7月11日東京芸術劇場中ホールで、シェイクスピア作「夏の夜の夢」を観た(劇団プロペラ、演出エドワード・ホール)。
この劇団については前回書いた。
白布で三方を覆ったシンプルな舞台。正面に2階あり。
役者たちは皆ハーモニカを首から提げて、時々合奏したり合唱したり。何せ「夢」だから何でもありだ。よく見ると、みんな眉をおでこの上の方に細長く描いている(前の方の席だったのでよく見えた)。
第1幕第1場でライサンダーが公爵に、ディミトリアスとヘレナのことを暴露すると、イージアスは初耳らしく、驚いてディミトリアスの肩をオイ、とどつく。
ヘレナに駆け落ちのことをしゃべってしまったハーミアは、ライサンダーを見て ”Oh , sorry " と謝る。
どちらも自然で生き生きした演出で好ましい。
第1幕第2場で、クインスに「お前はシスビーだ」と言われたフルートは、ニヤニヤ笑いながら ”Thysby ? or not Thysby ..”するとクインス、相手をじっと見て ”that is the question ? " これには驚いた。ハムレットの独白に引っ掛けたダジャレだが、こんなことをする劇団があろうとは・・・。ダジャレ大好きな野田秀樹新芸術監督の喜ぶ顔が目に浮かぶ。
彼らはとにかく風のように自由奔放だ。
第2幕第1場でパックの相手をする妖精は、大勢がセリフを分担してしゃべる。全員白衣。パックは赤い横縞のタイツ姿。この人はこの前ジェシカをやった人だ。個人的にはこのパック、結構いい線いっていると思う。わざと超スローに動くパックとかはあまり好きじゃない。それにやっぱり太ったパックは困る。スリムで小柄であってほしい。妖精なんだから。
第2幕第2場でライサンダーに言い寄られたヘレナは彼を平手打ち!その後のシーンでは怒りのあまり、突如客席に向かって何語か分からない言語でまくし立てる。
第4幕第1場でボトムがティターニアのそばに横になると、すごいオナラの音が(それも汚い音が)する。直後に彼女の ”How I love thee " というセリフが続くので、客席からは笑いが漏れる。その後すぐオーベロンとパックがやって来て、臭い臭いという仕草。
こういう所、結構品が悪い。
しかし、最後にシーシュース(役の Thomas Padden )がヴァイオリンを手に取り、ブルッフの協奏曲を一くさりやった時には、そのうまさに驚嘆した。この人、十分プロとして通用する腕前だ。テクニックは完璧だし、音が実に美しい。選曲も気が利いている。
とにかく、次に何が飛び出すか分からない劇団だ。
劇中劇のシーンは残念ながら長過ぎるし退屈。あんなに引き伸ばす必要があるだろうか。
短剣の代わりに、あれは何と言うのか、トイレが詰まった時にパッコン!とやるプラスチックの棒を使っていた。
「ヴェニス・・」も「夢」も、幸い前方中央付近のいい席で観ることができたので最高に楽しかったが、次にこういう劇団を呼ぶ時は、是非とも字幕をつけていただきたい。今時字幕もつけないで、その代わりにイヤホンガイドだなんて、あんまりだ。
この劇団については前回書いた。
白布で三方を覆ったシンプルな舞台。正面に2階あり。
役者たちは皆ハーモニカを首から提げて、時々合奏したり合唱したり。何せ「夢」だから何でもありだ。よく見ると、みんな眉をおでこの上の方に細長く描いている(前の方の席だったのでよく見えた)。
第1幕第1場でライサンダーが公爵に、ディミトリアスとヘレナのことを暴露すると、イージアスは初耳らしく、驚いてディミトリアスの肩をオイ、とどつく。
ヘレナに駆け落ちのことをしゃべってしまったハーミアは、ライサンダーを見て ”Oh , sorry " と謝る。
どちらも自然で生き生きした演出で好ましい。
第1幕第2場で、クインスに「お前はシスビーだ」と言われたフルートは、ニヤニヤ笑いながら ”Thysby ? or not Thysby ..”するとクインス、相手をじっと見て ”that is the question ? " これには驚いた。ハムレットの独白に引っ掛けたダジャレだが、こんなことをする劇団があろうとは・・・。ダジャレ大好きな野田秀樹新芸術監督の喜ぶ顔が目に浮かぶ。
彼らはとにかく風のように自由奔放だ。
第2幕第1場でパックの相手をする妖精は、大勢がセリフを分担してしゃべる。全員白衣。パックは赤い横縞のタイツ姿。この人はこの前ジェシカをやった人だ。個人的にはこのパック、結構いい線いっていると思う。わざと超スローに動くパックとかはあまり好きじゃない。それにやっぱり太ったパックは困る。スリムで小柄であってほしい。妖精なんだから。
第2幕第2場でライサンダーに言い寄られたヘレナは彼を平手打ち!その後のシーンでは怒りのあまり、突如客席に向かって何語か分からない言語でまくし立てる。
第4幕第1場でボトムがティターニアのそばに横になると、すごいオナラの音が(それも汚い音が)する。直後に彼女の ”How I love thee " というセリフが続くので、客席からは笑いが漏れる。その後すぐオーベロンとパックがやって来て、臭い臭いという仕草。
こういう所、結構品が悪い。
しかし、最後にシーシュース(役の Thomas Padden )がヴァイオリンを手に取り、ブルッフの協奏曲を一くさりやった時には、そのうまさに驚嘆した。この人、十分プロとして通用する腕前だ。テクニックは完璧だし、音が実に美しい。選曲も気が利いている。
とにかく、次に何が飛び出すか分からない劇団だ。
劇中劇のシーンは残念ながら長過ぎるし退屈。あんなに引き伸ばす必要があるだろうか。
短剣の代わりに、あれは何と言うのか、トイレが詰まった時にパッコン!とやるプラスチックの棒を使っていた。
「ヴェニス・・」も「夢」も、幸い前方中央付近のいい席で観ることができたので最高に楽しかったが、次にこういう劇団を呼ぶ時は、是非とも字幕をつけていただきたい。今時字幕もつけないで、その代わりにイヤホンガイドだなんて、あんまりだ。