湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

2015.05.02 白馬岳 2932m

2015年05月02日 | 山・山スキーなど

IKEAで、2000円くらいで購入したSUNNAN 太陽電池式ランプ。車のなかでのみの使用だけれど、重宝している。

 妙高高原の共同浴場で汗を流したあとは、下道で長野を経由して白馬へ移動。ところどころ山道というような場所もあったのだけれども、車の流れは終始はやく、運転の下手な僕にはちときつく感じた。おかげで思っていたより早く白馬に着くことができたのだけど。

 夕食はコンビニ飯。建物の脇で弁当とカップ麺を腹に流し込み、猿倉の駐車場へ向かった。二股からの林道を慎重に走り、猿倉の駐車場に到着したのがちょうど19時頃。猿倉荘の水場で2リットルのペットボトルとハイドレーションパックに水を満たして、すぐにシュラフに入った。何度か目は覚ましたけれど、昨夜のドライブと火打山の疲れのせいか、4時頃までしっかり眠ることができた。



 車のなかはこんな感じ。軽なのでもちろんスペースは狭いのだけれども、後部座席と助手席を倒してクッションを1枚敷くとほぼフラットになるので寝にくさはほとんど感じない。スキーキャリアがないせいもあるけれど、運転中もシートはこのまま。で、眠くなったらスキーを運転席にたてかけてすぐに横になって寝る。こんなふうに気楽に車のなかで寝れて、自由に移動できるのだから、運転は苦手だけれども、やはり車は便利だと思う。

 起きたあとは、車のなかでお湯を沸かし、アルファ米とカップ麺という炭水化物な朝食。



 そして、5時20分にスキーを履いて歩きはじめた。今日もいい天気だ!



 さすが、人気の白馬。常に前後に人の姿が見える。



 白馬尻までは雪で覆われた林道歩き。ところどころでスキーを外さなくてはならない年もあったけれど、今回はずっとスキーのまま歩けた。



 ソリ、ボード、スキー、そしてもちろんつぼ足の人と、たくさんの登山者が大雪渓に向かっていた。



 白馬尻より白馬主稜線。取り付いているパーティー2組が小さく見えたけれど、写真だとどこにいるのかさっぱりわからないな。



 白馬沢。このひとつ下の金山沢は以前滑ったことがあるのだけれども、こちらはアルペンでも僕には厳しいだろうな。。。



 さて、大雪渓、頑張って登ろう!



 登りはじめてしばらくは、緊張感なく登れる斜度。のはずなのだけれども、怖さこそ感じることはなかったけれど、やはり斜度は以前よりきつく感じてしまうようだ。ただここでも、“練習”のためにほとんど直登で登っていった。



 あるガイドブックには、“効率重視で単調”と書いてあったりする白馬大雪渓。でも大雪渓は大雪渓で、充分魅力的だと思う。比較の対象が少なすぎるとは思うのだけれど、このスケール感はさすが日本アルプスだなぁと思ったりする。



 写真ではわかりにくいけれど、雪はぼこぼこ。もう少し先で右寄りに進路をかえる。しかし、見えていてもまだ結構かかるのだ。



 標高2100mあたり。だいぶ登ってきた気がするのだけれども、ここからまだ800m以上登らないといけないのか~



 スキーのまま登っちゃう人もいるけれど、僕はここからはスキーを背負ってアイゼン。つけなくても大丈夫そうな雪質ではあったけれど、新しく購入したアイセンを試してみたかったし、以前アイゼンをつけずに登ったところ、強風のために気づいたときには斜面が氷化していて、進退窮まりかけたことがあったので今回はしっかりアイゼンを装着した。



 シール登高ではなかったけれど、以前は感じなかった怖さを感じながらの登りになった。なんでこんなに斜度に弱くなってしまったのだろう?というか、なんで以前はあまり怖さを感じなかったのだろう?

