ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

「尺には尺を」

2014-04-07 21:03:06 | 芝居
2月14日あうるすぽっとで、シェイクスピア作「尺には尺を」をみた(演出:鵜山仁)。

街の風紀の乱れを憂えた公爵は謹厳な部下アンジェロを代理として任命し、外遊と称して姿を消す。期待通りアンジェロは売春を取り締まり、
未婚男女の性交渉を死罪とする法を復活させる。婚約者ジュリエットを妊娠させたクローディオはこの旧法ゆえに死刑を宣告され、見習い
修道女である妹イザベラに助けを求める。イザベラはアンジェロを訪ねて兄の赦免を直訴するが、アンジェロはイザベラに惹かれ、自分に
身を任せれば兄を赦免してやろうと持ちかける。彼女は兄の命のために自分の名誉を投げ出すことはできないと断るが、そのことを兄に
話すと、彼女の予想とはうらはらに、兄はその申し出を受け入れて自分の命を救ってくれと頼む。
神父に変装して密かに街の様子を観察していた公爵は、この時兄妹の激しい言い争いを漏れ聞き、或る策略をイザベラに打ち明ける…。

いわゆるプロブレム・プレイ(問題劇)の代表格。

冒頭に黙劇あり。

アンジェロ役の大場泰正は謹厳で清廉な感じがもっと欲しい。前半の多くのセリフは笑顔で言うべきではない。この人は2009年の「犀」
での熱演が印象的だったが。
イザベラ役の高橋紀恵は美しく、いつもながら清らかな乙女が似合う。熱演。だが次回は、もっとイザベラの年齢に近い人、例えば渋谷はるか
のイザベラが見たい。と言っても滅多に上演されない作品だからいつになることか。しかも高橋さんはこの役をやるのは2度目だというでは
ないか。
エスカラス老人役の人…人間引き際が大事です。この人は好きだが、最近危なっかしくて困る。この日も芝居が止まるかと思った。
演出家はなぜ彼を降板させないのか。お客のことより劇団内の事情?の方が大事なのか。

典獄役の石橋徹郎は声も演技も素晴らしい。

現代の我々には全然面白くないセリフが長々と続く場面がある。そういう繰り返しの部分を大きくカットしてくれれば、2時間ちょっとで
終わったかも知れず、そうすれば評者も大雪の夜、終バスに間に合わないという辛い目に合わなくても済んだだろうに。

この作品は、かつてチーク・バイ・ジャウルという英国の劇団が来日して上演したのを見たのが、ナマで見た唯一の経験。あとはロンドンで
テレビで放送したのを見たのみ。つまり日本人が演じるのを見たのはこれが初めて。

今回は、とにかくキャスティングに難あり。納得行かない。
コメント
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