ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

三谷幸喜作「酒と涙とジキルとハイド」

2014-06-16 18:28:03 | 芝居
4月8日東京芸術劇場プレイハウスで、三谷幸喜作「酒と涙とジキルとハイド」をみた(演出:三谷幸喜、プレヴュー公演)。

タイトルからも明らかなように、スティーヴンソンの「ジキル博士とハイド氏」を元に三谷幸喜が書いた最新作。

19世紀末のロンドン。ジキル博士が開発した新薬は、人間を善悪二つの人格に分ける画期的な薬、のはずだった。
それを飲んだジキル博士は、別人格のハイド氏に変身する、はずだった。
学会発表を明日に控え、薬が全く効かないことに気づいたジキル博士。
追い詰められた末の起死回生の策とは?

期待しないで行ったら、これがまことに面白かった。実質この日が初日なのに、そして役者と音楽家との細かい連携プレイが要求される
芝居なのに、既に完璧なまでに練られていた。
何よりシチュエーションコメディとしての脚本が冴えている。

わらにもすがりたい博士は奇策を思いつき、無名の役者(藤井隆)に目をつける。
助手(迫田孝也)がまず彼に「反復横跳びできます?」と聞く。唐突だ。なぜここで反復横跳びが出てくる?もちろん後でその理由は明らか
になるが、その時思い返すとおかしい。バカバカしいけど、とにかく文句なくおかしい。
助手が「解毒剤」を差し出すタイミングも素晴らしい。

ジキル博士役の片岡愛之助は美貌と美声を併せ持つが、女性に対して不器用で無骨な男にはとても見えないところが難点。まあ無いものねだり
ですが…。

助手役の迫田孝也はいい味を出している。チラシではチョイ役みたいな扱いだが、この役は非常に重要。

博士の婚約者役の優香は可愛らしい。この役も女優にとってやり甲斐のある役だ。


コメント
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