Where No Fed Has Gone Before
これ見ると,ふふっとトレッキーの血が騒ぎます。
『宇宙、それは人類に残された最後のフロンティア』。このナレーションで始まるテレビ番組が昔ありました。スタートレック。邦題は宇宙大作戦。スパイ大作戦からとってきたんでしょうな。
そのナレーションの最後『驚異にみちたストーリーである』の英語版の部分が
To boldly go Where No Man Has Gone Before なんですね。この記事の見出しはそれにひっかけているんでしょうな。
前人未踏の地をFRBが突き進んでいる。航宙艦エンタープライズ号のように、大胆なチャレンジを実行中で、キャプテンカークのように、規則をものともせず・・・、って感じでしょうか。
大胆に利下げに動いたFRB。スティグリッツは著書でインフレのリスクを恐れるあまりに利上げで景気を冷やしすぎて・・・みたいな中央銀行批判を書いていますが、バーナンキさんはスティグリッツさん的なお考えなんですかな。
この記事は金利政策について踏み込んだといっているのではなく、例のベアスタンズ救済についてです。
ベアスタンズをJPモルガンに買わせるにあたり、FRBが290億ドルだした。ローンだといっているが、これFRBが投資したことになってるんじゃないか、これデットじゃなくてエクイティだろう、と指摘されてるんですね。このことは上院でヒアリングが行われるみたいだし、ポールソンさんもチクッと発言したり。
ヤリ過ぎかも、というリアクション。
いやあ物議をかもすくらい大胆な中央銀行。良いですね。混乱を避けるためなら何でもやる。スゴイっす。
Here's how it works: A Delaware-based limited liability company will be set up to receive, upon completion of the merger, $30 billion in various Bear holdings, such as mortgage-backed securities. The Fed will lend $29 billion to that company, which will pass all the money along to JPMorgan, Bear's new owner.
①limited liability company を設立してベアスタンズの300億ドル相当の資産を受け取らせる。②FRBはそのlimited liability company に290億ドルを貸付る。③290億ドルはJPモルガンにPassされる。
Passされるってどういうことですかな。まあ気にせず進みますかね。
JPMorgan itself will lend $1 billion to the Delaware company. The company, managed by BlackRock Financial Management, will pay back the loans by gradually liquidating the assets. As a protection for the Fed, it gets paid back fully before JPMorgan gets back anything on its loan.
④JP自身は10億ドルをlimited liability company に貸し付ける。⑤limited liability company はベアスタンズからもらった資産を少しずつ売って行く。⑥FRBは売った代金で返済を受ける。⑦FRBの返済はJPの返済に優先。
JPのローンよりはリスクが小さいわけですな。ただしベアスタンズの資産を売って290億ドルに満たない場合はFRBはロスをこきます。
The other sweetener for the Fed is that if there's money left over even after JPMorgan gets repaid, the Fed gets it all.
