警官VSタクシー運転手、そして僕

2016年02月24日 10時19分35秒 | コメディのかけら

昨夜の話だ。

深夜、タクシーで帰宅中、環七から右折したところで、突然、車が止まった。

どうしてこんなところで…と驚いていると、おもむろに窓が開き、警官が顔を覗かせた。まだ若い、つるんとした顔の警官だった。

「なんで止めたかわかりますか?」

嫌味な言い方をするものだ。
警察学校でそういう言い方をするよう教わるのか。

僕は車を運転しないので、
どんな違反があったのかはよくわからないが、
一時停止に関するどうとかこうとかだった。

しかし運転手は納得しておらず、不穏な空気となった。

間に挟まれながら、どうしたものかと思ったが、とりあえず言ってみた。

「急いでるんですけど」

運転手も番号を控えておいたらいいだろ、後で行くからと答える。

まだ何かブツブツ言っていたが、「急いでるんですけど」と繰り返すと、
警官の姿が僕の前から消えた。

もういいだろと思った運転手が車を出すと、
警官が全速力で走って追いかけてきた。

「なんで車を出すんだ!」

てっきりタクシー会社名と車番をメモするのかと思ったら、
後ろに回ってナンバーを控えようとしていたようだ。

「あの、メーターが上がっちゃうんですけど」

そこでようやく警官が気づいたようだ。

「とりあえずメーターを止めてください」

あまりの段取りの悪さに、なにか言いたくなり、ちょっと言ってみた。

「あなたはさ、どこの誰?」

そんなこと聞かれることがないのか、驚いた表情になって警官が答える。

「北沢署の◎◎です」

聞いた後に思った。

「名前なんて聞いて、俺、どうするつもりなんだ?」

客が乗っているタクシーが交通違反を犯した時、
警官はどうするのが正解なのだろうか。
たぶん、マニュアルがあるはずだ。

それにしても。

運転手曰く、
「あの場所は一時停止違反が多い。実は自分も過去にやってしまったことがある」

だから、あんな真夜中に自転車で待機しているんだろうなあ。
違反者を捕まえると小銭がもらえるのかなあ。
その正義感、もっと他のことに使った方がいいと思うのだが。