ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

2023年の芝居を回顧して

2024-01-13 23:15:35 | 回顧
今日は、昨年の観劇のまとめをしたいと思います。
2023年には31コの芝居を見ました。
その中から厳選に厳選して、11コにまで絞り込んだのが以下のものです。
例年通り、見た順に挙げていきます。 
カッコ内は、特に光っていた役者さんです。




  
「対話」         D. ウィリアムソン作        俳優座公演   演出:森一          俳優座スタジオ   
          ※ 文化圏の違いを強く感じさせる戯曲。何より言葉への信頼が厚い。加害者側も被害者側も、みな実に辛抱強く会話する。
            その結果、新しい視座が開け、全員が、立場は違うが後悔と痛みを抱えていることが判明。それによって、忌まわしい事件による
            各自の心の痛みが少しずつ癒されてゆく!役者が皆さん素晴らしい。やはり俳優座のレベルは高い。       

「聖なる炎」       S. モーム作            演出:小笠原響      俳優座劇場
          ※ 非常によくできた戯曲。謎解きの要素もある。役者がみなうまいので、気持ち良くもらい泣きできた。

「ペリクリーズ」     シェイクスピア作    演劇集団円公演    演出:中屋敷法仁     シアターχ     翻訳:安西徹雄
          ※ 演出には違和感があったが、役者たちがみなうまい!さすが演劇集団円。
   
「金閣炎上」      水上勉作         劇団青年座公演    演出:宮田慶子    紀伊國屋ホール (魏涼子・石井淳・横堀悦夫)
          ※ 演出、役者陣、音楽、すべてよかった。三島由紀夫の「金閣寺」とはまた違った描き方が非常に興味深い。

「新ハムレット」     太宰治作           演出:五戸真理恵    パルコ劇場    (池田成志・木村達成)
          ※ 実に面白い。以前読んだ時はシェイクスピアの傑作を妊娠小説に変えたのを苦々しく思ったが、今回、太宰治を見直すきっかけを作ってくれた。

「桜の園」        チェーホフ作       ショーン・ホームズ演出      パルコ劇場 (八嶋智人・松尾貴史)
          ※ 評判通り、斬新な演出だった。ロパーヒン役の八嶋智人が、お得意の軽い身のこなしで意外と好演。

「三人姉妹」     チェーホフ作      大河内直子演出       自由劇場 (上演台本:広田敦郎)  (保坂知寿・霧矢大夢・平体まひろ)
          ※ 実力派女優3人の競演は、期待通り素晴らしかった。これが決定版かも。

「My Boy Jack 」   デイヴィッド・ヘイグ作(原作:キップリング)    上村聡史演出   紀伊國屋サザンシアター (倉科カナ)
          ※ 忘れ難い舞台。役者がみな熱演。

「金夢島」      太陽劇団作       ムヌーシュキン演出      芸術劇場プレイハウス
          ※ フランス人ムヌーシュキンの主宰する劇団は、日本への愛、世界の文化への敬愛を伝えてくれる。観劇の喜びも、改めて感じさせる。

「検察側の証人」   アガサ・クリスティ作      高橋正徳演出        俳優座劇場        (采澤靖起)
          ※ 文句なしの最高傑作。だが、あと20年位、見ない方がいいかも。筋を忘れた頃に、また驚きたい。
            だまされるのがこれほど快感だとは!人間って不思議なものだとつくづく思う。     

「終わりよければすべてよし」  シェイクスピア作    鵜山仁演出       新国立劇場中劇場  (中嶋朋子・亀田佳明・岡本健一)   
            ※ マイナーな戯曲が意外と面白いことがわかった。

*** *** ***

最優秀女優賞:倉科カナ(「My Boy Jack」 のエルシー役)
最優秀男優賞:池田成志(「新ハムレット」のポローニアス役)、采澤靖起(「検察側の証人」のレナード役)


昨年は、この他にも大勢の魅力的な役者さんたちと出会うことができました。
つたない文章を読んで下さった皆様にも、深く感謝申し上げます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
           



