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YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

2013 上半期販売台数

2013-08-15 13:01:41 | アメリカ自動車業界
7,820,966 前年同期に比べて 7.5% アップ。原材料の逼迫などのニュースも無く、平穏な好調が続いている。

今年は1600万台を超えると威勢の良い声も出ているのだが、景気にスカッとした明るさが無く、ここ数ヶ月株式市場等もよれているので、達成は難しいだろう。

昨年まで勢いがあった VW, Hyundai が少しくたびれてきている。逆に勢いがあるのが Subaru で、去年の倍になっている。

個別の車種では特に目立ったものは無い。2年前に Honda Accord を抜くかもしれないと思っていた Hyundai Sonata は完全に息切れ状態で、6ヶ月で10万台と普通の数字になってしまった。

乗用車では Ford の健闘が光っている。今年フルモデルチェンジした Fusion は、Nissan Altima に迫る勢いであるし、Focus も Civic, Corolla に肉薄している。

これから2014年モデルが登場してくる。フルモデルチェンジが多いのだが話題性のあるものは無いので、こんな調子で今年一杯推移していく事であろう。

日系メキシコ2工場

2013-06-05 05:45:28 | アメリカ自動車業界
今週はメキシコのドサ回り。

昨日は、建設中の Honda Celaya、Mazda Samalanca 工場を訪問してきた。どちらも来年1月稼動予定である。この2工場、車で小一時間程しか離れていない。

Honda Celaya は、未だ工場の建屋の骨組みだけしかなく、予定通り稼動出来るのか他人事ながら(商売があるので他人事でもないのだが)心配になってきた。今年春の Honda Supplier Conference でホンダメキシコの社長が、新工場で新モデル(その上ほぼ同時に2モデル)を立ち上げるのはホンダにとっても初めてなので大変だとコメントしていたが、本当に大変な事になりそうだ。

事務所建屋は完成しており、打合せはそこでしたのだが、セキュリティーはまったく無くて会議室まで素通りで行けてしまった。教育中だと思われるホンダ独自の白いユニフォームをきた現地メキシコ人がたくさんおり、ちょうど始業時間だったのでラジオ体操をしていた。日本人の姿もちらほら見かけた。

Mazda Samalanca の方は、周辺の道路が工事中ということで Samalanca 市役所内にある仮事務所で打合せを行った。入り口に犬が3匹昼寝をしているのどかな所であった。外から工場を見学したのだが、建屋は完成しており設備の搬入も始まっているとの事なので、こちらは予定通りに稼動出来そうな雰囲気である。

宿泊したのは、fiesta inn celaya。Honda系の旅行会社に事務所が入っておりちょっとびっくり。Hondaさんの定宿になっているようだ。(NHKのチャンネルもあった)

夕食はこのホテルのレストランで済ましたのだが、なんと日本食のメニューがあるではないか。日本人シェフが居る気配は無いのが不気味であったが、試しに豚しょうが焼き定食を注文してみた。メキシコなのでトルティアスープも頼み、絶妙に奇妙な夕食となった。

肝心の味であるが、これ以上はどうやっても出来ない程不味い豚のしょうが焼きであった。付け合せのマカロニサラダも最悪、ご飯はべちゃべちゃなのに芯が残っていた。予想通りであったが、腹はこわしていないので良しとしておこう。

メニューには、鮭定食、とんかつ定食、カレーも載っていた。

900万台、500万台

2013-04-27 04:14:00 | アメリカ自動車業界
昨年度の日本国内の車の生産台数と販売数である。

10年位前に1000万台、600万台と覚えてそれっきりであったが、900万台、500万台と覚え直さなければ。

前年比で、生産は3%、販売は9%伸びている。輸出は横ばいであるが、海外生産は15%と大きく伸びている。

しみじみと思うのは、日本の自動車産業はこの10年で国内での生産が10%、販売が20%減ったという事実だ。

販売落ち込みの大きな理由として若者の自動車離れが挙げられ、自動車メーカーサイドから商品力不足を反省するコメントがよく出される。何と無く納得していたのだが、いつも違和感が残っていた。

もう何年も前から、もし日本の都会(東京、大阪)に住む事になったら車は所有しないだろうと思っていた。根拠は所有コストが利便性を上回らないのだ。公共交通手段とタクシーを併用すれば不自由無いし、車の必要があれば、レンタカーをすれば良いのだ。

利便性以外の理由、例えばステータスとかで乗る人は、国産車よりドイツ車とかを選ぶであろう。

都会では、電車とタクシーの組合わせの中にバスサービスが上手くギャップを埋めてきている感じだし、宅配便サービスの向上で荷物の運搬に車が必要無い。これらのサービスは車を持たない人(最初は高齢者を対象としていた?)の為に発展してきたのだと思うが、大変上手に機能しているので、年齢を問わず車を持つ必要が無くなりつつある。

