【J1:第28節 鹿島 vs F東京】レポート:予想通りのゴール数と予想外の一方的な展開。鹿島が5ゴールの大勝でFC東京を下す!(12.10.07)
10月6日(土) 2012 J1リーグ戦 第28節
鹿島 5 - 1 F東京 (15:03/カシマ/15,118人)
得点者:18' ドゥトラ(鹿島)、38' 柴崎岳(鹿島)、69' 遠藤康(鹿島)、71' ドゥトラ(鹿島)、83' 高橋秀人(F東京)、87' ドゥトラ(鹿島)
試合前、アップのために選手たちがピッチに登場すると、鹿島のゴール裏からはジョルジーニョ監督に対するコールが何度も繰り返された。それに応えるため、選手と共にピッチに顔を出したジョルジーニョ監督。普段は一人になって集中力を高める時間に使うのだが、この日はサポーターの思いに応えるべく、敢えて姿を現した。ゴール裏に向けて拳を強く握ってみせる監督。サポーターと共に戦う気持ちと、この試合に賭ける思いが、その行動に表れていた。
じつはこの日の朝、チームには鈴木常務取締役強化部長を通じて、サポーターのコメントが伝えられていた。
「今日は必死に応援するから、いつも以上に頑張ってくれ」
その思いに後押しされた選手たちは、今季ベストと思える立ち上がりを見せる。攻撃的な選手を揃えた布陣だったが、全員が前からボールを奪いに行く献身性を見せ、次々とFC東京のボールを奪いチャンスをつくるのだった。
序盤こそ1トップの大迫勇也の足にボールが付かない場面が散見されたが、時間とともに試合を支配、右サイドから相手ゴールに迫ると、18分には柴崎岳のクロスがこぼれたところをドゥトラが押し込んで先制点。38分には西大伍とのパス交換でペナルティエリアに侵入した柴崎が、DFの股の間を抜ける技術の高いシュートで得点を追加。柴崎にとってはこれが嬉しいリーグ戦初ゴールだった。前半の終わり際に、FC東京が石川直宏やルーカスのシュートで反撃を試みるも、このところ不安定なパフォーマンスが続いていた曽ヶ端準が鋭い反応でゴールの枠外へ弾き出す。前半を2-0で鹿島が折り返した。
しかし、2-0という点差は今季の鹿島にとっては楽観視できる点差ではない。次の得点が試合を左右すると思われたなか、追加点を奪ったのはこの日先発した遠藤康だった。「攻撃的に行く」という監督の意図を受けて起用された遠藤が、狭い局面をレナトとのパス交換で打開し、体勢を崩しながらも右足でループ気味に流し込む貴重な3点目を決める。
「遠藤選手が入ることによって、もう少し相手陣内でボールを持つ時間ができますし、タメをつくれます」
そう言って遠藤起用の理由を説明したジョルジーニョ監督。技術の高い選手が中盤に揃ったことで、FC東京の選手たちはなかなかボールを奪いに行けず、まさに狙いどおりの展開だった。
その後、71分、87分にドゥトラがゴールを決めてハットトリックを達成。その間の83分に高橋秀人のヒールキックで1点を返されたものの、鹿島がFC東京を5-1の大差で敗った。
「危機感と一体感を失ってはいけない。Jリーグが始まったときもそう。お荷物になったらどうしようという気持ちだった」
鹿島の礎をつくった一人である鈴木常務取締役強化部長は、Jリーグ初年度から大事にしてきた一体感を強調した。
アントラーズで4年間を過ごしたジョルジーニョ監督は「すばらしい4年間でした。いま違う形で恩返しするチャンスをもらっているので、彼らから支えてもらっているので、その恩返しが少しはできたかと思います」と言う。FC東京のポポヴィッチ監督が「5-1という結果を見れば、素直に相手におめでとう、と言うしかありません。それに相応しいプレーをアントラーズはしたと思います」と脱帽した試合内容は、選手・監督・サポーター・クラブの一体感があってこそ。今後の基準となる試合だった。
以上
2012.10.07 Reported by 田中滋
ゴール裏・指揮官・選手が一体となって掴んだ勝利であった。
それがこのクラブの伝統と言えよう。