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2022年の芝居を回顧して

2022-12-31 20:06:37 | 回顧
今年見た芝居は37コ。ようやくコロナ禍以前に戻ったよう、いや、それどころか、かつてないほどたくさん見た年でした。
中には見なきゃよかった、と腹立たしい思いにかられたものもいくつかありますが・・。
その中から特によかったものを選ぶのは骨の折れる作業でしたが、何とか14コに絞りました。
すでに有名なもの、定評のあるものは、敢えて除外しました。
ではいつものように、特に印象深かった舞台を、見た順に挙げていきます。(カッコ内は特に光っていた役者さんです)




  理想の夫  オスカー・ワイルド作       演出:宮田慶子  新国立劇場演劇研修所修了公演
             ※ ワイルドがこんな戯曲を書いていたとは。実に面白いし、興趣尽きない。研修生たちも好演。 

  レストラン『ドイツ亭』 アネッテ・ヘス作   演出:丹野郁弓 脚本:長田育恵 劇団民藝+てがみ座公演
             ※ 戦後ドイツの複雑な状況が少し分かってきた。戯曲としても素晴らしい。

  薔薇と海賊        三島由紀夫作    演出:大河内直子 東京芸術劇場シアターウエスト (霧矢大夢)     
             ※ おとぎ話。最初は普通の芝居のように始まるのに、ラストは面食らった。三島由紀夫の多面性を改めて感じる。
      
  冬のライオン      ゴールドマン作     演出:森新太郎   東京芸術劇場プレイハウス (高畑淳子)
             ※ 麻実れいと平幹二郎版が決定版だと思っていたが、高畑淳子と佐々木蔵之介版も実に面白い!戯曲が傑作だし何度見ても素晴らしい。

  ピローマン       マーティン・マクドナー作 演出:寺十吾   演劇集団円公演 俳優座劇場   
             ※ ひたすら怖いが謎解きの要素もあり、迫力ある展開に目が離せない。マクドナーの生い立ちが改めて気になる。役者はみな好演&熱演。

  ロビー・ヒーロー   ケネス・ロナーガン作     演出:桑原裕子    新国立劇場小劇場 (中村蒼)
             ※ 優れた劇作家に出会えた。演出もいい。

  黒塚~一ツ家の闇   わかぎゑふ脚本・演出      流山児★事務所公演   下北沢 ザ・スズナリ          
             ※ 歌舞伎や能に疎いので全く知らない世界だったが、ゑふさんのお陰で新しい世界が開けた。殺陣は見応えがあり、役者はみなうまい。

  恭しき娼婦     ジャンポール・サルトル作          演出:栗山民也     紀伊國屋ホール (奈緒、金子由之)
             ※ 米国が舞台。サルトルは劇作家としても超一流。

  ザ・ウェルキン   ルーシー・カークウッド作     演出:加藤拓也、シスカンパニー公演、 シアターコクーン (大原櫻子)
             ※ ただもう大原櫻子の演技に圧倒された。女優12人の競演も見応えあり。

  評決        バリー・リード原作 脚色:マーガレット・メイ・ホブス 構成・演出:原田一樹 劇団昴公演    俳優座劇場
             ※ 法廷もの。ベストセラー小説が原作だけに、非常に面白い作品。

  加担者       デュレンマット作 演出:稲葉賀恵 オフィスコットーネプロデュース   (外山誠二)
             ※ デュレンマットは「貴婦人の来訪」しか知らなかったので、驚いた。

  住所まちがい    ルイージ・ルナーリ作  上演台本・演出:白井晃            (仲村トオル)                
             ※ 不条理劇だがとにかく楽しい。膨大な量のセリフと格闘した3人の男優さんたち、お疲れ様。

  検察官       ニコライ・ゴーゴリ作  演出:ペトル・ヴトカレウ   俳優座劇場    (田部圭祐)
             ※ モルドバ共和国の演出家の手にかかるとこんな風になるのかと胸を打たれた。独創的で魅力的。

  建築家とアッシリア皇帝  フェルナンド・アラバール作   上演台本・演出:生田みゆき シアタートラム  (成河、岡本健一)
             ※ ファンタジーだが、二人の名優の熱演がすこぶる楽しかった。

