YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

健康保険改革法案 アップデート

2009-12-17 09:24:32 | アメリカ政治
年内の上院での可決に必要な60票を確保するために、民主党リーダーは必死で、支離滅裂な妥協を繰り返しております。現在、民主党は58議席をもっており、プラス元民主党所属であったりする民主党っぽい無所属が2議席あります。(残り40は共和党)

先週末、現在65歳以上の政府運営の医療保険であるMedicareの適用を55歳まで引き下げ、将来的に政府による医療保険独占になる可能性の高いトロイの木馬を切り札的に持ち出しましたが、元民主党で、現在党所属のない Joe Lieberman 議員に政府運用(Public Option)の保険の創設と同じと批判され、既に引っ込めております。

ここまでいろんな妥協的な改定を追加しながら何とか前進しておりましたが、どうしても法案自体の票読みが出来ないため、どうしてももぐら叩きのような、作業になっておりました。

そんななかで、民主党でもないJoe LiebermanにPublic Optionを潰された事で、ついに民主党の極左的リベラルが切れてきており、こんなに薄まった(中絶や政府運営保険の無い)法案なら、賛成しないと発言する議員も出てきております。

オバマ大統領も頻繁に民主党の上院議員たちと打合せをしておりますが、指導力を発揮していると言うより、政治的な取引や脅しをしているようです。(でも、明日は何も決まりそうにないコペンハーゲンに出没します。)

下院は、今日が年内最後(民主党が、余ったTARP(不良債権買取法)の$155ビリオンを雇用対策にするという最後っ屁のような法案を可決しておりますが)、上院も実質残り二日なので、民主党の不協和音が高まっているし、一方で共和党は団結しているので、未だ予断は許しませんが、年内の上院通過は難しくなってきました。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
2大政党制 (ejnews)
2009-12-18 13:45:54
アメリカの政治についての著書で良く目にするのは『民主党と共和党は実は一つの政党で代わる代わる政権を交代しながら資本家の為に仕えている。』と言う批判です。私も此の意見に賛成しているのですが、歴史的にも元々一つの政党でしたしオバマの選挙時の80%以上の選挙資金が企業や資本家グループから出ていた事実を見ると、どうも2大政党制と言うのは“歌舞伎アクティング”のようですね。
 然し、オバマを信じたい民主党に投票した人々の中には、オバマは医療保険改革で保険業界や資本層の資金を次回の大統領選挙まで保持しておき大統領2期政権で本格的改革を行う計画だと希望を抱いている人々も居る様です。(確かに最高裁判所の新しい裁判官任命等も有りそうですから次期は大切になりそうですが)どうなります事やら?
返信する
人とサナダムシの関係 (YSJournal)
2009-12-19 01:09:51
いつもコメントありがとうございます。
共和党と民主党の関係(アメリカの保守と革新)を取り上げようとしていたところなので、絶妙のタイミングでした。
結論:保守(共和党)は人で、革新(民主党)はサナダムシである。
サナダムシは、過敏なアレルギー反応を抑えたり効果があったり、不衛生な水を飲んでも大丈夫にしたりと、人の健康に役立つ事がある。寄生している人を殺す様な事をすると自分も死ぬので、分をわきまえています。
但し、時に腹痛をもたらしたり、元来人に寄生していなかった種が人に入ると器官に障害をもたらしたりする。
私としては、抜群の分析だと思うのですが、如何でしょうか?
返信する

コメントを投稿