 後は杓子菱。迫力ある風景だ。そして、この斜面をシールで登る山スキーヤー。すごいなぁ。



 ようやく傾斜のきつい斜面を登り終えて、ひと息。でもこの緩やかに見える場所も実はそれなりに斜度があったりする。ここからはまたスキーを履いて登った。



 また斜度がきつくなってくるが、ここからはスキーのまま登り続けた。



 杓子。



 だんだん高度感が増してくる。素晴らしい雰囲気だ。



 見えてきた頂上宿舎。このあたりは、前に来たときよりだいぶ雪が少ない感じだ。



 頂上宿舎を越え、もう一段小さな斜面を登って、ようやく待望の稜線に出た。やっと、ここまで来た。決して足取りは軽くないが、あとちょっとで村営小屋だ。



 村営小屋から山頂までは雪がなかった。スキーを外して、あとちょっとの山頂を目指そう。

 でも、あとちょっとのはずの山頂までがまたきつかった。どうにもならないほどのきつさではなかったけれど、もっと近くて楽な気がしたんだけどなぁ。そんなことを思いながら、焦らず山頂までの道を歩いた。



 そして、久々、多分13年振りくらいに白馬岳の山頂に立った。後ろは剣岳。やった~。やっぱり山頂というのはいいものだ。

 少しは風もあったけれど、この時期にしては穏やか過ぎる山頂で、おにぎりを頬張ったり、景色を眺めたりしながら、いつもより長くのんびりしていた。



 山頂から覗き込んだ白馬主稜線。



 小蓮華への尾根の後ろは、妙高火打方面。



 主稜線を登ってきたと思われるクライマーのバックは、雪倉朝日方面。本当はこちら方面に行きたかったけれど、テレマークでは無理だと今回は諦めた。



 剣の左は立山でいいのかな?おにぎりを食べながら、剣岳の立派な姿をしばらく眺めていた。



 そして白馬の山頂からも日本海。



 遠くに見えるあの鋭角的に突き出た山は槍ヶ岳だろうか。



 目の前は旭岳。この下の谷が、柳又谷源頭。周りの景色を眺めながら、決して熱心に、そして頻繁に山登りをしてきたわけではないのに、気づけばいろいろな場所に足跡を残しているんだなと思ったりした。



 さぁ、充分景色も堪能したし、そろそろ下ろるとしよう。



 山頂に長くいたおかげで、そして素晴らしい天気のおかげで、濡れたスキーやシールはすっかり乾いていた。そうそう、今回はヘルメット持参。越後駒ヶ岳でMさんと話をしながら、沢登りのために買ったヘルメットがせっかくあるんだから、僕も被るべきかなと思ったのだ。転倒もアルペンタイプの山スキーのときより、全然多いわけだし。



 下りはやはりかなり緊張。ただ、白馬山荘裏のこの場所から、


 
 急斜面を登り終えたあとの傾斜のゆるんだあたりまでは、滑りやすい雪質で、今シーズンで一番滑りを楽しめた。アルペンターンもテレマークも気持ち良く決まる。ずっとひどい滑りばかりだっただけに、迫力ある周りの風景と雰囲気を楽しみながらの滑降は雄叫びを上げたいくらいに気持ち良く、爽快だった。



 ただ、このあと急斜面に入ってからがひどかったんだよなぁ。雪質もあまり良くなかったし、波打つ斜面もやっかいだった。これはどの斜面でもそうだったのだけれども、うまく滑れなくても登っているときより斜度にたいする恐怖感は少なかった。でも一度派手に転倒したあとは、腰がひけてもう全然滑れなかった。たまにゲレンデで、リフトであがってきたはいいけれど立ち往生してしまっている人を見かけたりするけれど、ほとんどあんな感じだった。気持ち的に何かが切れてしまったのか、あるいは疲れが出たのか、雪に埋まった小石を避けるちょっとした動作でも転んだりしてたので、「あの人、絶対やばい」と思った人もきっといたと思う。ホント、ひどい滑り、ひどい下りだった。



 急斜面のあとも、転倒こそほとんどしなくなったけれど、雪質も雪面も悪く快適な滑降とは程遠かった。ただ、それでも歩きで下山するよりは、楽しく速く下山できたとは思う。まぁ山頂も踏めたし、山荘裏からの滑降は最高に楽しかったのでよしとしよう。



 林道では少し登り返しもあったけれど、スキーは外さずにずっと駐車場まで戻って来ることができた。



 標高差1700mはきつくもあったけれど、最後まで天気に恵まれて、素晴らしい春のスキー山行になった。





 さぁ、残りあと1日。火打、白馬と2日続けてピークに立てたし、それなりに疲れもあるので、これで充分な気がしていた。でもせっかく遠くまで来たのだし・・・という気持ちもあった。さて、どうするかな。