先日、NHKでオンエアされたのを録画してあったものだが、一見してそのあまりの美しく鮮やかな画質は驚愕した。おそらくブルーレイ用にレストアされたソースを使って放送されたのだろうが、冒頭の微動だにしないクレジットの安定したノイズレスな画像でオヤっとしたと思ったら、その後に展開される巴里の風景のカラフルさには瞠目した。この作品はもともとの色彩設計も良さは映画史でも有名だが、それにしたって、本作は1951年の公開、日本で云ったら昭和26年、第一作「ゴジラ」の3年も前の作品になるのに、まるで昨日公開されたよう鮮度感があり、「一体、これはなんなのだ!」という感じである。
MGMのミュージカルというと、私はV.ミネリの物量主義より、もっとフットワークが軽く都会調で作られたスタンリー・ドーネンの作品の方が好きだったから、本作も「派手で威勢はいいが退屈」というイメージがあったのだが、あまりに鮮やかな画面のレストア効果で、思わず最後まで観てしまったという感じだ。なにしろ、公開当時の映画館でこんな美麗な画面が再現されていたのだろうか?。と一瞬疑いたくなるようなカラフルで生き生きとした色彩感は圧巻だし(私がこれを観たのはかれこれ30年前とある名画座だったが、こんな目が覚めるようなものではなく、時代がかったくたびれ感があった)、ジーン・ケリーの顔の傷とか、セットの作り込みなどなど、実に細部までよくわかる精細感も驚異としかいいようがないものだった。
現在、アメリカではこれと同様にHD用(ブレーレイ・ディスク用といってもいいかもしれない)に次々と歴史的名画をレストアしていて、その中ではやはりNHKでオンエアされたヒッチコックの「北北西に進路を取れ」などでもその鮮やかさなレストアには驚いたものだが、本作は間違いなくそれ以上の素晴らしい仕上がりである。先日、ブルーレイ用にレストアされた「海底軍艦」の映像を観てところ、全くDVDと変わらない画質にがっかりしたものだが、そんなところにも、映画というメディアに対する改日米の文化観そして、技術の差を思い知らされてしまったというところだろうか。
MGMのミュージカルというと、私はV.ミネリの物量主義より、もっとフットワークが軽く都会調で作られたスタンリー・ドーネンの作品の方が好きだったから、本作も「派手で威勢はいいが退屈」というイメージがあったのだが、あまりに鮮やかな画面のレストア効果で、思わず最後まで観てしまったという感じだ。なにしろ、公開当時の映画館でこんな美麗な画面が再現されていたのだろうか?。と一瞬疑いたくなるようなカラフルで生き生きとした色彩感は圧巻だし(私がこれを観たのはかれこれ30年前とある名画座だったが、こんな目が覚めるようなものではなく、時代がかったくたびれ感があった)、ジーン・ケリーの顔の傷とか、セットの作り込みなどなど、実に細部までよくわかる精細感も驚異としかいいようがないものだった。
現在、アメリカではこれと同様にHD用(ブレーレイ・ディスク用といってもいいかもしれない)に次々と歴史的名画をレストアしていて、その中ではやはりNHKでオンエアされたヒッチコックの「北北西に進路を取れ」などでもその鮮やかさなレストアには驚いたものだが、本作は間違いなくそれ以上の素晴らしい仕上がりである。先日、ブルーレイ用にレストアされた「海底軍艦」の映像を観てところ、全くDVDと変わらない画質にがっかりしたものだが、そんなところにも、映画というメディアに対する改日米の文化観そして、技術の差を思い知らされてしまったというところだろうか。