都市とその近郊に住む人々の割合は増えているので、必然的に車を所有する必要が無くなるのである。

出張中のニュースで豊田社長が「刺激のある車」と言っていたの見たのと、重いバッグを宅配便で先へ先へと送り身軽に移動を出来た事で、改めて日本の都会では車は要らないとの思いが強くなった。

Japan Probe Pops Car-Part Keiretsu

2013-02-18 10:38:51 | アメリカ自動車業界
現在、日米合同で行われている自動車部品業界のカルテル捜査は、この手の捜査としては最大規模であるとの事だ。対象は日系企業と一部ヨーロッパ企業だそうだ。アメリカの会社はその辺コンプライアンスが厳しい傾向がある。

一般消費者を相手にした独占企業の価格操作ではなく、自動車部品それも特定の部品群での談合で大儲けしようというわけではなく、安定的な受注と適正な価格の確保を目指したものである。アメリカ当局は、それでも消費者への不利になると言う大前提の元で捜査を進めている。

アメリカ当局の考え方は分かるが、日本人的にはちょっと違和感が残る。

これまで摘発された部品郡は、ワイヤーハーネス、防振ゴムといったもので、それなりの技術は必要だがブラックボックス化された所は全く無く、いくら共謀して高く売ろうと思っても、顧客である自動車メーカーはそんなに甘くなく、通常の利益を確保出来る程度だ。

日本語で記事を探してもなかなか詳細が分からないのだが、アメリカの記事では会社名や逮捕者の実名まで出てくる。("Japan Probe Pops Car-Part Keiretsu")

カルテルに関係した会社はコンプライアンスの強化を表明しているが、私が一番興味があるのが、服役した日本人達が出所後どのような待遇を出身会社から受けるかである。

会社の事を思い、あげくの果てに1-2年の服役をそれもアメリカでさせられた人々を、摘発された日本企業はどのように扱うのだろう?

上の記事に、以前取引で付き合いのあった人の実名が出ており、気になっている。

2012年 US 自動車販売と北米生産台数

2013-02-10 22:44:20 | アメリカ自動車業界
ちょっと遅くなったのだが、2012年を総括しておこう。

US 自動車販売台数は、14,492,398、北米(カナダ、メキシコを含む)生産台数は、15,422,946。

どちらも予想を大きく上回り、上出来であった。自動車部品業界のものとしては、年初にあちこちの大増産で生産キャパが足りなくなって、航空便を飛ばしまくった記憶が蘇る。

販売台数であるが、前年比で17%のアップである。最悪だった2009年に比べれば40%近いアップになっており、改めてリーマンショックの衝撃の凄さを思う。生産台数も同様である。

2011年に震災、タイの洪水で大きく落ち込んだトヨタ、ホンダの復活が著しい。何が売れているかピンと来ないのだが、クライスラーも随分伸びている。又、絶対数はまだまだ少ないのだが、近頃良く見掛ける VW の伸びも凄い。

ひょっとするとアコードを抜くかと思っていたヒュンダイのソナタは23万台と健闘したものの、33万台のアコードには遠く及ばなかった。アコードは12年モデルに続きフルモデルチェンジをした13モデルでも同じ様な値引きをしており、なり振り構わず売りまくったという感じがある。シビックも好調な上に、CR-V が28万台と予想外の売れ行きであった。

一番売れた乗用車はトヨタカムリで40万台、アコードも前述通り33万台で、この2車種でトップを争う気配であるが、今年のダークホースはずばりフォードのフュージョン。2年連続して25万台近くを売っているし、フルモデルチェンジをしたばかりなのでどこまで上乗せ出来るかに注目したい。

一時期、ミニバンと言えばホンダのオデッセイという感じがあったのだが、12万台しか売れていない。(良い年は20万台位売っていた記憶が有る)トヨタのシエナも同数くらいで冴えない。ダッジのキャラバンが14万台。やはり乗用車ベースの SUV に喰われている感じだ。CR-V の23万台だけでなく、トヨタの RAV 4 も14万台。これらよりちょっと大きな GM Equinox / GMC Terrain が計で31万台、フォードの Escape が26万台も売れている。(ヒュンダイの Santa Fe / Tucson 計で11万台)

目立った所では、昨年13万台と一息ついた感じのあったプリウスが23万台も売れている。ガソリン価格がガロン当たりずっと$3を超えているので、ハイブリッド、そして燃費の良いディーゼルの需要はこれからも根強いであろう。(VW 人気のひとつの要因はディーゼルが強い事にもある)

