知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

最大多数の最大幸福から考えるコロナ後の世界

2020年05月25日 | スキルアップ
ベンサムは、
 個人の生活の目標は、幸福である
といいます。

ということは、
 個人が集まってできている「社会」における幸福
とは
 最大多数の最大幸福である
ということになります。

満足している人が多ければ多いほどよいということです。

J.S.ミルは、ベンサムの快楽説について、
 快楽の質的相違を考慮していない
と批判しています。
 幸福は人それぞれ。
確かに。

満足した豚より、不満足なソクラテス(知的な存在)の方がいい。
「感覚的な快楽」よりも「知的な快楽」はより多くの価値を持っているというもの。

まぁ、人それぞれってことです。
「ゲーム」より「本」が価値が高いとは必ずしも言えないはず。

ただ、ベンサムにしろ、ミルにしろ
 多くの人が幸せだな
と実感できる社会が理想だということは、
 否定しない。

問題は、
 少数の人の犠牲に、そのような社会が成り立ってはいけない
ということです。

個人的には、
 格差自体はやむを得ず、格差がある社会はむしろ健全な社会である
と思います。

ただ、
 格差の下層、つまり貧困層が幸せに生活できない社会
は、
 理想的な社会ではない。

10年前に初めて韓国に行ったときに、
 お手製の台車を車椅子のように体に固定しているホームレス
を目にして、衝撃をうけました。
 日本では見たことがない光景
だったからです。
 障がい者に社会は手を差し伸べないのか。


 みんなが幸せだなと思える生活は、必ずしも贅沢でなくてもよい
はず。
 ヴィトンのTシャツより、ユニクロのTシャツの方がいい
という人も多いはず。

要は、
 誰もが、必要な物を手に入れられて、そこそこ幸せに暮らせる社会を目指す。

このブログで書いてきたように、
 たいして感染していない段階で非常事態宣言を出して、経済を停止させる
と、
 低所得者層ほど、被害が大きくなる
わけです。

 暮らせなくなる。

現に、バイトが減って、学生が困窮したり、
 シングルマザーの負担が増えて、預貯金が枯渇したり
経済的に豊かでない人ほど、苦労することになります。

これに対し、
 テレワークだとか言っている会社は、余裕がある大企業のみ。
一般の中小企業では、
 ツールがそもそも整っていない。

内部留保が多い企業は、
 効率が落ちてもなんとかなる。
借入も信用力が高いため、危機感は大きくない。

ところが、
 自営業者は、日々の生活費を稼げなくなり、大変な目に遭いました。

補償もたいしたことないし、10万円も未だに振り込まれていないなど・・・

自粛要請や非常事態宣言は最終手段ということです。

実は、できるだけ多くの人を幸せにするには、
 人口比率がとても大切です。

バランス良く、10代未満、20代、30代、40代、50代、60代、70代、80代以上が存在する社会です。

若者が多いピラミッド型社会は、
 福祉負担が少ない。
年金負担も楽。
これが高度成長期の日本。

ところが、逆ピラミッドになると、
 悲惨です。
低福祉。
高齢者はお金をあまり使わないので、
 経済成長率も落ちていく。
これが、現在の日本。

それを是正するには、アメリカのように移民を受け入れるか、
 子供を増やすか
です。

日本の場合は、
 移民への抵抗が強い
ので、
 子供を増やす方策が必要です。

少子化対策といっていますが、
 日本の少子化対策は、キャッチフレーズのみで実効性が乏しい。
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/meeting/measures/19html/taisakuan.html

子供を増やすには、
 お金がないので、結婚したいけどできない
という低所得者層(フリーター、派遣社員)の
 所得を増やす
ということです。

さらに、
 子育てにお金がかからなくする。

子供が育てられなくなったら、
 施設に気軽に預けられるような、都合の良い福祉施設
を増やす。
 自信と責任の軽減。

今回のコロナのようなときには、
 ごめん、仕事があるから、福祉施設に2週間入所してね、後で迎えに行くから
と頼める。

 子供は社会のもの。
 将来の稼ぎ頭。
 投資対象財産。

独身主義者で、自分の子供はいらないけど、
 福祉施設で子供に勉強を教えるのは好き
という人が
 気軽にボランティアできる環境がある
と、
 社会につながりと優しさが生まれます。

今の日本は、
 自己責任とプライバシー
という名の下に、
 住民のつながりが希薄化して行っています。
町内会なども形骸化しているところが多いはず。

ただ、
 町内会は、福祉予算の削減に役立ったり、
 孤独死を防いだり、
 うつや自殺を防いだりと
意外と役に立つ存在です。

福祉で大切なのは、
 福祉予算を組んで、ばらまくことではなく、
 ボランティアや、人と人とのつながりが、
 自然とできるような環境を築く
ことだと思います。

人は必ず、老いていく。

逆ピラミッド社会は、
 若者の負担の上に成り立つ年金は破綻。
 健康保険も大変なことになる。

そのため、
 逆ピラミッドにならないように、
 ひょうたん型になるように、人口調整をしていく
ことが大切なわけです。

それが、
 最大多数の最大幸福の実現のために必要な要素
というわけです。
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