湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

行くも戻るも

2010年08月13日 | MTB
 本当は今回のツーリングは、今日行くつもりではなかった。もう少しあと、9月に入ってから出かけようと思っていた。けれども、台風が接近したあとのくっきりとした青空が期待できるかもしれないと、たまたま休みだったこともありほとんど衝動的に出かけてしまったのだった。

 しかし台風接近後の山は甘くはなかった。そして残念ながら空の色も抜けるような青空とはいかなかった。

 雨のあとの登山道は、沢の近くということもあって多くが水浸しだった。おそらく普段なら飛び石伝いに渡れるであろう川や沢も、シューズを濡らさずに渡ることはほぼ不可能だった。そんなわけでSPDシューズの底は常に水に濡れていて、そんな状態で石や岩の多い登山道を歩かねばならなかったので、かなり神経を使わざる得なかったし、それでも金具の部分を滑らせて何度かは転倒しそうになった(実際2回尻もちをついてしまった)。

 途中何度か行くも戻るもここはちょっとまずいかも、という場所を通り過ぎた。そうやって進んでいるうちにだんだんと不安が増してきた。一番の難所といわれる核心まであと少しのはず。でもここまでにも危険を感じる場所は何箇所かあった。果たして核心部を越えることができるだろうか?さらにそこから3時間の登り、そしてシングルトラックの下り。寝不足気味でここまでで神経も体力もすでに消耗気味な自分が安全に全行程を歩き、走りとおすことができるだろうか?

 これから向かうなかなか雲のとれない稜線にはあまり未練はなかった。難しい場所かもしれないが、多くの山岳サイクリストが越えているこの峠での途中撤退は少し悔しくもあったけれど、結局今回は引き返すことを決めた。核心部さえ越えてしまえば、あとは引き返すよりも安全かとも考えたけれども、ひとりなのだから無理は駄目だと自分を納得させた。

 下りは登りよりも神経を使った。なので舗装路に出たときはとてもホッとした。しかし同時に「まだまだだな」とも思った。

 今回は引き返して正解だったのだと思う。今度はもう少し条件の良いときにまたチャレンジしよう。そのときは底に滑りやすい金具のついたSPDシューズではなく、フラットペダルに登山靴かウォーキングシューズのほうが良いかもしれない。それから沢や崖を安全に渡るためには、自転車の受け渡しができるように単独ではなくグループのほうがいいかもしれない。いずれにせよ、ここはいつかは越えておきたい峠。秋頃?あるいは来年またチャレンジしてみよう。



 朝4時半に走りはじめて少ししての朝焼け。

 



 クライマーの心を牽きつけてやまない雪渓の残る岩壁。





 最近はあまり歩く人がいないのだろうか?道がわからないくらいに草がぼうぼうだった。



 沢沿いに高度をあげる。



 沢に向かって身長以上の崖を降りる。ここは降りるときも帰り登るときも単独では少し大変だった。



 そのまま行くか引き返すか迷った場所。結局そのまま行ったのだが、途中でカメラを忘れていたことに気づいて引き返してまた前に進んだ。最終的に引き返すことを考えるととても無駄な行動だった。まぁ結果論ですが。





 小さいけれどもつるつるの滑沢。カメラ忘れたせいで往復4回通ったわけだけれども、毎回かなりひやっとした。



 さらに前に進んだが、このあとしばらくして引き返すことを決めた。



 ここも当然渡渉。



 見た目より石が多くて決して走りやすいというわけではない道。でもこんな道ばかりだったら楽だったんだけどな。



 また来るぞ~