



ベスの呼吸が弱い

歳をとっているベスには、あまりにも
身体への負担が大きすぎたんだ

怨霊に当てられた状態では、生きることを
あきらめたらそこで終わってしまう

私は、ありったけの気力をベスに注ぎ込む

透明「ベス


大丈夫


ベス



段々と呼吸が浅くなってゆく

「・・・トクン・・・トクン・・・。」
ベス「(・・・ありがとう


透明「ベス



「・・・トクン・・・・・・・・・トクン・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
・・・脈が

透明「・・・・・

チビ「にゃ~っ

「・・・・・・・・・トクン

透明「

今、確かにチビ助の声がした

チビ「にゃ~~~っ


チビ助の声

聞こえてくる

チビ助の本能なのだろうか

ベスの危険に反応したのか

チビ助は、今までにないくらいの大きな声で
鳴いている


まるで、ベスを呼んでるように・・・

「トクン・・トクン・トクン

透明「


・・・・・よかった

助かった・・・

私は、心の底からホッとしていた

透明「ベス、ありがとう

何とかするから、そこで休んでいて

くるりと身を翻し、私は母猫にズンズン近づいてゆく





母猫「シ、シャ~ッ

透明「もうわかったでしょ



母猫「・・・・・・・。」
透明「怖いめにあったこと、子供を守りたい気持ち、
憎しみ、悲しみ、全て私が受け止めてあげる

だから、もう憎むべき相手と同じ過ちをお前が
起こしてはいけないよ

だからおいで、私が送ってあげる

母猫「・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・私の子・・・・・・
・・・・・・・・・幸せ・・・・・・

透明「



母猫「・・・・・よかった・・・・・・。」
母猫から、怨念が剥がれてゆく

私の目の前には猫叉はもういない・・・。
光輝く優しげな一匹の母猫がいるだけだ


母猫は、ベスの側まで行き、身体をすりあわせ
私の膝に乗る

ベスにチビ助を託したのだろう

私は、母猫を優しく撫でながら経を読み
本来の居場所へと送り返した

透明「お、終わった~~~~っ


よかった・・・みんな無事で


さすがに、もうダメ

私は、気が抜けたのか

輝く月を眺めながら想う

母の想いはきっと、託された者、残された者に
届くだろう

私は、動物達の絆と深い愛情に救われた気が
していた・・・。
次の日・・・急遽、鑑定お休み

透明「う~~~ん・・・う~~~ん・・・


小さいが無数の傷が炎症

お友達のお布団さんにくるまりながら
熱にうなされる透明先生なのでした・・・


透明「にゃ~~~~っ


完
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