6月13日新国立劇場中劇場で、ウィリアム・サローヤン作「君が人生の時」をみた(演出:宮田慶子)。
舞台はサンフランシスコの波止場の外れにある、安っぽいショーを見せるニックの酒場。様々な事情を抱えた客がやって来ては去ってゆく。
ピアノの名手、ダンサー、港湾労働者、哲学者、警察官、娼婦・・・。若い放浪者ジョーは、いつからかこの店にやって来て毎日朝から晩まで
シャンパンを飲んで過ごす不思議な男だった。彼の弟分となったトムは、客の一人で自称女優の魅惑的な女性キティに恋しているが、想いを
打ち明けられずにいた・・・。
その初日。
とにかく登場人物が多い。少なくとも16人以上(チラシによると25人!)。芝居の本筋に関わりのある人はそのうちの数人だから、話が
どんどん拡散してゆく。それらをうまくまとめるのは至難の技だ。
酒場の主人ニックはカトリック。常連客ジョーはアイルランド出身。後で出てくる女性客もアイルランド人。
娼婦キティ・デュバルはポーランド出身で、本名はカタリーナ・何とかスカヤ。
新聞売りの青年はギリシャ出身、ハーモニカ吹きの男は何とアッシリア人!
このように、移民社会の縮図のような店だ。
今回席が遠く、知ってる役者が何人も出ているはずなのによく分からなかった。
唯一木場勝己だけはすぐに分かった。今までこの人を何度も見てきたが、今回の役が一番よかったように思う。「きらめく星座」などでの
説教臭さもないし。
ピアノ弾き役の人のピアノがうまい。タップダンサー役の人のタップも上等。この二人の演奏と演技は大いに楽しかった。
キティを苦境から救い出すというのが縦糸。
ラストはハッピーエンドだが、謎は謎のまま残るので(たとえばジョーはまだ若いのに働きもせずどうやってありあまるほどの金を得ているのか)、
観客にとっては消化不良な感じ。
ちょっぴり少女漫画チックな話だ。
ある時代のある場所での情景を、そのまま絵として描写したような作品か。
舞台はサンフランシスコの波止場の外れにある、安っぽいショーを見せるニックの酒場。様々な事情を抱えた客がやって来ては去ってゆく。
ピアノの名手、ダンサー、港湾労働者、哲学者、警察官、娼婦・・・。若い放浪者ジョーは、いつからかこの店にやって来て毎日朝から晩まで
シャンパンを飲んで過ごす不思議な男だった。彼の弟分となったトムは、客の一人で自称女優の魅惑的な女性キティに恋しているが、想いを
打ち明けられずにいた・・・。
その初日。
とにかく登場人物が多い。少なくとも16人以上(チラシによると25人!)。芝居の本筋に関わりのある人はそのうちの数人だから、話が
どんどん拡散してゆく。それらをうまくまとめるのは至難の技だ。
酒場の主人ニックはカトリック。常連客ジョーはアイルランド出身。後で出てくる女性客もアイルランド人。
娼婦キティ・デュバルはポーランド出身で、本名はカタリーナ・何とかスカヤ。
新聞売りの青年はギリシャ出身、ハーモニカ吹きの男は何とアッシリア人!
このように、移民社会の縮図のような店だ。
今回席が遠く、知ってる役者が何人も出ているはずなのによく分からなかった。
唯一木場勝己だけはすぐに分かった。今までこの人を何度も見てきたが、今回の役が一番よかったように思う。「きらめく星座」などでの
説教臭さもないし。
ピアノ弾き役の人のピアノがうまい。タップダンサー役の人のタップも上等。この二人の演奏と演技は大いに楽しかった。
キティを苦境から救い出すというのが縦糸。
ラストはハッピーエンドだが、謎は謎のまま残るので(たとえばジョーはまだ若いのに働きもせずどうやってありあまるほどの金を得ているのか)、
観客にとっては消化不良な感じ。
ちょっぴり少女漫画チックな話だ。
ある時代のある場所での情景を、そのまま絵として描写したような作品か。