この他、印象に残った役者さんたちは次の通り。

  安藤みどり(田中千禾夫作「京時雨濡れ羽双鳥」「花子」)
  秋山菜津子(デュレンマット作「貴婦人の来訪」)
  要田禎子(リンゼイ=アベアー作「ラビットホール」)
  坂井亜由美(同上)
  賀来千香子(井上ひさし作「吾輩は漱石である」)

今年は久々に、賞を送りたい役者さんたちがいます。

  最優秀女優賞:大原櫻子(「ザ・ウェルキン」)
  最優秀男優賞:外山誠二(「加担者」)、田部圭祐(「検察官」)

さて、今年も拙い文章を読んで下さってありがとうございました。
こうして自分の感想を発表する場があること、読んで下さる方々がおられること、たまに賛同してくださる方々がおられることが、
どれほどありがたく、また励みになっていることか。
  どうか、今後ともよろしくお願いいたします。        



        



       


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2021年の芝居を回顧して

2022-01-11 15:46:16 | 回顧
2021年に見た芝居は25コ。コロナ禍にもかかわらず、予想以上の数でした。その中から特に印象深かったものを7点、例年通り、見た順に挙げていきます。
カッコ内は、特に光っていた役者さんです。

           


1月    ザ・空気 ver.3 そして彼は去った    永井愛作        演出:永井愛   (神野三鈴、佐藤B作) 
             ※ ホッカホカの時局ネタ(日本学術会議への首相の人事介入を巡る)が圧巻。説得力ある構成が胸に迫る。こういう芝居を熱烈に支持する
               人が大勢いるという現状を知ると、日本もまだ大丈夫だと思える。B作さんの魅力も全開。          

      墓場なき死者        サルトル作       演出:稲葉賀恵     
             ※ フランス人がフランス人を拷問し虐殺するのは格差ゆえ。階級社会ゆえ。貧しくて教育を受けていない民兵たちは、教養ある
               レジスタンスの人々への憎しみを、拷問することで吐き出す。サルトルの戯曲の例に漏れず、圧倒的な迫力。
     
6月    キネマの天地       井上ひさし作       演出:小川絵梨子 (高橋惠子、那須佐代子、鈴木杏)
             ※ 作者お得意のどんでん返しが楽しい。何度見ても面白い、よくできた芝居。演出には一部疑問あり。
  
9月    熱海殺人事件      つかこうへい作      演出:稲葉賀恵、文学座公演 (石橋徹郎、奥田一平)    
             ※ 有名な戯曲をやっと見ることができた。あの頃の熱い空気が懐かしい。熱に浮かされたような芝居。
   
10月   子供の時間       リリアン・ヘルマン作    演出:西川信廣 (佐々木愛、新井純、原田琴音)
             ※ よく練られた戯曲。映画「噂の二人」との違いがわかり、興奮。興味は尽きない。

11月   鷗外の怪談       永井愛作・演出        (味方良介、瀬戸さおり、木野花、池田成志)
             ※ あまり知られていない文豪の私生活が興味深い。大逆事件を巡る、友人との論戦には引き込まれた。

      ダウト         J.P.シャンリー作       演出:小川絵梨子 (那須佐代子、亀田佳明)
             ※ 見る者に息もつかせぬ迫力。何度見ても素晴らしい。いつか戯曲を手に入れて読みたい。

この他、印象的だった役者さんたちは次の通り。

川平慈英(井上ひさし作「藪原検校」での語り役)
若村麻由美(蓬莱竜太作「首切り王子と愚かな女」)
富田靖子(井上ひさし原案、畑澤聖悟作「母と暮らせば」)
木村有里(ケッセルリング作「毒薬と老嬢」)
戸田恵子(リンゼイ=アベアー作「グッドピープル」)
サヘル・ローズ(同上)

例年3月頃、桜の開花と競い合うようにアップする、お恥ずかしい我が「回顧」ですが、今回は1月中という快挙!
そもそも回顧などというものは年内にするものでしょうが、評者の場合、これでもすごい進歩だと自画自賛しております。
次なる目標は、年内にアップすることです。
今後ともよろしくお願いいたします。


