ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

オペラ「遥かなる愛」

2015-07-24 21:59:09 | オペラ
5月28日東京オペラシティコンサートホールで、カイヤ・サーリアホ作曲のオペラ「遥かなる愛」をみた(演奏会形式、フランス語上演)。
日本初演。

12世紀。領主リュデルは貴族階級の享楽的な生活に嫌気がさし、遥かなる真実の愛を渇望している。そこへ海を渡ってきた巡礼の旅人が、
まさにリュデルの望むような女性、トリポリ女伯クレマンスに会ったと言う。
巡礼の旅人が二人の間を行き来し互いの存在を知らせると、想いの募ったリュデルは彼女のもとに赴くことを決意し、海を渡る。しかしその
途上で彼は、「遥かなる愛(恋人)に会いたい気持ちと同時に、その人を実際に目の前にすることを恐れている自分との間で苦悩する。
苦悩はやがて病を呼び、トリポリに到着する時には死の瀬戸際まで来ている…。
船が着き、トリポリの城砦で出会った二人は、互いの思いを告げ、抱き合い、愛を誓う。クレマンスの腕の中でリュデルが息を引き取ると、
彼女は天に怒りをぶつけ、修道生活に入ることを決める。クレマンスの祈りの先にあるのは、遥かなる神か、それとも遥かなる愛(恋人)か。

12世紀フランスの偉大な吟遊詩人ジョフレ・リュデルの詩をもとに、レバノン生まれの作家アミン・マアルーフが台本を書いたという。

この作曲家はフィンランド出身の女性で、この作品は初めてのオペラ。2000年に初演され大成功を収めた由。

観念的な恋。だがクレマンス(林正子)が、彼女に恋しているという詩人(与那城敬)のことを旅人(池田香織)から聞き、詩人の抱く自分の
イメージが相当美化されていて現実の自分と違うことに気づき、正直に戸惑うところなど、リアリティがあるし好感が持てる。

歌手は3人共好演かつvisual的にも美しい。

音楽はよく分からないが、現代曲であるにもかかわらず(?)聴き易く美しい。
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2 コメント

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作曲者の話を聴きました (精一)
2015-08-03 11:25:15
私はその翌日サーリアホのクラリネット協奏曲の日本初演を聴きました。サントリーホールでの都響789回定期演奏会でした。演奏前に作曲者のプレトークもありました。
クラリネット独奏者が客席の後から演奏しながら登場し、いろいろな仕草をしながら、オーケストラのメンバーと絡み合い、最後には弦楽奏者を率いて退場してしまう、というパフォーマンスでした。即興演奏の部分もある音楽は濃密でスリリングなものでした。私もシンプルで美しい音楽だと思いました。
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ありがとうございます♪ (yuko)
2015-08-03 22:35:12
精一様
拙文を読んで下さってありがとうございます!
サーリアホさんてご自身も美しい方ですよね。当日客席にいらしてました。
クラリネット協奏曲も面白そうですね。
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