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ObamaCare: オバマ大統領、言い訳のためにしぶしぶ登場し、申し訳無さそうに独裁者体質を暴露

2013-11-15 06:47:25 | アメリカ政治
既に、500万人が健康保険をキャンセルされる事態となっている。民主党内からも批判が出て来ており(その代表はクリントン元大統領)、昨日オバマ大統領本人が記者会見を開いた。

批判の焦点は、「現在の健康保険を維持出来る」というオバマの公約が反古になっている事である。可決前から政府、議会の正式レポートでも予想されていた事態なので、オバマは可決前そして可決後も意識的に嘘を言い続けてきたことに間違いない。(可決前は可決のために、可決後は再選のために)

施行前のネガティブな予測について、オバマ政権、民主党、そしてほとんどのメディアが否定してきたが、10月に施行されると早速この様な弊害が出て来ている。忘れてならないのは、現在の大騒ぎは氷山の一角にしか過ぎないのだ。

オバマ支持率の低下、来年中間選挙への影響など、事態が深刻になってきたので、オバマ大統領の登場と相成った。

解決策は、ObamaCare により違法となった適用範囲が限られた健康保険も今後一年間は有効にするという内容である。

このオバマ大統領の提案は、法律上も、実現性にも大問題があり、解決策にはならない。たちが悪いのはオバマ自身も現実するとは思っていない事だ。

この解決策の条件として、保険会社が販売を継続する事と、州が違法保険を認定する事を持ち出している。しかし、既にワシントン州は即日そんな事は出来ないとコメントをいるし、健康保険業界団体も、この期に及んで急な変更に対応出来ないとの声明を発表している。(既にキャンセルされている人にも遡って適用されると言っているが、市場から撤退している保険会社もあり不可能)よって、実現性はゼロと言ってよい。

法律上の問題はもっと深刻だ。大統領は立法権が無いので自分の都合で法律を変えるわけには行かない。

実現しないと本人が思っている解決策を提言する理由は二つ。批判の矛先を保険会社、州に向けさせるためと、今日にも連邦議会に掛けられる予定の「現在の健康保険を維持出来る」を含んだ改定案(共和党案)に賛成する民主党議員を庇うためだ。

この記者会見、空虚な解決策は、100%政治的なものであり、健康保険をキャンセルされた人、これからされる人を救う意図は無い。

忘れてならないのは、この政治的で空虚な提案のスタートは、オバマ大統領が法律を自分勝手に変更で出来ると幻想にある事だ。既に ObamaCare に関しては、オバマ政権は行政権限を越えた変更、適用除外等を行なっているので、無意識に超法規的な発言につながったのだろう。


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