16,531,070 昨年比6%増である。
景気循環型である成熟産業としては上出来である。去年の8%増と併せて考えると、非常に好調であったと言わざるを得ない。
それにしても、高揚感がない。
今年も原材料不足、キャパ不足の話がなかったので、自動車関連業界全体としては十分な生産能力があるのであろう。2006年のピークには戻っていないので、2008年から6年を経てやっと元に戻ったイメージ。
OEMではFCA(クライスラー)とNissanが好調である。両社とも魅力的なモデルを連発してリリースしている。特に、SUVでのラインナップが良いので、来年も頑張れそうだ。
ユーロ安なので、北米現地生産が日系に比べて遅れているヨーロッパ系が、怪我の功名で売り上げを伸ばすかも。去年も、BMW、ベンツ、アウディは伸びている。(VW全体としては微減)
個別車種ではこれと言って目立ったものがない。日系売れ筋では、カムリ、アコード、シビック、アルティマは堅調だし、CR-Vのバカ売れは継続中、ローグ、RAV4も順調。
ハイブリッド、電気自動車も技術的には一服しているし、それ以外に革新的なものは出てきそうにないし、新たなセグメントの誕生や、数年前にブレークした小型SUVのような事もなさそう。
まあ、2014年は微増の予想をしていたが外れであった。今年は横ばいの予想をしておこう。
自動車販売数と、GDP、株価、金利とかの関連性がどうなっているか知らないが、過去の知見が役に立たなくなって来ている。低金利はいろんな分野でノイズとしてランダムに影響を与えていると思うのだが、ノイズだけに予想が難しい。
よって、好況感がないままアメリカ経済は堅調に推移し、自動車販売への影響はニュートラルであろう。
と言っても、車ローン不良債権化がゆっくり進行しているので、もし、特にサブプライムへの貸付が細るリスクがある。
一方で、歴史的な原油暴落によるガソリン安は、販売数より売れ筋に大きな影響を与えるだろう。景気上昇の気配があると、アメリカン自動車マーケットは大型車へのシフトが必ず起こることもあるので、相乗効果で顕著な変化がありそうだ。
関連エントリー
2013 アメリカ自動車販売数 (12-30-2014)