一方で小型車、例えばトヨタヤリス、ホンダフィットは前年より売上げが落ちており、燃費に関心が高いものの、ここまで小さい車はアメリカでは限界がありそうだ。

EV は GM Volt (純粋な EV では無いが)が2万3千台、ニッサンリーフが2012年も1万台を超えれな掛かった。走行距離が長いアメリカでは EV はやっぱり厳しそうだ。

今年の販売数は1500万台を超えると予想されている。政局大混乱で不況に突入でもしない限り達成出来そうな感じは有る。

3月と 第一四半期(1Q)のアメリカ自動車販売数と Honda Supplier Conference

2012-04-13 21:27:19 | アメリカ自動車業界
3月の販売数は 1,404,623、1Q 3,467,389 で、それぞれ前年比で 12.6%、13.3%のアップ。今年通年の販売予想も1,400万台が見えてきている。

ガソリン価格の高騰で、小型車の販売が好調だ。乗用車では Honda Civic、Ford Focus、SUVでは Honda CR-V が売れている。Civic も CR-V もフルモデルチェンジしたばかりなのも好影響を及ぼしている。

一方で、乗用車では、Toyota Camry(これもフルモデルチェンジしたばかり)、Nissan Altima、Ford Fusion の中型、フルサイズが健闘しており、アメリカの乗用車の売れ線は、この位の大きさが必要なのだろう。モデルとして古くなった典型的 SUV(大きくて、低燃費)からの買い替え需要があるのだろう。

ガソリン価格が販売量自体に、今の所悪影響を及ぼしていないのにアメリカ経済の懐の深さを見て取れるのだが、やはり息切れが心配だ。

1Qの販売数 3,467,389 (アメリカのみ)に対して、生産数は 4.238,120 (こちらは北米(カナダ、メキシコ含む))で、自動車部品業界は大忙しである。

アメリカ経済も第一四半期は好調で、雇用も拡大していたが、ここに来て陰りが出てきている。要因の一つに、昨年末に絞った在庫を適正レベルに戻している事が報道されているが、自動車業界をみても正にその通りだと思う。

ガソリン価格は夏場に掛けて上昇する傾向があるので、石油価格が多少緩んでも、高値安定しそうである。可処分所得にジワジワ効いてきそうなので、好調な自動車販売数の不吉な兆候を注視する必要がある。


話し変わって、今週、Honda の Supplier Conference があり、久し振りに参加した。昨年は、日本の地震、津波、タイの洪水の影響で一人負けな感じであったが、今年に入って狂ったように生産している。

1Qの販売数 320,165 (アメリカ、輸入車含む)に対して、生産数 496,307 (北米全体)、今年一杯このペースで生産する見通しが出ている。 まだ在庫が不足しているのだろう。

生産能力は既に年間200万台を超えているそうだ。今後アキュラを含めて新型車を続けざまに投入し、数年後には200万台販売を目標にしているとの事。又、今までは日本で開発した車を生産、販売が基本であったが、今後、北米が主要市場の車種については、開発、生産の拠点にすると宣言していた。

自動車会社は量を売らないと儲からないのは理解出来るが、ひとつのプラットフォームで色々な派生車種を作って思う様に販売が伸びるかは微妙である。(まだ比較的マーケットシェアが低い(新車販売で9%)ので大丈夫かも)

Big 3 は、50年前に自動車業界は景気に左右される循環構造であるを分かっていながら、いろんな下手を打ってきたのだが、Honda America も同じ事にならなければ良いがと心配してしまう。

トヨタは、まだ北米の過剰生産能力の解消の途中である。ニッサンは、何とか解消してきつつある。

ホンダは小型車の比率が高いのでガソリン高騰には比較的強いが、景気が冷え込めば過剰生産能力は大きくのしかかってくる。


暫くは、ガソリン価格の動向と、自動車販売数変調の兆しを注視していく事になりそうだ。

平均年齢 10.8 歳

2012-01-19 04:36:16 | アメリカ自動車業界
現在アメリカを走っている車(乗用車、SUV、ピックアップトラック)の平均使用年数は 10.8 だそうだ。ここ2,3年は景気が悪い事もあり、少しづつ延びている。

そして、現在アメリカを走る車の総数は、2億4千万台。この二つの事実を混ぜると、販売数は底堅いとの結論がでる。(らしい)

2012年の販売数予想は、1360万台、楽勝か!?

