釣り好きの知人から聞いた話なので、
どこまで本当のことなのかは保証できない。
メジナという魚がいる。
食卓にはあまりのぼらないが、
磯釣りでは人気の魚である。
白身の魚で、
焼いてよし揚げてよしの魚であるが、
このメジナ、
かつてはおいしくなかったという。
というのもメジナ本来のエサは海藻。
ところがある時期から、
メジナ釣りにオキアミが使われるようになった。
そもそもオキアミは最初食用として持ち込まれたが、
臭いがきつくて食用には適さず、
釣りのエサに使われるようになったらしい。
メジナ釣りでは、
撒き餌として大量のオキアミが海に撒かれる。
そんなオキアミを食べるようになってから、
メジナは格段においしくなったという。
ある意味、養殖じゃないか。
釣り人による養殖によっておいしくなったメジナを
釣り人たちは今、喜んで釣っている。
なんとも奇妙な話だ。