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2016: Obama's America

2012-08-29 05:06:31 | 映画
この映画のナビゲーター役でもある Dinesh D’Souza の“Obama's America” を元に製作された映画である。オバマが反植民地主義者であった父の夢を追いかけているという筋である。

オバマが反植民地主義、共産主義の影響を受けている事は、紛れもない事実である。又、カリスマ性があるので、政治家としては独裁者気質が醸造されていると思われる。

映画では反植民地義者である父親の影響を柱に据えているのだが、大統領就任以来の出来事を俯瞰してみると、オバマの政治信条と性格は色濃く出てくるものの、映画のストーリーはなんだかすっきりしない。

オバマ政権の分析は、最初の2年、つまり連邦上下院を民主党が牛耳っていた期間と、2010年の中間選挙で共和党が下院の過半数を取ってねじれ状態となり議会が機能しなくなった期間に分けて考える必要があると思われる。

最初に2年は、大型の景気刺激策と ObamaCare であるが、これらはオバマのアイデアではなく、民主党首脳部指導によるものである。特に ObamaCare 法案を上下院でどのように通過させるかだけが勝負の、非常に歪んだ機会運営のなれの果てであった。つまり、当時の下院議長 Nacy Pelosi と 上院議長 Harry Reid に上手く踊らされただけで、大統領としてリードした訳ではない。

民主党が下院で過半数を失ったあとは、結局、意味のある政策は打ち出せていないし、共和党との妥協点さえ見出せていない。つまり、どうしたらよいのか分からないし、何をする気もないのだ。

敢えてもう一度そして何度でも言おう、オバマは、大統領職に飽きているし、興味がないのだ。但し、大統領職についてくるさまざまな特典は後4年欲しいのだ。

オバマは2年前からレイムダックであり、それが心地良いので、もう4年続けていたいのだ。大統領は上がりの職だが、元大統領より、現職大統領としてブラブラする方が楽しいに決まっている。

反植民地的、共産主義的な政治信条は持っているのだが、アメリカを本当に衰退させようという様な強固な信念はない。一方で、政権運営能力も無いので、結局、やることがはっきりせず、やり方もまずい。よって、表に出てくる事象に統一性が無く、賛成派も反対派も、オバマが何を考えて、何をしたいのかが理解不能という状態になっている。

オバマを買い被ってはならないのだ。

何の仕事もせず、地位と特典は維持したい。これこそオバマが目指す Big Government の究極の姿ではないか!


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