなぁ~

 でも王滝ってそれだけの魅力がある大会だと思うわけですよ。ただきついだけではなくて、実際走っている場所もすごいし、走っている道もすごいし、とにかく面白い走りがいのある大会だと思うわけです。というわけで、今年のレースはこれで終了ですけど、来年また王滝走りますよ!来年こそ6時間切り目指して。あるいは120km完走を目指して・・・(汗)



 それにはちゃんと練習しなくちゃ、ですね。また頑張ろう!

 結果(速報版による)
 6時間23分00秒 59/1021(エントリー人数)

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いつもワクワク (seiya)
2012-09-24 21:41:24
yuzitoさんの王滝レポート!
毎回、ワクワクしながら読ませてもらっています。
いつかは自分もショートコースを走りたいと思っていますが、夢のまた夢に。
体力と時間が欲しいワタクシです。
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ツーリングでも! (yuzito)
2012-09-24 21:59:28
□seiyaさん

 レースレポってすごい苦手なだけに、そう言って頂けるととても嬉しいです!すごい景色なだけにホントは写真があるといいんですが、全然余裕なくて(^^;
 来年は春秋と2回レポート書けたらいいなぁ。
 ショートコースも景色は最高ですから、ツーリングとして参加しても全然楽しめると思います。ぜひ!
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そん景色を (モリ)
2012-09-25 14:21:41
カメラにおさめてエントリーにアップしたいところでしょうが...
レースではそうもいきませんね~(^^;
走った人だけに与えられる褒美なのでしょう。

yuzitoさん=MTBのイメージが僕の中で強くなっていくな~
実際にはMTB、ロード、ランドナー、そしてラン、etcとバランス良く楽しんでいるのが良くわるんですけどね(^^;
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すごい人たち (yuzito)
2012-09-26 05:35:56
□モリさん

僕は余裕ないんですけど、写真たくさん撮りながら走っている人もいるんですよ。それでタイムもいい人もたくさん。そういう人たちはホントすごいと思います。心の余裕が違いますよね。見習いたいけど、なかなか難しいと思うので、今度ツーリングで走ってみたいななどと思ったりもしているのですが。

僕的にはオールラウンドなイメージを大切にしているのですがwww、でも一番純粋に楽しいのはMTBなのかなぁ(^^;
もう1台くらい持っていてもいい気が最近してきて困ってます。

モリさんにもあの風景を見てもらって衝撃を受けて欲しいです!
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