North America International Auto Show

2012-01-16 18:10:57 | アメリカ自動車業界
まずは結論から、「終わっています」。

このエントリーを書く前に、昨年、一昨年の見学エントリーを読み返してみたが、デジャブーを繰り返し見ている感じだ。Show 自体に何の進化も無く、デトロイト市の財政難で会場である Cobo Center も老朽化ばかりが目立つ。

ニュースでは先週末の入場者数が増えている事を伝えていたし、会場の屋上駐車場へ続くフリーウェイからの出口は渋滞していたので、ちょっと期待が高まったのだが、チケットを並ばず買えるあたりから怪しくなって、会場に入った途端にショーに来た高揚感はゼロ。

思い出したまま、思い付いたままに。

もう何年も、会場の地下部分は電気自動車の試乗サーキットになっており、今年も同じであった。変わったのは、サーキットに全然お金をかけてない事、試乗車の種類が限られている事、そして、順番待ちの列が全然出来ていない事であった。電気自動車に対する関心は、年々下がっている感じがする。

今年はニッサンが出展していた。但し、気合いは全く入ってなくて、展示車の価格表示がディラー在庫と同じというのは、やる気無さ過ぎ。楽しみにしていた Infiniti JX (ニッサンバージョンの Pathfinder も)は展示してあったが、デザインはイマイチであった。

ホンダは、13MY フルモデルチェンジのアコードの2ドアコンセプトカーが展示してあった。これはデザイン良し。4ドアのこんな感じのデザインなら売れるだろう。Hyudai Sonata との販売数での勝負は今年が熾烈になりそう。既に販売が開始されている CR-V も見たが、何が変わったのか、よく分からず。

トヨタは、新型カムリをじっくり見たのだが、これも、何が変わったのかよく分からず。ベストセラーだけに冒険が出来ず、フルモデルでも変化が乏しくなり、そのうち売れなくなるというトーラスのパターンにならなければ良いがと要らぬ心配をしてしまう。販売数に陰りが見られれば、安売りに走りそうな予感がする。日本車も品質で勝負だと辛いし、その優位性すら怪しい。

トヨタは、予算の制約が厳しいのか、小物入れのデザインや品質といったの細かな所がお座なりになって来ているのが気にかかる。

アコード、カムリのサイズでは、フォードの新型フージョンのフルモデルテェンジで、より格好良くなっていた。

そういえば、今年は中国車の出展は無し。2、3年前は大きな勘違いもあったが、アメリカ市場進出までには長い年月がかかりそうだ。一方で、やや普通になったものの韓国車は地道に足場を固めている。Kia が伸びそうな感じだ。(Hyudai と同じ会社なのだが、(結果的にそうなったのだが)2ブランドなのは賢かったかも)

中国人の入場者も昨年、一昨年に比べて減っていた様な気がする。

フォードの展示はそれなりにお金をかけてたが、GM、クライスラーは、車を並べただけ。やはり、車を並べただけのヨーロッパ車、ベンツ、BMW、VW に華があるのは、ドイツ車のオーラか?

セグメントとして期待のあった小型車、電気自動車が爆発しそうにないので、暫くは、現在のマーケット風景が、微増しそうな販売数と伴に、ダラダラと続きそうな予感がする。

入場料は、大人$12、子供$6で昨年と変わらず。駐車は1ブロックくらい歩いた場所の空き地(ビルの跡地?)の駐車場で$15。9時半くらいに入って12時半には出てきていた。

ランチは、デトロイトダウンタウンで B 級グルメの老舗として有名な American Coney Island で、ホットドッグにルースハンバーガー(要するにひき肉を炒めたもの)を載せたものを2本食べて、帰ってきた。

過去のエントリー

デトロイトモーターショー (1-19-11)
デトロイトオートショー (1-19-10)

2011年間自動車生産台数と販売数

2012-01-12 19:48:31 | アメリカ自動車業界
2011年の数字が出てきた。

北米全体での生産台数は、13,499,991、昨年に比べて10%増、悪くない。

さて、アメリカでの販売数は12,778,885、こちらも10%増。2007年の1600万台には遠く及ばないものの、まあまあであろう。今年は6%増の1360万台と予想されており、アメリカはやっぱり最低でも年間1200万台の車が売れる国であることを改めて思い知る。

気がついた点をいくつか。

1)Accord (235,625)vs Sonata(225,961)
結局、Sonataは、Accordに一万台及ばなかった。因みに乗用車で一番売れたのは、Toyota Camryで308,510。 Accordは今年の秋にフルモデルチェンジなのだが、ひょっとすると今年はSonataにやられるかも。

2)小型車
Honda Fit、Toyota Yaris、Scion (Toyota Brand), Fiat 500, Mini を合計して、22万台。アメリカの小型乗用車の市場規模は、こんなものだろう。

