会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

『ファースト住建』2 究極の資産効率

2006-01-18 00:32:41 | 銘柄研究
ライブドア、やってくれましたなぁ。
おかげで大変な思いをしています。

株もしばらく調整ですかね。
こういう時こそしっかり研究すべきでしょう。

さて今日はファースト住建2回目です。

PERは10倍そこそこ。これで割安だと
言われることが多いのですが、確かに安いですね。

今日の時価総額が248.6億円。05年10月期で純利益23.5億円。
これが株主の取り分になるわけですが、利回り9.5%です。

いいですねえ。毎年10%近く回るなら誰も文句いいませんね。
当社の今期予想も24.5億円でまあ横ばい予想です。

横ばいでも10%近くで回るんなら良いじゃないですか。

ここがこれほど安いのは,当社が下方修整したからですが、

下方修正発表

これで株価が暴落したんですね。


これまでものすごい勢いで成長してきておりましたんで、株価はそれをおりこんでいました。成長株として認識されていたんですね。

成長の軌跡

下の方にグラフがでています。

それが下方修正で成長が止まりそう、というショックだったわけですが
もし横ばいでも業績が維持できるならこの株価でも買って損はないですね。

この会社に注目すべきはPERだけではありません。
この会社自身の資産効率が実に良いのです。
資産を実に有効に使っています。具体的に見ましょうか。
株の話だけではここの趣旨に反しますからね。

当社の財務をみてみますと。

決算短信

総資産が216.8億円です。
当社の資産の配分がスゴイ。

このうち流動資産が210億円。

ハアッ!?

97%が流動資産でっせ。

そのうち、現金が51.9億,売掛金と在庫が155億。
合わせて207億円。ほとんど商売に回ってると言う事です。

これはスゴイですね。豪勢な本社ビルも,立派な社用車も、
ムダなゴルフ場もありません。株主から調達した資金や借入金
をほとんど全部を商売の元手につぎ込んでいますね。

変な未収や仮払いも見当たらず、極端なくらいにシンプルですね。

これぞ資産を持たない経営。
究極の資産効率、そんな感じですか。

当社はいろいろなプロセスをアウトソースするなど、
オペレーションの効率について云々されることが多いのですが、
財務も徹底していますね。

こういう良さは企業価値にどう反映するのか。
次回はこのテーマで。