第92回天皇杯全日本サッカー選手権大会 3回戦
鹿島アントラーズ:ジョルジーニョ
当然ながら後半を終えた時点で足をつっていた選手が2人いたので、他の選手たちが走れるだけ走る、途中交代の選手たちにもっと走ってもらうことを考えていた。しかし足をつっていた増田などは気持ちを見せて最後のアシストまで決めた。
そしてもちろん週末のナビスコカップ準決勝へ向けてのマネージメントを考える必要もあった。できるだけ週末へ向けて勢いをもたらすことを望んでいたが、先ずは勝ってその目標を達成することができた。心臓は1つしかないのでかなり心臓が痛い時間帯があったことは素直に認めたい。
(若手選手のパフォーマンスについて)期待外れだったとは思わない。土居も良かったし、皆さんは(足をつったということで)フィジカル面でのことを気にするかも知れないが、試合に出るというのはメンタル面での部分も大きい。いくら練習を積んだとしても、試合というのは違うものだし試合に出続けている選手と違うように感じることもあると思う。元々、MFの選手をサイドバックで起用しているわけだし、今は土居も両サイドバックができるように必死に取り組んでいる。また鈴木も足をつったにもかかわらず、交代枠がなくて出場し続けなければいけなくなってしまった。前線で休んでいろという指示を出したが、自分のやれる範囲で走り、スライディングに行ったりしていた。また交代で入った梅鉢も良く走っていたし、CBの昌子はベテランのようなプレーを見せた。1人1人が自分の持てる力を出してくれたと思う。
【興梠 慎三】
試合を見た人は分かると思うが相手に主導権を握られて攻められるシーンがたくさんあった。90分で勝ちたかったが、勝ったことをプラスに考えたい。点を取れたことは良かったが、走り負けたことがこういう結果になった。気持ちを入れないとこのような試合になる。
【佐藤 昭大】
難しい試合だったが気持ちは入っていたし、油断は無かった。でもそれが、サッカー。簡単に勝てる試合は一つもないと分かった。若い選手が多かったので自分がバタバタしてしまうとチームとしてまとまらない。点が入らない時間でも後ろは落ち着いてやろうと青木さんと話していた。
【鈴木 隆雅】
一番若いのに足をつってしまった。満男さんやモトさんに迷惑をかけた。攻め上がったシーンもあったけど全部台無しになった。
【青木 剛】
耐えるしかなかった。ギリギリのところだった。動けない選手がいた中でも要所要所は踏ん張っていた。若手や久しぶりに出場する選手がいて運動量が落ち、後半もフリーで持ち込まれることもあった。結果的には何とかなったのはみんなが頑張った結果だと思う。頑張った結果が足をつった理由もあると思う。
【本田 拓也】
もう少し良い戦いが出来れば良かった。相手が思った以上に前から来ていたので、もっと裏のスペースを使っても良かったと思う。2~3本のパスをつなげば崩せていた。とりあえず勝てて良かった。
2012年10月10日(水)
本日行われた天皇杯3回戦 鳥取戦は2-1と勝利しました。
【第92回天皇杯 3回戦 鹿島 vs 鳥取】ジョルジーニョ監督(鹿島)記者会見コメント(12.10.10)
10月10日(水) 第92回天皇杯 3回戦
鹿島 2 - 1 鳥取 (19:00/カシマ/2,606人)
得点者:40' 増田誓志(鹿島)、75' 美尾敦(鳥取)、110' 興梠慎三(鹿島)
●ジョルジーニョ監督(鹿島):
Q:延長戦に入る前、足が攣っている選手が数名いたと思います。ポジション変更以外に、どんな声をかけたのでしょうか?
「二人足が攣っている選手がいたので、ある意味8対10の戦いになってくる。そうすると一人ひとりが走れる部分を出し切るということになってきますし、途中出場のドゥトラ、梅鉢、あるいは西選手だったり、途中から出た選手がもう少し走ってもらうということを考えました。増田選手がもう少し痛みとか、足を攣った状態で出来ないだろうな、と思っていましたが、そこを気持ちでカバーして乗り越えてアシストもしましたし、最終的には勝ちたい気持ちの部分になります。当然ながら、週末のナビスコカップの準決勝もありますので、そこにも重点を置きながらゲームプランというか、チームのマネジメントを考えていました。先発の選手も今日の試合に出場させないということを考えていました。やむを得ないポジションでは出てもらうしかないところもありますしたが、週末のゲームに向けて勢いをもたらしてくれることを望んでいました。幸いなことに良い結果になったことはよかったと思います。心臓がひとつしかないので、その心臓が少し苦しい場面もありましたけど、目的を達成することができたので良かったのではないかと思います」
Q:期待した若い選手が期待はずれだったかもしれませんが、試合の結果以外でポジティブな部分があったら教えて下さい。