3)電気自動車、ハイブリッド
GM Volt(7,671)、Nissan Leaf(9,674)、今年の躍進(?)が期待されている。Toyotaのハイブリッド プリウスは、136,463。昨年よりは微減しているものの、ハイブリッドカテゴリーでは唯一の存在といっても過言ではなく、今後も安定したシェアをキープしそうだ。

4)メーカー別
日本の震災、タイの洪水の影響が一番大きかったホンダが前年対比で7%も落ちており、全体が10%増と合わせて考えると、非常に厳しい年であった事を改めて思う。意外なのだが、ブランド別ではレクサスの落ち込みが最悪で17%ダウン。そう言われてみると、最近パッとするモデルも出てない。


現在、デトロイトオートショーが開催されている。(一般公開は今週末から)来週月曜日は祝日なので、娘を連れて見学するつもりだ。どのメーカーもEVを出品しているらしいので、EVに否定的な私をびっくりさせるような車や技術が展示されていることを期待している。

個人的には、新型アコードと、インフィニティとしては初めての北米生産になる SUV の JX が気になっているので、出展されている事を望んでいる。

自動車関係のエグゼクティブは電気自動車をどうみているか

2012-01-07 00:14:11 | アメリカ自動車業界
今朝、通勤中にラジオでニュースを聞いていたら、世界中の自動車関連会社エグゼクティブ200人を対象とした電気自動車についてのアンケート調査結果の事が耳に飛び込んできた。 (出所は、こちら。C-level executive となっていたので、CEO, President クラスと思われる。C は Cheif の意。)

結論から言うと、2025年までの販売ベースで、65%で電気自動車のシェアが15%を超えるとは考えていない。アメリカとヨーロッパのエグゼクティブはもっとネガティブで、6-10%程度と考えている。

面白いのは、販売は急激に伸びないと思っているのに、投資意欲は強いことだ。 彼等は、技術革新が進まない事を直視していても、やらない訳にはいかない状態の様だ。

但し、一口に電気自動車の技術といっても、いろんな技術、例えば燃料電池とかバッテリーなど、投資対象は幅が広く、どのようなタイプが普及していくかというコンセンサスも出来上がっていない。

一方で、61%が内燃エンジンを改良した方が電気自動車よりエネルギー効率が良いのではないかとも考えている。

アメリカでは、電気自動車に一台あたり約2万ドルの補助金が投入されている計算になるらしいが、それでも販売価格はとてつもなく高いので、シェアが伸びていない。

燃料電池技術については今一疎いのだが、バッテリーと同じく、革新的な技術革命があったとは聞かない。 物理的な問題はなかなか解決しそうにない。

電気自動車については、最初から懐疑的なので、このようなアンケート調査結果を聞くと、何を今更と思ってしまう。

better place も苦労しているらしい

2011-11-15 06:31:25 | アメリカ自動車業界
Leasing Firms Shy From Electric-Car Rollout、記事の内容については、後程。取り敢えず紹介だけ。

電気自動車が普及する可能性について考えるとき、充電済みの電池を交換する方法が唯一現実的な方法だと考えている。補助金が無くなって、車の購入の経済性が問われると、普及自体も怪しくなる。

普通の消費者として、現在より不便で高いというものを買う気にはならないだろう。特に日本では、環境に優しくする為には、電気は原発からとなるので、尚更話がややこしくなりそうだ。


過去のエントリー

better place (10-20-10)

Chevrolet Volt 125 台

2011-08-09 05:40:12 | アメリカ自動車業界
アメリカ7月の自動車販売数は100万台を越え、年間で1200万台の達成が何とか見えて来た。震災の影響でトヨタ、ホンダの苦戦が続いているが、生産が戻りつつあり、後半に掛けて持ち直してきそうである。

7月の販売数で、一番興味深かったのは、 GM Chev の Volt であった。なんと、たったの125台しか売れていない。

GM の公式言い訳は、生産量が少なくディーラーに供給が遅れている事であるが、ちょっと苦しい。既に今年生産量は4000台を越えており、今年7月までの年間販売数が2870台もあるのに、7月に限って販売数が落ち込む事は考え難い。

一方で、部品サプライヤーに対し月3000台以上の生産予定をアナウンスしており、生産計画は強気だ。

電気自動車(といっても、 Volt はエンジンも積んでいるが、トヨタのプリウスとは違い発電機としてのみ使用)の将来、特に北米、について懐疑的なので、さもありなんといった所である。

