YS Journal アメリカからの雑感

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赤勝て白勝て大統領

2013-08-22 22:27:35 | 中東問題
エジプトとシリアがどんどん大変な事態になっている。

オバマの外交音痴が世界に混迷をもたらすと言い続けてきたが、特に中東外交の下手打ちには目も当てられない。

一年前、イスラム同胞団のモーシーがエジプト大統領になった時には、民主選挙で選ばれたと支持を表明していた。

モーシーが追放されイスラム同胞団の粛清が行われている現在のエジプトは、間違いなく軍によるクーデターである。しかし、オバマ政権は公式に軍によるクーデターとは呼べない。理由は単純で、軍事クーデターであると表明するとエジプトへの支援(大半が軍事支援)が法的に出来なくなるからだ。

その一方で、エジプト軍との合同演習の中止を発表し、支援の延期、打切りを検討していると報道されている。

「アラブの春」などと浮かれ気分でアメリカの外交を展開しているので、こんな事になっている。

シリアについても、アサド側が化学兵器を使用の一線( Red Line )を超えたら覚悟があると脅したものの、いざ化学兵器が使用された証拠が出てくると、調査と称して結論を先延ばししている。

一方で、反政府同盟に物資支援を行っている。

イスラム同胞団は原理主義でアメリカが支援する組織ではない。シリアの反政府同盟もハマスを含む怪しい輩が混じっており、軍事物資等を供給しているのは間違っている可能性がある。

リビアもカダフィを追い出したものの、アメリカ大使が殺される事態になった。

エジプトはこの期に及んだら、アメリカとして軍をサポートして事態を早く沈静化させるしか無いだろう。暴力はダメなんて、トボケた事を休暇の途中で言っている場合ではないのだ。

エジプトでイスラム同胞団が生き残れば、周辺国への影響は計り知れない。だからサウジアラビアやイスラエルはオバマ政権の優柔不断に業を煮やしてエジプト軍の支援を打ち出している。これらの国は、中東全体にイスラム同胞団等の原理主義者が跋扈する事を恐れているのだ。そして、スエズ運河の運行に支障をきたす事、ガザ地区のテロ部隊(ハマス)に軍事物資が容易に渡る様になる事を心配しているのだ。

オバマ大統領そして政権も、冷静な現状認識に基づいた確固たる方針がないからフラフラしてしまうのだ。対立のある外交問題は、運動会を見にきた近所のおばちゃんが応援するのとは訳が違うのだ。


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