

薄っすらと月明かりに照らされた
霊達は、山路さんと三郎に微笑みかける

山路「よ、よしこ・・・けいた・・・なのか

二人は少し頷いたように視える・・・。
山路「よしこ~けいた~


・・・ごめんな~・・・。
一緒に・・・いて・・・やれなくて・・・

今まで影だった霊たちは、少しずつ
自由を取り戻し、山路さんに近づく

よしこ「・・・あなた

けいた「・・お・・とうさん・・・。」
山路「けいた~・・・よしこ~・・・

二人はその場で泣き崩れている山路さんを
愛おしく抱えるように重なっている

よしこ「・・・よかった・・・。」
山路「

けいた「おとうさん・・・会いたかったよ・・・。」
山路「お前たち・・・と・・うさ・・ん・・・
一人だけ・・・生き残って・・・ごめんな

よしこ「あなたが・・・無事で・・よかった

けいた「・・・心配・・・したよ

自然結界に囚われ、成仏もできなかった二人は
さぞ苦しかったはずなのに・・・。
そんな苦しみよりも山路さんのことを心配していたなんて

透明「なんて・・・深い愛情なんだろう・・・

そんな三人の元に、三郎がヨタヨタと近づく


三郎「く~~~ん


けいたくんの側で、顔を見上げる三郎・・・。
けいた「三郎・・・おとうさんを・・守ってくれて
ありがとう

そう言うと、けいたくんの手が三郎の頭を撫でる

実際には触れることができないはずの霊体だが、
後ろで出口くんが印を組んだままなところをみると
少しだけ感触が残るようにと配慮してくれているのだろう・・・。
三郎「わふっ



三郎の嬉しそうな顔を見ていると、自然と涙が溢れる

出口「・・・ごめんね・・・そろそろ

出口くんが呼んでくれたのだろう・・・。
玄関に眩い光に包まれた二人の守護霊様が迎えにきている

よしこ「・・・あなた・・・元気でいてね

山路「よしこ


けいた「おとうさん・・・ありがとう・・・。
三郎・・・おとうさんのこと頼むね

山路「けいた


おいていかないでくれ~

三郎「わふっ


透明「山じいさん・・・二人をちゃんと
おくってあげて・・・・

私は、山路さんの肩に手を置く・・・。
山路「あんちゃん


ありがとう

二人は山路さんと三郎に微笑みかけながら
玄関に進む・・・。
山路「・・・よしこ



お前たちの分まで、ここを守っていくからな

だから・・・また、帰ってきてくれ

お前たちがいてくれて・・・家族になってくれて

本当に・・俺は・・幸せ者だったよ

よしこ~


達者でなぁ~~~

三郎「わおおぉぉぉぉぉぉぉぉん


三郎の最後の歌が月夜に響き二人の霊たちは
あるべき場所へと導かれてゆく・・・。
残された私達には、少しだけ月明かりが眩しく感じていた

続く・・・。







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