【J1:第2節 清水 vs 鹿島】鹿島側プレビュー:互いの理解を進める練習を繰り返した鹿島。監督不在の苦しい状況だが今季初勝利を目指す(11.03.11)
新シーズンのスタートが公式戦3試合未勝利だったことで、鹿島の周囲が騒がしい。しかし、FUJI XEROX SUPER CUPは名古屋を相手に一歩も引かない試合を展開、楢崎正剛が相手のゴールマウスにいなければ結果は違っていたと思わせる内容だった。さらに、AFCチャンピオンズリーグの上海申花戦は、アウェイの中国での戦いを考えれば勝点1はまずまず満足する結果。そして、開幕戦の大宮戦では「みんなすごいシュートだった」(小笠原満男)という3失点を喫しながらも、アディショナルタイムに同点に追い付く力強さを見せた。3戦未勝利とはいえ、個々の試合で見ていけばそれほど悲観すべき結果ではない。ただ、チーム全体の連携について課題を残しているのも事実だ。
今週、オリヴェイラ監督はチームの熟成を図るため、試合形式の練習を多く取り入れた。火曜日には東京学芸大との練習試合を行い、カルロンと柴崎岳の得点で勝利をおさめた。水曜日には紅白戦を実施。先の大宮戦とは違ったメンバー同士を組ませることで、新しい組み合わせのゲーム経験をつませていた。それは、木曜日にも継続。水曜とはまた違った選手が紅白に分かれ、30分の紅白戦を行った。
ところがここで監督が動く。互いの連携が進まないことを感じ取ったのか、紅白戦後にセンターバックの4人(岩政大樹、伊野波雅彦、中田浩二、昌子源)以外の選手を集めて円陣を組ませると、パスの受け方や動き方などについて、細かな指示を加えた。そして、そのあとには攻撃のパターン練習で動き方を確認し、さらに決定力不足のフォワード陣には居残りのシュート練習を課し、9時に集合した選手たちの全員が帰路についたのは13時を回ろうとしているころだった。
オリヴェイラ監督が、これ程までに連携の熟成にこだわる理由は、先発メンバーをかなり入れ替えながら戦っているからだ。2列目の中盤が野沢拓也とフェリペ・ガブリエル、左右のサイドバックがアレックスと新井場徹に固定されているものの、FWは興梠慎三、大迫勇也、田代有三の3人がすでに先発を経験。次の清水戦ではカルロンがスターターに名を連ねそうだ。ボランチも小笠原満男を始めとして、青木剛、増田誓志の3人がここまで起用され、カルロン同様に本田拓也が先発すると思われる。センターバックも昨季リーグ戦では全試合フル出場した岩政大樹がベンチスタートとなり、中田浩二と伊野波雅彦が並びそうだ。各ポジションに3人のレギュラーがいることになれば、お互いの意図を理解する時間がいくらでも欲しいところだろう。
とはいえ、対戦相手の清水も似たような悩みを抱え、鹿島以上に悩んでいるかもしれない。主力選手が多く抜け、新監督のもと、新たな戦術に取り組んでいるが、開幕戦では昇格組の柏レイソルに0-3の完敗を喫した。古巣の状態を気にかける本田は、仲の良かった太田宏介に電話をしたそうだ。ただ、清水も2試合続けてそうした試合はしてこないはず。しかも、オリヴェイラ監督が1試合のベンチ入り停止処分を受け、試合の指揮を執ることができない。鹿島としては、今週取り組んできたことを試合で出し、奥野僚右コーチに勝利をプレゼントしたいところだ。
以上
2011.03.11 Reported by 田中滋
CB以外のフィールド・プレイヤーを集めて細かな指示を与えたオリヴェイラ監督である。
今季はローテーションを採用しておる故、連携に甘さが出ておる。
このハンデを乗り越え、選手間の意思疎通が深まれば、向かうところ敵無しとなろう。
その為の試金石となるのが、この清水戦となろう。
スタメン三人を変えるのはリスクも大きな賭である。
しかも、邪悪なるアウェイの地。
そして、指揮官不在となる。