伝統を思い出し、一体となって勝利を目指すのだ。
シーズン終盤、危機感と一体感で乗り切っていきたい。
10月6日(土) 2012 J1リーグ戦 第28節
鹿島 5 - 1 F東京 (15:03/カシマ/15,118人)
得点者:18' ドゥトラ(鹿島)、38' 柴崎岳(鹿島)、69' 遠藤康(鹿島)、71' ドゥトラ(鹿島)、83' 高橋秀人(F東京)、87' ドゥトラ(鹿島)
試合前、アップのために選手たちがピッチに登場すると、鹿島のゴール裏からはジョルジーニョ監督に対するコールが何度も繰り返された。それに応えるため、選手と共にピッチに顔を出したジョルジーニョ監督。普段は一人になって集中力を高める時間に使うのだが、この日はサポーターの思いに応えるべく、敢えて姿を現した。ゴール裏に向けて拳を強く握ってみせる監督。サポーターと共に戦う気持ちと、この試合に賭ける思いが、その行動に表れていた。
じつはこの日の朝、チームには鈴木常務取締役強化部長を通じて、サポーターのコメントが伝えられていた。
「今日は必死に応援するから、いつも以上に頑張ってくれ」
その思いに後押しされた選手たちは、今季ベストと思える立ち上がりを見せる。攻撃的な選手を揃えた布陣だったが、全員が前からボールを奪いに行く献身性を見せ、次々とFC東京のボールを奪いチャンスをつくるのだった。
序盤こそ1トップの大迫勇也の足にボールが付かない場面が散見されたが、時間とともに試合を支配、右サイドから相手ゴールに迫ると、18分には柴崎岳のクロスがこぼれたところをドゥトラが押し込んで先制点。38分には西大伍とのパス交換でペナルティエリアに侵入した柴崎が、DFの股の間を抜ける技術の高いシュートで得点を追加。柴崎にとってはこれが嬉しいリーグ戦初ゴールだった。前半の終わり際に、FC東京が石川直宏やルーカスのシュートで反撃を試みるも、このところ不安定なパフォーマンスが続いていた曽ヶ端準が鋭い反応でゴールの枠外へ弾き出す。前半を2-0で鹿島が折り返した。
しかし、2-0という点差は今季の鹿島にとっては楽観視できる点差ではない。次の得点が試合を左右すると思われたなか、追加点を奪ったのはこの日先発した遠藤康だった。「攻撃的に行く」という監督の意図を受けて起用された遠藤が、狭い局面をレナトとのパス交換で打開し、体勢を崩しながらも右足でループ気味に流し込む貴重な3点目を決める。
「遠藤選手が入ることによって、もう少し相手陣内でボールを持つ時間ができますし、タメをつくれます」
そう言って遠藤起用の理由を説明したジョルジーニョ監督。技術の高い選手が中盤に揃ったことで、FC東京の選手たちはなかなかボールを奪いに行けず、まさに狙いどおりの展開だった。
その後、71分、87分にドゥトラがゴールを決めてハットトリックを達成。その間の83分に高橋秀人のヒールキックで1点を返されたものの、鹿島がFC東京を5-1の大差で敗った。
「危機感と一体感を失ってはいけない。Jリーグが始まったときもそう。お荷物になったらどうしようという気持ちだった」
鹿島の礎をつくった一人である鈴木常務取締役強化部長は、Jリーグ初年度から大事にしてきた一体感を強調した。
アントラーズで4年間を過ごしたジョルジーニョ監督は「すばらしい4年間でした。いま違う形で恩返しするチャンスをもらっているので、彼らから支えてもらっているので、その恩返しが少しはできたかと思います」と言う。FC東京のポポヴィッチ監督が「5-1という結果を見れば、素直に相手におめでとう、と言うしかありません。それに相応しいプレーをアントラーズはしたと思います」と脱帽した試合内容は、選手・監督・サポーター・クラブの一体感があってこそ。今後の基準となる試合だった。
以上
2012.10.07 Reported by 田中滋
ゴール裏・指揮官・選手が一体となって掴んだ勝利であった。
それがこのクラブの伝統と言えよう。
伝統を思い出し、一体となって勝利を目指すのだ。
シーズン終盤、危機感と一体感で乗り切っていきたい。