因に、純粋な電気自動車であるニッサン Leaf は、931台(7月までの販売数は4806台、順調(?)である。

さて、いよいよフルモデルチェンジした 2012 Civic が出回り始める。3月の生産立ち上げの出鼻を震災で挫かれたのだが、やっと本格的になりそうだ。

フルモデルチェンジ前はそこそこ売れているものの、大型化した事などもあり、シビックらしさが無くなりつつあったので、密かに期待していたが、前評判は良くない。先週日曜日の Detroit Free Press の記事 "Honda needs to fix focus on building desirable, sporty cars" でも、一般的に消費者に一番の影響力があるとされる Consumer Reports の悪評まで引用された上で、酷評されていた。

挙げ句のはてに、最近のホンダは、オデッセイ(ミニバン)とパイロット(SUV)がヒットした位で、アコードを含めて乗用車が全然パッとしてない事を指摘して、これではクライスラーと同じだとまで書かれていた。

写真で見る限りスタイルも後退した感じだし、2012 Civic" のサイトを見てもピンとこないし(コンセプトは、いろんな人にピッタリのスタイル、グレードがあると言う事の様だ)、残念な事になりそうな予感がある。(そこそこ売れるとは思うが)

近いうちに、ディーラーに現物を確かめに行ってこよう。

MAZDA アメリカ(北中南米)戦略ってあるんだよね?

2011-06-18 10:48:34 | アメリカ自動車業界
マツダとは直接関係無のだが、私がデトロイトでアメリカ生活を始めた事、現在自動車業界の末端で働く様になったきっかけはマツダのミシガン州への工場進出なので、動向はいつも気になる。

マツダが、メキシコに工場を建設する事が数ヶ月前に発表された。その流れと言ってはちょっと変だが、ミシガン州フラットロック工場では次世代の MAZDA 6 は製造しないという発表が先週あった。

フラットロック工場は、フォード・プローブ(懐かしい)の製造から始まった。元々フォードの工場なので UAW が元々存在しており、マツダは他のメーカーが経験していない労組対応の苦労もしてきているので勿体ない気もするが、ずっと不調であったので決断としては遅いくらいであろう。

マツダ単独の工場から、マツダの財政難などがあり、フォードとの合弁になっている。現在の生産車種は、MAZDA 6 と Mustang、比率は1:2で、その上、キャパの半分も埋まっていないのだ。年間10万台程度しか生産していない。(北米マツダの赤字は、この工場によるものらしい)

ビッグ3との合弁型の日系自動車の工場は、トヨタの NUMMI、スズキの CAMI (どちらもGMとの合弁)に続いて、これでまったく無くなってしまった。それぞれの事情はあるが、20年の時を経てアメリカメーカーとの合弁での工場運営と言う手法は終わったという事であろう。(後処理もそれぞれ)

で、マツダに戻るが、メキシコ工場で何を生産するかまだ決まっていないらしい。ずっと生産してきた MAZDA 6 を続けるとも言っていない。この車、出来の割には売れない。トヨタブランドだったら間違いなく20万台売れる、とマツダの社長の奇妙な負け惜しみを聞いた事があるが、昨年の販売数はたったの3万5千台である。(トヨタのカムリは33万台、ホンダのアコードは31万台)

今のモデルは、北米マーケット専用車として設計され、大型になっただけに、今更日本でアテンザと同じラインで、生産する訳にもいかないだろう。だとすると、メキシコで引き続き生産すると、単独ラインで、たったの3-4万台という無駄な事になる。では、アメリカで比較的売れている CX-7, CX-9 (各3万台弱)の現地生産と組み合わせる事が考えられるが、それなら逆に、日本で、アテンザではなく、 CX-7, CX-9 と同じラインで生産する方が合理的だろう。(日本のニュースでは、次世代の MAZDA 6 は、防府工場になると発表してあった)

そうすると、メキシコはやっぱり小型車生産しかない。Mazda 3, Mazda 2, (Mazda 1 ってあるんだっけ?)という感じか?現在日本から輸入している Mazda 3 の10万台がメキシコに移ると、それはそれで大変そうだ。

ではなぜ、わざわざフラットロック工場から手を引いてメキシコなのかと考えると、やっぱり、南米を睨んでいるのだろう。トヨタ、ホンダもブラジルに工場を持っているが、メキシコを南米攻略の基地としようとしている様だ。リーマンショックで遅れ気味だが、2社とも小型車を生産するとの憶測がある。マツダも単純に戦略的に追随したとしか思えない。単独でやりたいはずだが、資金が足りないので住友商事と手を組むのが、ちょっと寂しい。

メキシコ市場は基本的に小型車が中心なので、当然メキシコ市場も睨んでいるのだろうが、虻蜂取らずの戦略に思えて仕方が無い。ここはいっその事、潔く、北米、中米、南米は、日本からの輸出で勝負の方が、合理的だろう。