          




    

     





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2020年の芝居を回顧して

2021-03-24 20:25:10 | 回顧
さて、昨年はパンデミックのため、芝居の公演が次々に中止となり、この日記もタイトルからしばし逸脱していかざるを得なくなりました。
それでも秋以降、少しずつ公演が再開され、何とか13コの芝居を見ることができました。
その中から特によかったものを、例によって見た順に挙げていこうと思います(カッコ内は特に光っていた役者さんです)。


2月   天保12年のシェイクスピア     井上ひさし作       藤田俊太郎演出  (浦井健治、樹里咲穂、土井ケイト)
          ※シェイクスピアの全37作と講談「天保水滸伝」とを一つにまとめたというとんでもない作品。乱暴だが楽しい。
           宮川彬良の音楽も素晴らしい。役者たちもみんな楽しそう。また見たいっ!  

     メアリ・ステュアート        F.シラー作(上演台本:スペンダー)森新太郎演出 (吉田栄作、シルビア・グラブ、藤木孝、長谷川京子、星智也)  
          ※原作がとにかく素晴らしい。

     社会の柱              イプセン作        宮田慶子演出    (大久保真希、椎名一浩)
          ※初めて見たが、当時の社会の様子が実に興味深い。

9月   十二人の怒れる男          レジナルド・ローズ作   リンゼイ・ポズナー演出 (山崎一、石丸幹二、堤真一、吉見一豊、溝端淳平、梶原善)
          ※キャスティングが最高!

10月  リチャード二世           シェイクスピア作     鵜山仁演出      (横田栄司、那須佐代子)
          ※マイナーな芝居を20年ぶりに見ることができた。一連の歴史劇シリーズの掉尾を飾る上演。
            

今年もまた桜に先を越されてしまいました。昨年(3月31日投稿)よりはマシですが。
例年よりずっと数が少なかったのに、どうしてこうなのか・・。
次回はもうちょっと早くなるように頑張ります。




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2019年の芝居の回顧

2020-03-31 00:12:31 | 回顧
さて、毎年恒例、気の抜けたビールのような時期外れの総括でございます。
満開の桜の中、もうすっかり開き直っておりますが、昨日は雪も降ったことですし、ギリギリ3月だし、ま、いいか、と。
昨年見た芝居は18こ。例年に比べると、いささか少ないです。
いつものように、特に面白かった作品を、観劇した順に挙げていきます(カッコ内は特に印象に残った役者さん)。

 1月  暗くなるまで待って      フレデリック・ノット作      演出:深作健太     
       ※映画化もされ、非常に面白く、よくできた芝居だが、出来過ぎていて心臓に悪い。

 2月  プラトーノフ         チェーホフ作、脚色:デイヴィッド・ヘア   演出:森新太郎  (高岡早紀、藤原竜也)
       ※チェーホフの処女戯曲が彼の死後20年近く経って発見されて上演!実にめでたい。配役もいい。悲劇なのに実におかしい。まさに悲喜劇。
  
     父              フロリアン・ゼレール作      演出:ラディスラス・ショラー (橋爪功、若村麻由美)
       ※日本初演。発想と設定の勝利。高齢化社会を迎えた時代に合った戯曲。

 3月  母と惑星について、および自転する女たちの記録  蓬莱竜太作   演出:栗山民也 (キムラ緑子、鈴木杏)
       ※確かな作劇術。手練れ。

 6月   化粧二題           井上ひさし作           演出:鵜山仁   (内野聖陽、有森也実)
       ※チャーミングな二人の演技を堪能した。 

 8月  人形の家part2        ルーカス・ナス作         演出:栗山民也   (那須凛、永作博美)
       ※有名な戯曲の続編。日本初演。作者はイプセンの作品をよく読み込み、非常に面白い後日談を作った。だが本編と違って主人公ノラに人間的魅力が薄く、
        自立し過ぎ、強過ぎて感情移入しにくいのは皮肉。成長した娘の心情に説得力がある。