ここまでの悪条件の中、勝ち点三を得るのは至難の業と言えよう。
気合いを入れて試合に臨みたい。
新シーズンのスタートが公式戦3試合未勝利だったことで、鹿島の周囲が騒がしい。しかし、FUJI XEROX SUPER CUPは名古屋を相手に一歩も引かない試合を展開、楢崎正剛が相手のゴールマウスにいなければ結果は違っていたと思わせる内容だった。さらに、AFCチャンピオンズリーグの上海申花戦は、アウェイの中国での戦いを考えれば勝点1はまずまず満足する結果。そして、開幕戦の大宮戦では「みんなすごいシュートだった」(小笠原満男)という3失点を喫しながらも、アディショナルタイムに同点に追い付く力強さを見せた。3戦未勝利とはいえ、個々の試合で見ていけばそれほど悲観すべき結果ではない。ただ、チーム全体の連携について課題を残しているのも事実だ。
今週、オリヴェイラ監督はチームの熟成を図るため、試合形式の練習を多く取り入れた。火曜日には東京学芸大との練習試合を行い、カルロンと柴崎岳の得点で勝利をおさめた。水曜日には紅白戦を実施。先の大宮戦とは違ったメンバー同士を組ませることで、新しい組み合わせのゲーム経験をつませていた。それは、木曜日にも継続。水曜とはまた違った選手が紅白に分かれ、30分の紅白戦を行った。
ところがここで監督が動く。互いの連携が進まないことを感じ取ったのか、紅白戦後にセンターバックの4人(岩政大樹、伊野波雅彦、中田浩二、昌子源)以外の選手を集めて円陣を組ませると、パスの受け方や動き方などについて、細かな指示を加えた。そして、そのあとには攻撃のパターン練習で動き方を確認し、さらに決定力不足のフォワード陣には居残りのシュート練習を課し、9時に集合した選手たちの全員が帰路についたのは13時を回ろうとしているころだった。
オリヴェイラ監督が、これ程までに連携の熟成にこだわる理由は、先発メンバーをかなり入れ替えながら戦っているからだ。2列目の中盤が野沢拓也とフェリペ・ガブリエル、左右のサイドバックがアレックスと新井場徹に固定されているものの、FWは興梠慎三、大迫勇也、田代有三の3人がすでに先発を経験。次の清水戦ではカルロンがスターターに名を連ねそうだ。ボランチも小笠原満男を始めとして、青木剛、増田誓志の3人がここまで起用され、カルロン同様に本田拓也が先発すると思われる。センターバックも昨季リーグ戦では全試合フル出場した岩政大樹がベンチスタートとなり、中田浩二と伊野波雅彦が並びそうだ。各ポジションに3人のレギュラーがいることになれば、お互いの意図を理解する時間がいくらでも欲しいところだろう。
とはいえ、対戦相手の清水も似たような悩みを抱え、鹿島以上に悩んでいるかもしれない。主力選手が多く抜け、新監督のもと、新たな戦術に取り組んでいるが、開幕戦では昇格組の柏レイソルに0-3の完敗を喫した。古巣の状態を気にかける本田は、仲の良かった太田宏介に電話をしたそうだ。ただ、清水も2試合続けてそうした試合はしてこないはず。しかも、オリヴェイラ監督が1試合のベンチ入り停止処分を受け、試合の指揮を執ることができない。鹿島としては、今週取り組んできたことを試合で出し、奥野僚右コーチに勝利をプレゼントしたいところだ。
以上
2011.03.11 Reported by 田中滋
CB以外のフィールド・プレイヤーを集めて細かな指示を与えたオリヴェイラ監督である。
今季はローテーションを採用しておる故、連携に甘さが出ておる。
このハンデを乗り越え、選手間の意思疎通が深まれば、向かうところ敵無しとなろう。
その為の試金石となるのが、この清水戦となろう。
スタメン三人を変えるのはリスクも大きな賭である。
しかも、邪悪なるアウェイの地。
そして、指揮官不在となる。
ここまでの悪条件の中、勝ち点三を得るのは至難の業と言えよう。
気合いを入れて試合に臨みたい。