日系メーカーも、一括りに出来ないのであるが、トヨタ、ニッサンは、北米での大型のトラック、SUV の事実上の失敗で、南米戦略を上手く立てられなくなっているような気がする。メキシコを含めて、市場の将来を勝手に小型車中心と決め打ちして、攻めようとしている風にしか思えない。

南米がダイナミックに発展すると仮定すると(仮定しているからこその進出戦略であるはずなのだが)、自動車市場はアメリカに近い感じになるのではないかと予想出来ないか?人口の割に土地が広く、資源も豊富にありそうなので、大きめな車の需要が増えるそうな予感がある。

いきなりブラジルで不得意な車種を生産する訳にもいかず、為替レートで南米に比べても人件費が安い事もあったりして、メキシコって器用な立ち位置であるが、もし、南米が期待通り経済的に大化けすると、中途半端なメキシコ進出と腰の引けた大型車への取り組みが、長期的に響きそうな気がする。

マツダは(そう言う意味ではホンダも)、大型車をラインナップしていないので、メキシコ工場は、尚更中途半端過ぎる。

北米進出で、ビッグ3との合弁を上手に利用したのはトヨタだけである。中南米進出戦略の一環として、メキシコ工場を上手く使いこなせる日系メーカーが出てくるのだろうか。答えは、20年後だ。(生きてないかも)


追記(6-23-11)6月18日付けの日経に、マツダが住友商事と共同で、メキシコ新工場の建設とブラジルでの販売協力をする記事が掲載されていた。メキシコでは「デミオ」と「アクセラ」(Mazda 2, Mazda 3)を年間14万台生産予定、販売先は、メキシコとブラジル、将来的には北米への供給も考えているらしい。来年から日本からの輸出でブラジルでの販売を開始するとの事だ。

何かチグハグな印象が拭えない。北米で工場を締めて輸出で対応するのに、ブラジル向けはメキシコ生産(メキシコ向け分もあるけど)というのは、納得が出来ない。昨年のアメリカでの販売実績が、Mazda 6 で約3万5千台、Mazda 3(アクセラ)で、10万台をちょっと超えるくらいなのに、メキシコとブラジルで14万台も売れると、どのような Feasibility study したのか気になる。

アメリカ、5月自動車販売数

2011-06-02 10:30:05 | アメリカ自動車業界
5月も辛うじて、100万台を超えており、現時点では、なんとか年間1200万台になりそうなペースではある。

震災の影響で日系メーカーに元気が無い。単月では、トヨタがクライスラーに負けて、Big 3 の復活となった。日系メーカーの生産復活が当初の見込みより早まりそうなので、後半の巻き返しに期待という所であるが、生産が復活したとしても販売数、マーケットシェアが元に戻るか心配である。今回の震災は、日系自動車メーカーにとって、北米、そしてグローバルマーケットにおいて、これまでに経験した事の無い変換点(当たり前ではあるが)になる気がする。取り敢えず、震災以前を目指している様な気がするが、もし、販売量が戻ってこなければ、北米でのリストラの必要が出てくる。

今回の震災は特異点ではあるが、特にトヨタ、ホンダは、リーマンショックの影響(これも特異点か?)もあり、北米では生産能力過剰になってきていた。中南米への展開も睨んで、特に、アメリカ南部やメキシコへは先行投資的にな意味もあり、採算性を度外視した雰囲気もあった。

北米での販売数の急回復と、即刻に積極的な中南米での拡販活動を開始して、販売数の拡大をしない限り、厳しい事になりそうだ。

なにせ、イメージ的に自動車組み立て工場は、100%稼働だとボロ儲けになる。80%位でトントンであるので、ある程度売らない事にはニッチもサッチもいかなくなる。

もう何十年も前に、アメリカでは、自動車産業は循環型の産業だと結論が出されていたが、日系メーカーもやっとその局面になったのであろう。北米全体の生産能力過剰問題は、もう何年も燻っていたが、一気に火を噴きそうな気がする。今年後半の生産回復と販売量の推移から目が離せない。

全体の構図自体が、日系メーカーにとって最悪な状態なので、個別車種についても、暗い話題ばかりだ。

今月のベストセーラーでは、ニッサンのアルティマが2位に付けているだけで、カムリが8位、シビック9位、アコード10位と考えられない事態となっている。(ニッサンは、生産、販売の落ち込み量が比較的少ない。そう言う意味で、名実共、アメリカ(フランス?)の会社という認識で間違っていないだろう)

アコードが、現代のソナタに負ける可能性を考えていたが、通年では良い勝負になるかもしれない。

ベストセラーで一番驚いたのは、第一位が GM シボレーのマリブ。それなりに売れている(5月までで、約10万台で、YTD では7位)のではあるが、5月は2万5千台以上を売っている。単純に考えると、カムリ、アコードクラスの車種なので、マリブに流れたという事であろうか?同じ要因だと思われるが、ソナタや同じく現代の小型車エラントラも同じ様に販売を著しく伸ばしている。