⑧もしも、limited liability company の資産が高く売れて、290億ドルを超えて全額FRBからの借り入れを返済し、さらにJPの10億ドルも返済できて、なお余剰が出た場合、その残り部分、つまりベアスタンズからもらった資産が300億ドルより高く売れたらその分、FRBが総取りとなる。
ウーン。考えましたな。下がったらロス、上がったら益の出るやり方なわけで、これってホンマに貸付か。資本的投資にあたらないのか、と指摘されてるんですね。290億ドルでベアの資産を買ったのとどこが違うのかってことで。
JPはベアの時価がいくらかわからん資産部分は切り離すことができるんでしょう。limited liability companyの組成がどうなっているのかわかりませんけどね。JPがそこから借りた290億ドルを返済しなければならない、となってはいないんでしょう。Passという動詞の意味がやはり気になるところです。
Fed法に抵触するんじゃないか、ってことなんですが、もちろんFedは貸付だという立場です。
キャプテンバーナンキはTo boldly go と果敢にリスクに挑んでいるわけですが、後年、金融界のヒーローとして評価されることになるんでしょうか、あるいは・・・。
これ見ると,ふふっとトレッキーの血が騒ぎます。
『宇宙、それは人類に残された最後のフロンティア』。このナレーションで始まるテレビ番組が昔ありました。スタートレック。邦題は宇宙大作戦。スパイ大作戦からとってきたんでしょうな。
そのナレーションの最後『驚異にみちたストーリーである』の英語版の部分が
To boldly go Where No Man Has Gone Before なんですね。この記事の見出しはそれにひっかけているんでしょうな。
前人未踏の地をFRBが突き進んでいる。航宙艦エンタープライズ号のように、大胆なチャレンジを実行中で、キャプテンカークのように、規則をものともせず・・・、って感じでしょうか。
大胆に利下げに動いたFRB。スティグリッツは著書でインフレのリスクを恐れるあまりに利上げで景気を冷やしすぎて・・・みたいな中央銀行批判を書いていますが、バーナンキさんはスティグリッツさん的なお考えなんですかな。
この記事は金利政策について踏み込んだといっているのではなく、例のベアスタンズ救済についてです。
ベアスタンズをJPモルガンに買わせるにあたり、FRBが290億ドルだした。ローンだといっているが、これFRBが投資したことになってるんじゃないか、これデットじゃなくてエクイティだろう、と指摘されてるんですね。このことは上院でヒアリングが行われるみたいだし、ポールソンさんもチクッと発言したり。
ヤリ過ぎかも、というリアクション。
いやあ物議をかもすくらい大胆な中央銀行。良いですね。混乱を避けるためなら何でもやる。スゴイっす。
Here's how it works: A Delaware-based limited liability company will be set up to receive, upon completion of the merger, $30 billion in various Bear holdings, such as mortgage-backed securities. The Fed will lend $29 billion to that company, which will pass all the money along to JPMorgan, Bear's new owner.
①limited liability company を設立してベアスタンズの300億ドル相当の資産を受け取らせる。②FRBはそのlimited liability company に290億ドルを貸付る。③290億ドルはJPモルガンにPassされる。
Passされるってどういうことですかな。まあ気にせず進みますかね。
JPMorgan itself will lend $1 billion to the Delaware company. The company, managed by BlackRock Financial Management, will pay back the loans by gradually liquidating the assets. As a protection for the Fed, it gets paid back fully before JPMorgan gets back anything on its loan.
④JP自身は10億ドルをlimited liability company に貸し付ける。⑤limited liability company はベアスタンズからもらった資産を少しずつ売って行く。⑥FRBは売った代金で返済を受ける。⑦FRBの返済はJPの返済に優先。
JPのローンよりはリスクが小さいわけですな。ただしベアスタンズの資産を売って290億ドルに満たない場合はFRBはロスをこきます。
The other sweetener for the Fed is that if there's money left over even after JPMorgan gets repaid, the Fed gets it all.
⑧もしも、limited liability company の資産が高く売れて、290億ドルを超えて全額FRBからの借り入れを返済し、さらにJPの10億ドルも返済できて、なお余剰が出た場合、その残り部分、つまりベアスタンズからもらった資産が300億ドルより高く売れたらその分、FRBが総取りとなる。
ウーン。考えましたな。下がったらロス、上がったら益の出るやり方なわけで、これってホンマに貸付か。資本的投資にあたらないのか、と指摘されてるんですね。290億ドルでベアの資産を買ったのとどこが違うのかってことで。
JPはベアの時価がいくらかわからん資産部分は切り離すことができるんでしょう。limited liability companyの組成がどうなっているのかわかりませんけどね。JPがそこから借りた290億ドルを返済しなければならない、となってはいないんでしょう。Passという動詞の意味がやはり気になるところです。
Fed法に抵触するんじゃないか、ってことなんですが、もちろんFedは貸付だという立場です。
キャプテンバーナンキはTo boldly go と果敢にリスクに挑んでいるわけですが、後年、金融界のヒーローとして評価されることになるんでしょうか、あるいは・・・。