オフの日４ー７

オフの日４ー７



台本に書かれた物語には、平安の世を舞台に

幻想的な世界観が広がっていた

国を支える陰陽師集団の中、一人の若き陰陽師が

国の一大事件を解決し、お姫様との距離を

縮めてゆく・・・。

ラストは、二人の中を引き裂かれた若き陰陽師が

姫を想い果ててゆく、何とも悲しいストーリー

となっていた


透明「でも・・・確かに、気持ち悪い描写が多いですね～」

坂戸「台本自体は悪くなかったのですけど、

　　　どうも陰陽師が解決して行く事件などは、

　　　生々しいものが多くて・・・」

タイ「この脚本家は、変態だな　うん」

透明「・・・。」

坂戸「・・・。」


タイさん・・・それで片付けますか・・・


透明「う～ん・・・。」


パッと見、特に問題はないような・・・んっ



透明「こ、これって」

坂戸「」

タイ「どうした」

透明「・・・・・・やっぱり」

タイ「」

坂戸「」

透明「ようやくわかりましたよ

　　　全ての原因が」

タイ「本当か」

透明「はい　一度舞台にもどりましょう」


私達は、台本をもって舞台に戻る・・・。


タイ「どういうことなんだ」

透明「タイさん　この台本の、ここの台詞を口に出して

　　　読んでみて」

タイ「はあ　ま、まあいいや　う、うん」


タイさんその気になってる・・・ぷぷっ


泰蔵さんは、私の指示した台詞を声を出して読む

その声は、劇場の音響と反応して共鳴してゆく

読み終えたタイさんは、どうだ

っと言わんばかりに満足げだ


タイ「まっ　こんなもんかな」

透明「ぷっ」

坂戸「うっ」

タイ「お、お前ら今笑った」

透明「それじゃ～次に、坂戸さん

　　　この後の台詞読んでみて」

タイ「お、おま・・・きけ」


タイさんは置いておいて

坂戸さんは、言われるまま台詞を読む

その声も音響効果で響きわたる・・・。


透明「来るぞ」


「カリカリカリカリ

　　　　　　　ム～～～ッ」


私の頭が割れんばかりに、鼓膜を刺激する音が

こだまする


透明「やっぱりお前か」

？？「ム～～～ッ」

タイ「」

坂戸「」

タイ「と、透明　だ、大丈夫か」

透明「あっ　ごめんそうだよね

　　　タイさん　ちょっといいかな」


私はタイさんを連れて舞台の裏へ・・・。


透明「タイさん　深呼吸して、よ～くここを

　　　目を細めて見てて」

タイ「お、おう」


泰蔵さんは、深呼吸しながら目を細めている・・・。


透明「六羽(むう)」

タイ「んっんんんんんっ

　　　な、なんだこりゃ」



泰蔵さんの見たモノとは・・・。





　　　　　　　　　　　続く・・・。

　　　



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