呪い請け負い屋・３

呪い請け負い屋・３


春井さんは、余程悔しかったのだろう、

両手で顔を覆いながら泣いている・・・。


透明「(う～ん・・・このままじゃマズイな

　　　身体から穢れが外に漏れ出している

　　　余程、辛い想いを募らせているんだろう・・・。)」


しばらくして・・・。


透明「大丈夫」

春井「・・・はい・・ごめんなさい・・・」

透明「余程、悔しい思いをしたんだね

　　　ただ申し訳ないけど、呪うというのは

　　　出来ないかな」

春井「えっ先生では呪えないってことですか」


おっとそう来たか

このままだと、他の怪しげな場所に

行ってしまいそうだなぁ～


透明「いや人を呪うことはできるんだけど

　　　春井さんの今の願いでは難しいってこと」

春井「ど、どういうことですか」

透明「だって春井さん、その友達のこと

　　　まだ信用してるでしょ」

春井「」


春井さんの友達に対する固執ぶりを見ればわかる

彼氏を取られたことや指輪を取られたことへの

恨みよりも、自分を裏切った行動に対しての

悲しみの方が強いように見受けられる・・・。

こういう場合、本質的には相手に反省してもらいたい

という感情をはらんでいて、春井さんのような

素直な子は、相手が反省し言い訳をすれば

許してしまう傾向が強い

つまり、呪いにより相手を追い詰めれば

自分へ助けを求めてくる・・・反省してくれる

と考えているのだと内心では思っているのだろう


春井「そ、そんなことは無いです

　　　私は・・・相手に・・・死んで・・・。」

透明「ふむっ・・・相手を呪い殺したいほど

　　　憎んでいると」

春井「・・・は、はい」

透明「(やれやれ本質をついてしまったせいで

　　　逆に頑なになってしまったか

　　　・・・仕方がない・・・。)」



　　　　　　　　続く・・・。

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