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とつぜんコラム №196 これからの労働組合

 毎日、寒い日が続いている。この寒さが去れば春だ。待ち遠しいことだ。春といえば、労働者にとっては春闘の季節だ。小生も、以前いた会社では労働組合の副委員長の経験もある。いつの春闘だったかな。阪神大震災の前だから、もう20年以上昔のことだ。6月になっても妥結しない超ロングランの春闘をしたことがあった。
 今の会社にも労働組合はある。小生は契約社員となったので組合員ではなくなったが。
 労働組合。このブログをご覧の諸賢で組合員はどれぐらいおられるだろうか。たぶん、たいへんに少ないのではないか。労働組合の組織率。全労働者の中で組合員の占める割合は年々減少している。2017年の統計では組織率は17.1パーセント。ここ6年連続で組織率過去最低を更新している。つまり、組織された労働者は100人中17人しかいないわけ。あとの労働者は組織されていない一匹狼なわけだ。もし、なにかあって会社と事を構えなければならなくなっても、1人で会社と対峙しなければならない。
 ことほど左様に労働組合というものは、希薄な存在となっているわけ。だいたいが、首相が連合をさしおいて、自ら経団連あたりに賃上げを要求する。労働者の賃金を上げること。それは労働組合の最も大切な仕事ではないのか。まったく、労働組合の面目まるつぶれではないのか。このようなことは、ここ数年続いている。今度から、連合がいち早く経団連に要求を出すべきだと思う。
 なぜ、かように労働組合の影が薄くなったのか。労働環境が大きく変わったのが要因ではないだろうか。
 非正規従業員の増加も大きな要因である。そして、終身雇用制の崩壊が大きい。昔は、いったん会社に就職すると、定年までその会社に勤務していた。労働者の一生で勤める会社は一社。1つの会社しか知らないで会社員人生を終わる人がほとんであった。
 それが今はそんなことはない。複数の会社に勤務する人は決してめずらしくない。かくいう小生は今の会社で13社目である。
 今の日本の労働組合は会社単位である。日教組などの例外もあるが、ほとんどの日本の労働組合は、会社ごとに労働組合があって、その会社に入社すれば、その会社の組合に入ることになる。この会社の組合は気に食わないからといって、隣の会社の組合には入れない。
 1つの会社にずっと在籍するのではなく、会社を変わる。こういう状況においては、会社単位の労働組合に入る意味があまり無いのは理解できる。
 現代の労働者は労働組合をさして必要と思わなくなったということだ。しかし、労働組合は必要なモノである。例えば時間外に労働する場合、経営者は労働者の代表と3-6協定というモノを結ばなければならない。労働組合かあるいはそれに替わる組織がなければ、労働者に時間外労働をさせることは労基法違反である。
 労働者にとって必要欠くべからざる組合。日本の労働組合も、会社単位ではなく、西欧のような職種単位の組合に変革しなければいけないだろう。経理ばかり、営業ばかり、溶接工ばかり、販売員ばかり、そういう労働組合がこれからは必要となる。
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