  9月  スリーウィンターズ     テーナ・シュティヴィチッチ作    演出:松本祐子   (寺田路恵、南一恵、倉野章子)
       ※久々に文学座らしい歯応えのある素晴らしい芝居が見られた。日本初演。

 10月  オイディプス         ソフォクレス原作、ダンスター作  演出:ダンスター  (黒木瞳) 
       ※有名な芝居を初めて見ることができた。黒木瞳が圧巻。

     渦が森団地の眠れない子たち  蓬莱竜太作            演出:蓬莱竜太    
       ※大人の役者たちが子供たちを演じるが、実に自然。

 12月   月の獣            カリノスキー作         演出:栗山民也    (真島秀和、岸井ゆきの、升水柚希、久保酌吉)
       ※胸に迫ってくる物語。配役もいい。

今年はコロナウイルスの蔓延のため、見ることのできる芝居はさらに少なくなりそうだ。
今現在、行く予定だったオペラが2つ、芝居が2つ、コンサートが3つ、中止になった。
この状況がいつまで続くのだろうか。
公演する側の方々は本当に大変だと思う。
政府は自粛を求めた公演の補償を、速やかに決断してほしい。






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2018年の芝居の回顧

2019-03-25 18:41:57 | 回顧
さて、一部の気の早い桜に先を越されてしまいましたが、遅まきながら、昨年一年間の芝居の総括をしたいと思います。

昨年は芝居を25コ見ました。その中で断トツに面白かったのは、次の3つ。カッコ内は特に光っていた役者さんです。

 1月  黒蜥蜴    三島由紀夫作   デヴィッド・ルヴォー演出    日生劇場      (中谷美紀、井上芳雄)

              ※切ない恋に胸が締めつけられる、忘れられない上演。役者、演出、衣装、音楽のすべてがよかった。   

11月  豊穣の海   三島由紀夫作   マックス・ウェブスター演出 紀伊國屋サザンシアター  脚本:長田育恵(神野三鈴)
   
                    ※大作に圧倒された。演出よし、音楽(音響)よし、役者よし。

12月  女中たち   ジャン・ジュネ作    鵜山仁演出       シアター風姿花伝  (那須佐代子、中嶋朋子)     

                    ※演技派女優二人の息もつかせぬ競演に、すっかり心を奪われた。

次に印象的だったのは次の5つ。

1月   近松心中物語  秋元松代作   いのうえひでのり演出    新国立劇場中劇場   (小池栄子、銀粉蝶、宮沢りえ)
                    ※有名な話だが、全体を初めて見ることができた。  

4月   ヘッダ・ガブラー  イプセン作    栗山民也演出   (段田安則、小日向文世、佐藤直子)   
                    ※演出が大胆で官能的。

     十二夜    シェイクスピア作    渡辺さつき演出   翻訳:安西徹雄  (石黒光、石井英明)
                    ※演劇集団 円の役者たち(オールメール)が好演。

5月   ヘンリー五世 シェイクスピア作    鵜山仁演出     (浦井健治、横田栄司)
                    ※歴史劇シリーズがこれで完結。

6月   夢の裂け目  井上ひさし作      栗山民也演出    

                    ※音楽劇風。役者がみな歌がうまい。

7月   フリー・コミティッド   ベッキー・モード作 演出:千葉哲也  (成河)
                   
                    ※また一人、新しい作家を発見できた。

最優秀女優賞:中谷美紀(「黒蜥蜴」における緑川夫人=女賊黒蜥蜴役)

最優秀男優賞:該当者なし



 



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2017年の芝居の回顧

2018-03-16 16:37:49 | 回顧
さて、今年もまた昨年の総括をしなくてはいけない季節となりました。
昨年は22作品を見ました。その中から、特に印象深かったものを挙げてみましょう。
カッコ内は特に光っていた役者さんです。


7月  怪談 牡丹燈籠    三遊亭円朝原作フジノサツコ脚本 森新太郎演出    すみだパークスタジオ倉 (太田緑ロランス、花王おさむ)                                  
                  ※脚本、演出、役者の三拍子そろって圧倒的な迫力!
         
