YS Journal アメリカからの雑感

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アリゾナ銃撃被害者のメモリアルサービスでのオバマ大統領のスピーチ

2011-01-14 12:16:07 | アメリカ政治
メモリアルサービスのスピーチにケチを付ける罰当たりもんですが、昨日のオバマ大統領のスピーチを聞きながら、こんな人が大統領である事の不幸を考えずにはいられなかった。

まず、スピーチが長い。(35分)亡くなった方へのトリビュート、容疑者逮捕や救急活動等の英雄的な活躍をした普通の人々への賛辞、そして撃たれてから始めて目を開いたガブリエル・ギフォーズ下院議員の回復具合の発表。事件を政治化して大騒ぎする人々へ冷静になるようにする呼びかけと言いたい事がてんこ盛りなのは分かるが、もう少し抽象的で短い方が良かったと思う。

会場がアリゾナ大学のスタジアムなので学生の参加者が多かったのか、オバマ大統領登場の時に既に歓声が上がっていた。オバマ本人も最初は戸惑い気味であったが、スピーチ途中で議員が目を始めて開けたと言う発表で大いに盛り上がってからは、メモリアルサービスがオバマの演説会に変貌していった。

まず、亡くなった9歳の女の子について、 Student council (生徒会役員?)に選ばれた事がきっかけで集会に参加し、巻き添えになった事を取り上げて、彼女の夢見た民主主義を実現していくと絶叫していたが、良く考えるとこれって何を言っているのかさっぱり分からない。

今回の事件を政治化せず対話を進めようと呼びかけていたが、何の根拠もなく、保守系やオバマ就任以来の政治環境を事件の背景として非難し始めた張本人は、担当の保安官であり、その尻馬に乗ったのは民主党議員やリベラルであった事を考えると、民主党のトップであるオバマはただのマッチポンプ男だ。

オバマは歴代のアメリカ大統領の中で一番頭が良く、知性があるはずなのであるが、市民活動家と選挙活動をしているうちに、二流のアジテーターに成り下がったようだ。

誰にでも分かる言葉で、盛り上げようと思うあまりに、9歳の子供の民主化の理想を実現するなどと、メモリアルサービスでなければ、阿呆と野次が飛びそうな事を平気で言える厚顔無恥に成り果てている。

オバマの価値観、死生観が滲み出る様な深い言葉を紡ぐ事は出来なかったのだろうか?

葬式を仕切る出来たり、追悼や遺族への思いやりが恙無く出来ることが、大人の証拠であるという事(中国の諺?)を聞いたことがあるが、オバマはまだまだ修行が足りない、否、大人になる才能が無かったとしか言いようが無い。


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8 コメント

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Unknown (マック)
2011-01-15 06:24:49
私もそう思ってました。
本当は亡くなった方々へのMomorial サービスがリベラルの集いになったような気がしました。
Cheerされていい気になってるのは常識がないのでしょうか? それにしても、会場もリベラル指向のせいで、州知事の挨拶では、ブーイングさえあったらしいのです。会場も常識無し。

どうして、プライベートにして、シンプルに亡くなった方を惜しむスピーチで終わらせなかったのか?が、彼の魂胆の様に見えてしまうわけです。
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オバマの常識 (ysjournal)
2011-01-15 07:51:39
マックさん
保守系でも、今回のスピーチ、比較的評判が良いのですが、日本人的には理解不可能です。(万国共通だと思っておりましたが)

もし、最初に、オバマが観客に静まる(落ち着く)ように、一言釘を刺せば、違った印象になった可能性が高いと思います。
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Unknown (ナカモト)
2011-01-16 20:05:51
オバマ大統領の演説は、いつもにも増して
演技がかっていたという、印象を受けました。

「9歳の子供の夢見た民主主義」というくだりには、
「お前は見てきたのか?」と思わずにはいられませんでした。

犯罪被害者の追悼式というよりは、まるで
公務殉職者への賛辞と謝意を述べているかのようでした。

なぜこの内容で全米が大絶賛なのか、
正直、アメリカ人の感覚が、良くわからないです。
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私も理解不能 (ysjournal)
2011-01-16 20:25:50
ナカモト様、コメントありがとうございました。
保守系、それも本当に超のつく様な人が、今回のスピーチを批判しておりましたが、全般的に好評だったのは意外でした。

メモリアルサービスでのスピーチを批判する事を躊躇ったという事だと思います。よく考えると変だけど、表立って目くじらを立てるスピーチでもなかったという事だと、無理矢理理解しております。

但し、好評だったの裏付けになる様な、支持率アップなどには結びついていないので、微妙な所です。

メモリアルサービスの構成について宗教的な解釈をする人もいますが、ちょっと考え過ぎかとも思います。
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不思議です (ドイツ特派員)
2011-01-18 21:32:56
ysjournalさん、

今回、何ゆえに演説をしてあんなに式典にしてしまうのか、それを許してしまっているのか、私にはさっぱりわかりません。ましてや「意見の対立を超えた対話」とか私にはわけがわからない。どう考えても、「議員だから撃たれた」のではなく、「撃たれたのが議員だった」ということではないかと思うのですが。いや、その事件自体は非難されねばならないでしょうが、こういうやり方は完全に正しいことを隠してしまうのではないでしょうか?

9歳の子供の痛ましさは私にも感じます。が、それを民主主義云々に矮小化(とあえて言いますが)するのはおかしいと思うのですが、私が親なら「ふざけんな」と言いますね。
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死の対する感覚 (ysjournal)
2011-01-18 21:57:54
ドイツ特派員さん
オバマは、人の死に対する感性が無いような気がします。人間性(ハッキリ規定出来ませんが)の問題だと思います。

今回の原稿もスピーチライターはいつもの若い人の様です。オバマがどれだけ関与しているのかは分かりませんが、しちゃった以上、オバマのスピーチです。

オバマ本人が政治的に重要と思っていた事(これもお門違いですが)は間違いないので、尚更失望しております。

個人的には、運命の理不尽さと生きている事(行かされている事)の幸せという感じが良かったのではないかと思います。

でも、この理不尽という考え方は、リベラルには無理だとも思います。(政治的な方向に戻ってきましたけど)

そう言う意味では、良くも悪くもオバマ的なスピーチであり、オバマが大統領に選ばれるというアメリカ的な反応であったとも言えます。
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Unknown (Unknown)
2011-01-20 03:08:26
撃たれた議員の支持してるものは、必ずしもアリゾナ市民の望んでる方向性ではなかった、っていう事は、関係ないでしょうか?

彼女は、オバマケアを強く支持し、違法民を保護する政策の持ち主です。だけど彼女は生き残り、ブッシュ指示の保守党の判事の方が、亡くなりましたね。ツーソンの保安官はリベラル側の政策で、国境近いツーソンで、違法民を指示するなんて、売国者そのものですよ。
その売国者の、最初の記者会見が、保守側の仕業とか言い出したのが、この保安官です。

ん~~なんか、ぱっとしない事件です。
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Unknown (ysjournal)
2011-01-20 09:50:21
撃たれた議員は、所謂中道民主党議員で、ObamaCare 賛成、アリゾナ州の移民法賛成、銃の所有賛成、というホジションのようです。

今回の下院議長選挙で、前議長ののナンシー女史に投票していなくて、民主党議員からも、例のクロスヘアーでたターゲットに慣れていたりしてます。

2大政党制なので、対立色は強まりますが、この議員自体は非常にバランスの取れた政策を支持する人の様です。

結末としては、狂人による事件で、政治的な意味合いは、全くのナンセンスとなりそうです。
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