第16ステージは、ピレネー山岳コース3日目で、全ステージの最難関コースと言われており、トウルマレー峠(2115M)、オービスク峠(1700M)の超級山岳のほか、1級山岳の2峠を走る200Kmで、今年のマイヨ・ジョーヌを決すると言われていた。
スタート直後から1級山岳のベイルスルド峠へ挑戦する大変なコースであり、観衆も一番多く集まるコースだそうである。
前日のメカトラブルにより、マイヨ・ジョーヌがシェレクからコンタドールへと移っていたが、解説によると、メカトラブルでコンタドールが仕掛けて抜けだしたことに対して、避難を受けているそうで、スポーツマンシップに反するというのだろうか?
であれば、前半で落車によりアームストロングなどが大きくマイヨ争いから遅れていたのは、どうだったのだろうか?と疑問をもつが、グランツールなどのロードレースでは、我々には判らない掟があるのだろうか?
この日は、やはりシュレクにはアシストもなく 一人でプロトン(集団)中で静かに置かれているように見えていた。
驚いたのは、トウルマレー峠に取り付く頃に、アームストロングが突然アタックして集団から抜けだしてしばらく一人で走り、すぐに、カザールやモローが続いて10名の先頭集団が出来ていたが、おそらくラストツールと宣言しているアームストロングやモローには、最後のアタックだったのだろうか?
先頭集団の中では、偉大なチャンピオンに敬意を表しながら、先頭交代しながら進んでいたが、アームストロングには、この日のアタックは予定通りだったようだ。
トウルマレー峠(2115M)では、ものすごいキャンピングカーが並び、大観衆が迎えていたが、まさかアームストロングが先頭で来るとは誰が予想しただろうか?ビックリしていたようだ。
この日も快晴の峠やコースには、数々のパフォーマンスが準備されていて、山岳風景とともに素晴らしい景観が楽しめる。
峠を越えてすぐに、一気に約1600M近くを飛ぶように駆け降りるが、画面からの迫力に圧倒されてしまい、目が回るような恐怖感を感じていた。
一旦下ってからの再度超級山岳オービスク峠(1700M)への登りでは、先頭集団が5人に絞られて、アームストロングも積極的に前へ前へと出て、プロトンとは9分近く差が出来ていた。
ツールを長年見ているが、アームストロングがこれまでアタックを懸けて先頭を走る姿なんてお目にかかったことは無かった。
偉大なチャンピオンの花道を飾るべく、このステージはアームストロングの優勝は決定かと思いきや、峠をこえてからバレドが飛び出してエスケープを打つが、あと1Km地点でアームストロングなどに吸収されて、最後はスプリント争いとなった。
ここでも花道が出来ているのか?と期待をもったが、意外にもフェドリコがゴールスプリントを制して、残念ながらアームストロングは6位に終わっていた。
マイヨ・ジョーヌ争いは、結局この日はお休みで動きなし。
明日の休日を挟んで、第17ステージでは、ピレネー最後としてトウルマレー峠に挑戦して事実上の決戦となるのだろうが、心理作戦や駆け引きなどロードレースは何が起きるか判らず奥が深い。
ピレネーなどの山岳風景には、レース展開以上に感動をもらっているが、まだ寝不足の日が続きそうだ。
【添付写真は テレビ画面から】
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