10月 トロイ戦争は終わらない  ジャン・ジロドゥ作     栗山民也演出    新国立劇場中劇場    (一路真輝)      
                  ※いかにもフランス的な?とは言え迫力ある魅力的な大作

    リチャード三世      シェイクスピア作      プルカレーテ演出  東京芸術劇場プレイハウス    
                  ※「リチャード三世」という芝居は、ある意味、楽しんだ者勝ち!
 
    危険な関係        ラクロ原作、ハンプトン作  R.トワイマン演出  シアターコクーン   (鈴木京香)      
                  ※日本趣味な演出はさておき、実に面白い作品

11月 プライムたちの夜     ジョーダン・ハリソン作   宮田慶子演出    新国立劇場小劇場          
                  ※道具立ては変わっても、変わらないのが人間の心

    THE DEAL~取引   マシュー・ウィッテン作   松本祐子演出    シアター711     (田中壮太郎)        
                  ※小さな会場にふさわしい、実によく出来た魅力的な芝居 
   

最優秀女優賞:一路真輝(「トロイ戦争は終わらない」におけるエレーヌ役)  

最優秀男優賞:該当者なし

その他、特に印象に残った役者さんたちは次の通り。

篠山輝信・・・「チック」の主人公の少年マイク役
筑波竜一・・・「斜交」の犯人木原役
柿澤勇人・・・「アテネのタイモン」の若き武将役
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2016年の芝居の回顧

2017-03-20 17:50:22 | 回顧
今年も早3月も半ばを過ぎました。昨年一年間に見た芝居は20コ。諸事情あっていつもより少ないですが、その中から特によかったと思うものを
見た順に挙げていきます。カッコ内は特に光っていた役者さんです。


 6月 「あわれ彼女は娼婦」ジョン・フォード作  栗山民也演出    新国立劇場中劇場 (伊礼彼方・横田栄司・浅野雅博・蒼井優)
                                   
             
10月 「お国と五平」   谷崎潤一郎 作  マキノノゾミ演出    吉祥寺シアター  (七瀬なつみ・石母田史郎)
            ※原作が素晴らしい上に、主演の七瀬なつみが魅力的!選曲のセンスにも拍手。          

    「一人二役」    R.トマ  作   福島三郎演出     シアタークリエ  (大地真央)
            ※これも原作がいい。大地真央はコメディセンス抜群。追っかけるファンの気持ちが分かる。
      
    「治天の君」    古川健  作   日澤雄介 演出     シアタートラム   劇団チョコレートケーキ
            この劇団は初めて知ったが、個性的で骨太で実力派。


厳選の結果、今回はたったの4つになりました。

その他の芝居で印象に残った役者さんたちを挙げましょう。

鈴木亮平 (ライ王のテラス)
鈴木杏  (イニシュマン島のビリー)
立石凉子 (尺には尺を)
周本絵梨香(同上)
石住昭彦 (景清)
橋爪功  (同上)
新納慎也 (スルース)
那須佐代子(ヘンリー四世)










 
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2015年の芝居&オペラの回顧

2016-03-21 20:19:01 | 回顧
ついに関東地方でも桜が咲いてしまった。今年は何とか1月中には書ける、と思っていたのに…。まあこのブログの読者の皆様は
誰も驚きはしないだろうけど…。
さて、昨年は芝居を34こ見た。その中から特によかったものを厳選し、見た順に7つ挙げると、

  2月 ペリクリーズ           シェイクスピア作   本多劇場(加藤健一事務所)鵜山仁演出 

  4月 ウィンズロウ・ボーイ       ラティガン作     新国立劇場       鈴木裕美演出 

  5月 ローゼンクランツとギルデン    ストッパード作    下北沢offoffシアター  鵜山仁演出
     スターンは死んだ
         
     海の夫人             イプセン作      新国立劇場        宮田慶子演出        

  8月 トロイラスとクレシダ       シェイクスピア作   世田谷パブリックシアター 鵜山仁演出 

  10月 ヴェローナの二紳士        シェイクスピア作   さいたま芸術劇場     蜷川幸雄演出

  11月 スポケーンの左手         マクドナー作     シアタートラム      小川絵梨子演出


こうしてみると英国の作品ばかりで、違うのはイプセン1つだけという、評者の好みのはっきり出た結果となった。
演出家では鵜山仁の活躍が目立つが、小川絵梨子、鈴木裕美といった才能ある女性たちの台頭が頼もしい。

