12月10日シアター風姿花伝で、ジャン・ジュネ作「女中たち」を見た(演出:鵜山仁)。
ソランジュ(那須佐代子)とクレール(中嶋朋子)の姉妹は、お屋敷の女中。女主人の留守中、二人はいつものように「奥様と女中ごっこ」に夢中。
妹クレールが奥様に扮し、クレールになった姉ソランジュをこき使うのだ。白い靴を履かせ、真っ赤なドレスを着させるが、セットしておいた
目覚まし時計が鳴ると、二人は慌て出す。ソランジュの言葉使いが急にぞんざいになり、クレールは急いでドレスを脱ぎ、姉と同じメイドの白黒の
お仕着せ姿に戻る。それはいつもと同じだった。だが、この日、クレールの密告により警察に収監されていた女主人の夫が戻って来ると
電話がある。おまけに帰宅した女主人は、部屋のあちこちから二人の行動のあとを目ざとく見つけてしまう。取り乱した二人は現実と虚構の
区別がつかなくなり・・・。
初めて見る芝居で、原作も知らなかったので、話についてゆくのに精一杯。
ジュネの原作がとにかく濃密で圧倒された。
姉妹はごっこ遊びを延々と続けるかと思うと、急に現実に戻り、またいつの間にか別の人物を演じ出す。誰も見ていないのに相手もそれに
合わせる。目が回りそうだ。しかもそれはただの遊びではない。二人が演じているのは、現実の奥様対女中の関係を極端にデフォルメし、
女中が奥様への憎悪を募らせ、ラストでは奥様殺害に至る危険なシナリオなのだ。ただし、いつも時間切れでそこまで行かないのだったが。
評者は那須佐代子の大ファンなので意気込んで出かけたが、演技派の中嶋朋子との期待にたがわぬ演技合戦?を堪能できた。
火花が散りそうな体当たりの熱演を、しかも小さな劇場ゆえ、すぐ目の前で鑑賞できた。
ただ、原作では女中たちは奥様より若い設定(普通それが自然だろう)だが、今回の上演では逆に女主人の方が若いのが、少々残念だったし、
違和感が残った。
ソランジュ(那須佐代子)とクレール(中嶋朋子)の姉妹は、お屋敷の女中。女主人の留守中、二人はいつものように「奥様と女中ごっこ」に夢中。
妹クレールが奥様に扮し、クレールになった姉ソランジュをこき使うのだ。白い靴を履かせ、真っ赤なドレスを着させるが、セットしておいた
目覚まし時計が鳴ると、二人は慌て出す。ソランジュの言葉使いが急にぞんざいになり、クレールは急いでドレスを脱ぎ、姉と同じメイドの白黒の
お仕着せ姿に戻る。それはいつもと同じだった。だが、この日、クレールの密告により警察に収監されていた女主人の夫が戻って来ると
電話がある。おまけに帰宅した女主人は、部屋のあちこちから二人の行動のあとを目ざとく見つけてしまう。取り乱した二人は現実と虚構の
区別がつかなくなり・・・。
初めて見る芝居で、原作も知らなかったので、話についてゆくのに精一杯。
ジュネの原作がとにかく濃密で圧倒された。
姉妹はごっこ遊びを延々と続けるかと思うと、急に現実に戻り、またいつの間にか別の人物を演じ出す。誰も見ていないのに相手もそれに
合わせる。目が回りそうだ。しかもそれはただの遊びではない。二人が演じているのは、現実の奥様対女中の関係を極端にデフォルメし、
女中が奥様への憎悪を募らせ、ラストでは奥様殺害に至る危険なシナリオなのだ。ただし、いつも時間切れでそこまで行かないのだったが。
評者は那須佐代子の大ファンなので意気込んで出かけたが、演技派の中嶋朋子との期待にたがわぬ演技合戦?を堪能できた。
火花が散りそうな体当たりの熱演を、しかも小さな劇場ゆえ、すぐ目の前で鑑賞できた。
ただ、原作では女中たちは奥様より若い設定(普通それが自然だろう)だが、今回の上演では逆に女主人の方が若いのが、少々残念だったし、
違和感が残った。