「僕は期待はずれとは捉えていません。質問の一部の部分には賛同できません。一番は、皆さんはフィジカル的な要素で、足が攣ってしまったことを見がちですが、試合というのは心理的な部分がありますし緊張感もあります。そうするといくら体力的な準備をしっかりしたとしても、神経的な部分で体にいろんな影響や支障をもたらします。それはやむを得ないことですし、いくら練習を多く積み重ねたとしても、試合のリズム、相手の状況や条件、もあるわけで、そうすると本来、いつもどおり試合に出続けている選手と同じようなパフォーマンスを期待してもなかなか難しいところもあります。ただ、与えられた条件のなかでは彼らはしっかりやったのではないかと思います。土居選手も非常に良かったです。もう少しピッチにいてもらえれば、という思いはありますけど、やれることというのはもともとハーフの選手をサイドバックとして使おうと準備をしているところなので、彼に犠牲心と献身的な気持ちを持ってやって欲しいと話したところ、彼が積極的に取り組んでいまでは両サイドと前のポジションもできるような、チームの編成上もプラスになる選手になってきています。鈴木選手に関しても、土居選手を代えてしまって、交代選手も代えてしまったので、やむを得ず足を攣った状態でやらなければなりませんでした。でも、そこで若い選手が闘争心を持ち、献身的に犠牲心を持って、ダッシュしなくてもいい、と僕は言ったのですが、本人は一生懸命出来る範囲でダッシュしたりスライディングしたり、献身的に守備をしました。そこは評価すべき部分だと思います。また途中出場した梅鉢選手も非常に安定して良かったと思います。今日はもう一人、昌子選手がベテランのようなプレーを見せつけたんではないかと思います。そういった選手が少しずつこういった試合を積み重ねることで、将来、チームの一員として結果を出せる選手に育っていくのではないかと思います」
以上
【第92回天皇杯 3回戦 鹿島 vs 鳥取】試合終了後の各選手コメント(12.10.10)
●興梠慎三選手(鹿島):
「試合を見た人にはわかると思うけど主導権を握られた。攻められるシーンがたくさんあった。90分で勝ちたかったけど、勝ったことをプラスに考えたい。今日代わりに出た選手も質のある選手だけどうまくいかなかった。点は入れたけど走り負けたことがこういう結果に津なかった。気持ちを入れないと格下とか関係なくこういう試合になる」
●昌子源選手(鹿島):
「前の選手に声があまり通らなかった。大伍さんが入ってディフェンスラインが落ち着いた。最近、90分やってないし、120分もやってない。いまでも足が攣りそうです。今日は何もしてない。7割攻められた。今日はとにかく忍耐。青木さんと守りきろうと話していた」
●佐藤昭大選手(鹿島):
「(出場した試合は勝っているが?)
全部ギリギリで勝っている。
(後半アディショナルタイムのセーブは?)
シュートを防いで相手に当たって跳ね返ったのが頭に当たった。
難しい試合だった。気持ちも入っていたし、油断もなかったけど、それもサッカー。簡単に勝てる試合は一つもないのがわかった」
●土居聖真選手(鹿島):
「ジャンプしたときに足が攣りました。まだいけたんですけど、交代させられたのでしようがない。前半は結構難しかった。自分が起点になって1点目を決めてくれたので気持ち的にも後半入るときに楽だったし、後半も交代するまで危ないシーンもなかったので落ち着いてやれたかなと思います。シンプルにやりました。
(サイドバックの攻撃については?)
タイミングですね。ここだ、というときに。全部行くんじゃなくて、ここだというときに上がる。この間の筑波戦もそうだったけど、ここだという時に勝負を仕掛ければチャンスになるし。
(サイドバックについては?)
自分ではわからないので、見てる人がどう感じるか、ですね」
●鈴木隆雅選手(鹿島):
「今日は申し訳ない気持ちで一杯です。一番若いのに先に足を攣ってしまって、満男さんとかモトさんとかに迷惑をかけてしまいました。緊張はしました。
(攻め上がる場面もつくったが?)
この攣ったことで全部チャラになってしまいました」
鹿島大苦戦も興梠V弾/天皇杯
<天皇杯:鹿島2-1鳥取>◇10日◇3回戦◇カシマ
鹿島は大苦戦だった。後半26分に交代枠を使い切った後に複数の選手が足をつり、ボールを追うのもままならない状態に。数的不利に近い状況で同点に追い付かれ、崖っぷちに立たされた。
足をつった増田からのクロスを延長後半に興梠が決め、格下の相手を何とか振り切った。ジョルジーニョ監督は「心臓は一つしかないので苦しかったが、目的を達成できて良かった」と独特の表現で勝利を喜んだ。
[2012年10月10日23時12分]
ほろ苦いデビューとなった鈴木隆雅である。
失点の原因となる失態をし、その後、足が攣ってまともなプレイが出来ず終えてしまっては、反省しきりも当然であろう。
しかしながら、鹿島のファースト・シュートを放ち、SBとして3本のシュートを撃ったことは評価に値する。
攻撃力をアピールできたのではなかろうか。
FWとしても、延長後半にドゥトラが突破した際にゴール前に詰めており、良いボールが折り返されれば、追加点のチャンスであった。
この試合で良い経験を積んだであろう。
もう一人のSBである聖真は足が攣り途中交代はいただけなかったが、先制点の起点となっており、やはり攻撃力が際立った。
ジョルジーニョ監督も二人を評価しておる。
自信を持って良かろう。
そして、ジョルジーニョは源に大いなる賛辞を贈っておる。
「ベテランのようなプレイ」とはCBとては最高の褒め言葉ではなかろうか。
格が上がったと言いきって良かろう。
若手が経験を積んだこの試合は、結果としては小さいが歴史的に大きく前進した試合である。
一つ一つ勝利を積み重ねて歴史を作っていきたい。