特に印象に残った役者を、これまた厳選して挙げると以下の通り。

   那須佐代子(ペリクリーズ、井上ひさし「國語元年」)
   采澤靖起 (「20000ページ」、「白鯨」)
   浅野雅博 (ロゼギル)
   石橋徹郎 (同 上 )
   たかお鷹 (國語元年)
   志田未来 (オレアナ)
   
    

さて、昨年は芝居もさることながら、オペラの収穫が大きかった。しかも8つ見た内、本邦初演が6つ!
これまでオペラの総括はやっていなかったが、どうしてもやらないわけにはいかない。
4つに絞って見た順に挙げると、

    2月 フェラーリ作曲  「シンデレラ」   新国立劇場       … ストーリーも面白く、楽しい。題名役の鈴木慶江が好演。  

    3月 ヴィヴァルディ作曲「メッセ二アの神託」神奈川県立音楽堂   …数々の名アリアに圧倒された。歌手陣も素晴らしいし話も面白い。

    10月 R.シュトラウス作曲「ダナエの愛」   東京文化会館大ホール  … 実に楽しかった。演出が素晴らしい。美術も。

       ペルゴレージ作曲 「オリンピーアデ」 紀尾井ホール    … ストーリーも面白いし、歌手陣が最高!

 
        
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2014年の芝居の回顧

2015-03-26 21:27:38 | 回顧
毎年恒例の記事ですが、今年はついにソメイヨシノに先を越されてしまいました…。

さて、(気を取り直して先に進みます)昨年は23コの芝居をみました。その中から特に印象深かったものを、いつものように時系列で
挙げていきます。

 2月 お気に召すまま      シェイクスピア  高瀬久男演出 文学座…一つ素晴らしいアイディアがあった。生涯忘れられないだろう。  
 3月 アルトナの幽閉者     サルトル     上村聡史演出 ………… 難解だが、演出と役者たちのお陰で実に面白かった。
     幽霊           イプセン     森新太郎演出 ………… いかにも北欧。暗い。だがこれも演出のお陰で見応えがあった。 
 4月 酒と涙とジキルとハイド  三谷幸喜     三谷幸喜演出 ………… バカバカしいけどまた見たい。同じ配役で。 
 5月 錬金術師         ベン・ジョンソン 鈴木勝秀演出 演劇集団円…シェイクスピアと同時代のこの作家の作品を初めてみること
                                        ができた。橋爪功の芸と朴璐美の迫力ある美しさを堪能!
 6月 ビッグ・フェラー     R.ビーン     森新太郎演出 ………… ビーンの作品は「ハーヴェスト」に続き2作目。
 7月 ブレーメンの自由     ファスビンダー  立川三貴演出 演劇集団円 …初めてみたが、作品も演出も素晴らしい。 
 8月 兄おとうと        井上ひさし    鵜山仁演出  ………… にぎやかな芝居。朴勝哲のピアノ伴奏がいい。
 10月 ブレス・オブ・ライフ   D.ヘア      蓬莱竜太演出 ………… 女性2人の芝居。
 11月 紫式部ダイアリー     三谷幸喜     三谷幸喜演出 ………… 同上。三谷さん、ぜひとも後半を書き直して下さい!
     ご臨終          パニッチ     ノゾエ征爾演出 ……… 2人芝居。とにかくユニーク。


☆ 最優秀男優賞  岡本健一…「アルトナの幽閉者」の長男フランツ役

☆ 最優秀女優賞  宮本裕子…「兄おとうと」の女中、窃盗犯、袁世凱の娘、説教強盗、大連のカフェの経営者役



★ その他、特に印象に残った役者たちは次の通り。

 ・吉見一豊(幽霊)
 ・内野聖陽(ビッグ・フェラー)
 ・若村麻由美(ブレス・オブ・ライフ)
 ・長澤まさみ(紫式部ダイアリー)
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