個人店の経済

2017年12月20日 09時14分19秒 | アイデアのかけら

かなり前の話になるが、
地元のおいしいうどん屋が、
小学生以下はお断りと打ち出し、
物議を醸し出したことがあった。

しかしそれにはちゃんと理由があり、
昼どき、小さな子どもを連れたママたちがよく来るのだが、
彼らは4人掛けの席を占領しながら、
大人2人分しかうどんを注文しない。
しかも話し込んで長々居座る。
稼ぎ時であるランチタイムにこれをやられると、
個人店としてはかなりの痛手である。

この手の「被害」はいたるところで発生している
という話を最近聞いた。

我が家もよく行くエスニック料理店もその1つ。
ランチ時に5人で予約が入ったので席を空けておいたら、
やってきたのはママ2人と小さな子どもが2人、
そして赤ちゃん。
確かに人間の数としては5人だが、
注文したのはランチが2つ。
これはたまったもんじゃない。
今でこそ名前を覚えられたのでそんなことはないのだが、
この店に予約の電話を入れると、「大人は何名ですか?」と
尋ねられて不思議に思ったのだが、
そういう事情があったのか。
合点がいった。

あるいは旨い肉を安価で出す酒場があるのだが、
そこに大人より子どもの人数の方が多いグループが来ることもあった。
子どもたちが注文するのはステーキとライスだ。
ご存知の方も多いと思うが酒場というのは
主にフードではなくドリンクで儲けを得ている。
しかし子どもたちの分のドリンクは頼もうとしない。
水でかまわないという。
さすがにそれは困るので、
子どもたちの分もドリンクを頼んでもらったが、
かなり嫌な顔をされたようだ。
以来、店でライスを出すのは止めたという。
(常連用に秘密のライスはあるみたいですが)

上記の話を聞いて思うのは、
彼らは個人店の経済というものを
まったくわかっていないし、
わかろうともしていないということだ。

もちろん、彼らのような振る舞いを容認する店もある。
たとえば、大資本のチェーン店だ。
彼らは混同しているようだけど、
そんなチェーン店と個人店では、
同じ飲食店ではあるけれど、
経済(経営)という観点から見れば別物なのだ。

しかし今回、聞いて一番呆れたのは、
子連れで押し寄せた客が帰った後を見ると、
子どもが食べたお菓子の袋と、
交換したおむつを入れたポリ袋が残されていたという話。

おかしなことになっている。