湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

下見とトレーニングを兼ねて

2015年05月26日 | 山・山スキーなど
 シーズンの最後はここで締めるつもりだった。しかしなかなか休みと天気の都合がつかず、そのあいだに例年より早いペースで雪解けが進み、スキーを楽しむには厳しくなってしまった。ただずっと富士山で最後と思っていたので、どうにも気持ち的にすっきりしない。なので、スキーは無理そうでも、来年の下見とトレーニングを兼ねて雪の残る時期の富士登山をやはりしておこうと、3時頃に家を出たのだった。



 富士宮口を歩きはじめたのがちょうど6時頃。いくつかの登山口のなかで、標高差はもっとも少なく1400m弱。高山病さえ出なければ、体力的には問題ないと思っていた。だから高山病に注意して、ゆっくりと歩くことを心掛けた。



 長く続くのは伊豆の稜線か?



 愛鷹山塊。



 少し前までは快晴だった天気予報だけれども、前日に晴れのち曇りにかわった。下山まで晴れていてくれるといいのだけれど。 



 という心配は必要なさそうな青空!やはり雪は少なさそうだ。



 今回で4回目の富士登山。雪の残る時期ははじめてなので、少ないとはいえ雪の存在がなんだか嬉しい。



 ただ少ないとはいえ、雪の斜面は富士山のスケール感とあいまって結構怖い。登っているときはあまり感じなかったけれど、振り返ってみると、ここで滑ったらまずいじゃないかと思ったりした。残雪期とはいえ、雪がしっかり繋がっているときの登山は簡単ではないはずと思った。



 ブル道。スキーを持って行かないということで、こちらも少しだけ考えたけれど、体力的にも残雪という状況的にも無理だった。



 このあたり、多分標高2900mあたりから頭痛などの高山病の症状が出て、一気にペースが落ちた。ここまでも決して速いペースで登っていたわけではないのに。



 へたり込むように、営業していない小屋の前のベンチで大休止。



 ここらからガスが出はじめた。



 毎日登山ではないかもしれないけれど、かなりの頻度で富士登山を行っていそうな高齢の登山者2人が、天気崩れそうだな、雨にならなきゃいいけどなと話しているのを聞いて少し不安を感じたりした。すでにGWの白馬の山頂より冷え込んでいたのだ。



 ここからはガスがかかったり、切れたりの繰り返し。写真はガスの切れたときに撮っていることが多いので、晴れ間が多いように見えるけれど。



 少しずつ雪も増えてきた。そして雪面が固くなってきた。



 多くの人がアイゼンをつけていた場所。僕もここでアイゼンを装着。この写真ではなんてことはなさそうな雪渓のトラバースが結構怖かった。さらに、頭が、そして冷たい空気を吸い込むたびに片方の鼻腔が痛む。痛み止めを持ってくるべきだったかと少し後悔。



 そんなこともあり、かなり遅いペースで慎重に歩いてようやく鳥居に到着。



 早く下りたいので休憩はせずに、山頂に向かおうとこの斜面を登って行ったのだけれども、ここは登る必要なかった。



 回り込んで、今度はちゃんと剣ヶ峰へ。とっても、きついです。



 あとちょい。ガスと青空が交互に訪れる。完全にガスだったらちょっと残念だけれども、これはこれで悪くない。



 そしてようやく剣ヶ峰。関西弁のお二人に写真を撮ってもらった。ヘルメットの上に、冷たい風を避けるためにさらにフードを被り、頭が巨大化している。







 ガスの切れ目を狙って周りの景色をパチリ。ただ高山病がでてるので、はやく下山したくてたまらなかった。



 トレーニング的な意味合いもあったので、下りはしっかり歩くつもりだった。つまり尻セードはしないつもりだった。



 けれども、少し下って斜度が緩んでからは少し逡巡したあと、尻セードで下りはじめてしまった。右に小さくスキーヤーが見える。雪が少なくてもスキー担いで来る人はやはりいるんだとリスペクト。今日の僕の状態では、もし雪がたくさんあってもスキーは無理だったろうけれど。



 お尻のあと。ピッケルではなく、ストックでの制動なので、スピードが出過ぎてしまうのが少し不安ではあったけれど、スピードが出過ぎたらアイゼンを効かせて立ち上がるというのを繰り返しながら高度を下げた。



 雪はぼこぼこ。スキーヤーはかなり苦労していた。



 この雪質では、アルペンでも相当厳しかったと思う。今日は尻セードで正解だったかも。



 雪渓は思いのほか長く続いた。ただこの雪渓は登っているときには見えていなかったはず。どこまで雪渓は続いているのだろう?さらにちゃんと登山口に戻ることはできるのだろうか?



 ちょうど追いついたスキーヤーにそのことを伝えると、雪渓が切れたら右に右に行けば、結構下まで雪渓を繋げて富士宮口方面に下っていけると教えてくれた。 



 別の雪渓に入り、また尻セード。



 そして末端からまた右の別の雪渓に移動。



 コースを教えてくれたスキーヤー。テレマークでこんなひどい斜面を滑っている。もう足がパンパンだよと言っていたけれど、転倒せずに滑って来れるだけすごいと心底思った。



 結局、標高差1000m近くを尻セードで下ってくることができた。まだ頭は軽く痛いけれど、歩きだったらもっときつかっただろうことは明白なので、雪渓様様、尻セード様様なのであった。



 最後の雪渓の末端から、はやく下りたいがゆえに、気持ちペース速めに歩いて、バリケードのところに戻ってきた。



 なんだか今にも振り出しそうだ。



 と思ったら、また青空。まぁなんとか天気持って良かった。高所での雨は厳しいから。



 今回はこれでアプローチ。なんとなく後ろめたさもあって、あまりおおっぴらにはしていなかったのだけれども、去年の4月から乗っていたりします。丹沢のアプローチには何度か使ったのだけれども、今回はちょっと遠かったかも。とりあえず、無事山頂踏んで、事故なく帰宅できて良かったです。