震災による日本自動車メーカーへの影響は、想像したよりも大きく、長引きそうである。(一方で、トヨタ、ホンダが真のグローバルメーカーになる最大のチャンスである予感がする。このチャンスを上手く活かせないと、世界的なプレゼンスの低い普通の自動車メーカーに落ち着く様な気がする。具体的な戦略は思い浮かばないが、GM や Ford が何十年も前から行っているグローバル展開の成功と失敗が、大いに参考になると思う)

震災のアメリカ自動車業界への影響

2011-03-28 11:36:18 | アメリカ自動車業界
まず、いきなり GM のトラック工場が、日立製のエアーフローセンサーの不足を懸念してストップした。余り人気の無い小型ピックアップを生産している工場なので、部品の在庫を温存する為と推測されている。(他の車種にも使われているのであろう。(WSJ によると日立の全世界シェアはなんと60%。現時点でどの程度復旧しているのかは不明)

日立は、立地からしても地震の被害が大きかったのではないかと思われる。東北地区の下請けも多く、早くからアメリカからの原材料輸出の話が出ていた。

先週末から騒がれだしたのは、Xirallic という自動車塗料に入れるピグメント。ドイツ、メルク社の小名浜工場だけで作られているとの事。(メルク社の日本技術者が開発したらしい)アメリカでは、フォードとクライスラーが、このピグメントのは入った塗装を使った色の車のオーダーを受け付けていない。(因に、トヨタやホンダも日本製の車のオーダーを受け付けていない)

そのほか私の知っている限りでも、原発の避難区域内に工場があり、被害さえも解らない化学薬品会社や、工場自体には影響が無いもの、計画停電で今後の生産量が7割程度になる原材料メーカーもある。特に化成品は鹿島コンビナートからしか供給出来ないものもあり、影響が広範囲になる予感もしている。

センサーとか電気部品とは違い、原材料系はほぼ船便で来ているので、まだ全然影響が出ていない事もあり、ドタバタ始まっているものの緊迫感はまだ無い。(輸入材料を使っているのに、問い合わせをして来てこない所もあり、ちょっと拍子抜けしていたりもする。これらの会社のリスク管理のあり方を疑ってしまう)まあ、日本の会社は、Force Majeure を出していないので、アメリカにおいては、米系、日系に限らずピンときていない可能性もある。(出たら出たで、過剰反応をもあるので、それも厄介)

なぜこの期に及んで、日本の企業が "Force Majeure" を出していないのか不思議に思っていたが、面白い情報を得た。(真偽の程は未確認なので注意) "Force Majeure" を出してしまうと、在庫や今後限られた生産量を公平に出荷しなければならないらしい。(例えば、昨年の出荷実績に応じて、限られた量をその割合とか)現在、日本では、顧客に優先順位を付けて、足りない供給量をどのように分配するかを必死で調整を行っているらしい。いかにも日本らしいご苦労な事が行われているようだ。

生産とは全く別に、更に心配な事が増えて来た。それは放射能の影響である。

現時点では、ドイツ船社のHAPAG 社船籍以外は、東京、横浜港へは継続寄港する予定なのだが、今後、船籍国の指示により寄港拒否の可能性があるとの事だ。また、航路についても、福島原発の日本の30キロ圏外ではなく、アメリカ基準の80キロ(50マイル)を適用しているそうだ。(これは余り影響ない様な気がする)

アメリカ政府は、日本からの船舶、輸入品の放射能検査は厳しくなると予想されている。知らなかったのだが、航空便については、放射能測定は日常的に行われているとの事。測定が厳しくなっており、通関前の荷物が裁き切れなくなっており、保税倉庫はごった返しているとの事だ。(中国では、既に旅客便に載っていた貨物の通関拒否があり、そのまま送り返されている例がある)

今のところ、アメリカにおいては、日本からの原材料系供給不足の危機はスローモーションなのであるが、在庫、流通在庫の切れる5月頃からが怖い。放射能漏れもまだ続いているので、長期戦になりそうな嫌な予感がある。代替品の等の次善策の検討を始めなければと考えている。

今後長期的には、特殊な原材料に頼った部品などについては、比較的入手のし易い汎用品などへの転換が起こるのではないかと思っている。日系メーカーの工芸品的な自動車造りが、ある程度、転換せざるを得ないのではないだろうか。

震災の日本全体への真の意味でのインパクトは、まだその兆しさえ、姿を現していない。