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10月21日(火) 2008年の阪神タイガース

 2008年の阪神タイガースの戦いは終わった。82勝59敗3分、勝率5割8分、セリーグ2位、クライマックスシリーズ1勝2敗。
 立派な成績である。前半はだんとつの独走で首位を快走。優勝まちがいなしと思われたが、後半失速して巨人に抜かれて惜しくも2位。
 阪神ファンの各位におかれては、慙愧の念に絶えがたく、失意の日々を送っておられるムキもおられるだろう。しかし、抜きつ抜かれての大混戦のペナントレースの末の2位であったとしても2位。2位は2位、変わりはない。
 小生の知人の知人に、熱狂的な阪神ファンがいて、阪神が負けると、非常に機嫌が悪くなり、荒れて手がつけられない。ひどい時には奥方に暴力を振るったりもするとのこと。このご仁などは、今年はどうしているだろう。
 小生も長年の阪神ファンだが、不思議と悔しさはない。残念ではあるが悔しくはない。それどころか充分に阪神タイガースを楽しませてもらったという満足感がある。考えてもらいたい、阪神タイガースが144勝0敗で優勝したとしたら面白いだろうか、楽しいだろうか。阪神タイガースが、V9時代のような巨人みたいな常勝球団になれば、面白いだろうか、楽しいだろうか。少なくとも、阪神タイガースがそんな球団になれば小生は阪神ファンをやめる。勝ちがあれば負けがある。たまたま今年の阪神は前半に勝ちをまとめすぎただけ。
 阪神タイガースの応援は、しょせんは娯楽、楽しみごと。快楽を求めて阪神タイガースの応援をするのだ。阪神が負ければ苦痛に感じる人は、何を求めて阪神ファンをやっているのだ。今年は59回も苦痛を感じたわけだ。これでは娯楽としての阪神応援とはいえない。本末転倒である。
 それはさておき2008年の阪神タイガースだ。これはもう、阪神のヨナの上をオリンピックが通った、としかいいようがない。
 北京オリンピックの前と後では、全く別のチームとしかいいようがない。新井、矢野、藤川の3名が抜けただけだが、阪神のこうむった被害は甚大であった。阪神の選手層は厚いといわれるが、1軍のレギュラーというような、頂点のプロで構成する組織の場合、精巧に組み立てられたジグソーパズルである。そこから、重要なピースを三つも抜かれたら全体のバランスが狂うのは当然である。その証拠に広島、オリックスとオリンピックに一人も派遣していないチームが後半、健闘している。オリンピックに選手を出しているのは阪神だけではない、といわれるかも知れないが、それぞれの選手のそれぞれのチームにおける立場が、それぞれ違うから一概に条件は同じとはいえない。

 投手たち
 投手に関しては、先発陣は2007年より全体的な底上げはなったのではないか。下柳は安定して頼りになった。そして、安藤の復活と岩田の台頭が大きい。去年活躍した上園は、小生は今年はあまり期待していなかった。新人の2年目のジンクスというやつだろう。福原は阪神のピッチャーの中で小生の好きなピッチャーだが、不幸なケガに泣いた1年だった。来年の捲土重来を期待したい。杉山、能見、小嶋たちの奮起を期待する。金村暁だが、とうとう1勝もしなかった。FAの横浜三浦、ロッテ清水の獲得を目指しているらしいが、もし、どちらか一人でも阪神に来れば、不要な投手だろう。先発ピッチャー不足の横浜と吉村あたりとのトレードというのでどうだろう。
 リリーフ陣は、JFKの威光が昨年よりかげってきた。藤川は防御率零点台で、文句をつければバチが当たるが、藤川の魅力である高めのストレートで空振りを取るというシーンが減って、フォークボールなどの変化球が多くなった。これは彼の投手生命ということを考えれば、いたしかたなきことと理解してやる必要がある。
 久保田は投げすぎ。あれだけ投げてれば打たれもする。少しは休め。ピッチャーのくせに金本のマネをするんじゃないの。できたら先発に転向した方がいいのでは。
 
 野手たち
 野手は、去年の病気が、今年の後半に再発した。「あと1本が出えへん」病である。ランナーを出すが、それをよう返すことができない。塁にでるのが仕事の赤星はちゃんと仕事をした。3割で盗塁王こそヤクルトの福地に譲ったが、盗塁も41個している。後半はこの赤星を返すことができなかった。昨日も赤星が3塁まで行ったのに得点にならなかった。
 野球は投手しだいといわれるが、点取りゲームである。いくら投手が零点に抑えても、点を取らなければ勝てない。引き分けに持ち込むのが精一杯。そして、点を取るにはホームラン以外は、相手がミスをしなければ、複数の安打が必要。3アウト以内で、最低二人の打者が打たなければ点は入らない。一人のストライカーのシュートで点が入るサッカーと違うのである。いくら3割バッターでも一人ではチームを勝利に導けない。イチローがいるマリナーズは決して強くない。首位打者内川のいる横浜が最下位。
 塁にランナーがいる。ここで打ったら点が入る。で、確実に打てる。今年の阪神の前半は、新井が金本が打っていた。関本、矢野たちも「必死のパッチ」で打っていた。では、後半、なぜ打てなくなったのか。結局は精神的なもんとしかいいようがない。新井にしても金本にしても、前半と後半は同一人物である。新井はケガをしたが、両名ともバッティングの技術は同じはず。この両名だけではない。新代打の神様桧山、前半良い仕事をした葛城、高橋も同一人物である。
 こんなことはいいたくないが、「油断」があったのではないか。13ゲーム差という大きなリードをしていて、ホッとした瞬間、巨人が一気に背後に付き、あとは背後霊の如くぴったりくっつき、阪神の優勝を脅かす。そして10月8日、暗殺者のように阪神の急所をグサリ。だれもいわないが、今年の後半の巨人は、2006年の中日にとっての阪神以上に、阪神の選手は恐かったのではないだろうか。
 野球はやっぱりメンタルなスポーツである。

 外人たち
 JFKの一角ウィリアムス。36歳。さすがに歳だといわざるを得ない。かっては左バッターはかすりもしなかった、ジェフの対角線に飛んで来るボールをしばしば打たれるようになった。球速は変わらないが、やはり年齢だろう。リリーフ陣のリーダーたるジェフの不調が渡辺、久保田、江草たちに伝染した思われるところもある。とはいえ、今の阪神タイガースの功労者の一人、あと1、2年やってなんらかの形で阪神に残ってもらいたい。
 ボーグルソン。あれだけ良い球があるのにもったいない。5回までピッチャー。他の国内球団が興味を示している様子。敵にまわすとこわい。先発なら5回まで限定。中継ぎに転向させたらどうか。
 リーソップ。藤川の代役なんかできるはずがない。先発も?ご苦労様でした。
 アッチソン。適材適所とはこういう。後半、苦しい中どれだけ助けられたか。アッチソンがいたからリーソップはいらなかったのでは。来年もお願いしますよ。ジェフの引退も近い。いまのところ、ジェフの後継者の候補№1。
 バルディリス。将来が非常に楽しみ。守備はいうことなし。あの守備がある限り長い眼で見てやって欲しい。バッティングもきっと良くなる。来年も楽しみにしている。ぜひがんばって欲しい。
 あと、だれがいたかな。う~ん。思いだせん。もう一人、ぬらりひょんみたいな外人野手がいたけど、だれやったかな。

 雫石鉄也が選ぶ今年のMVP
 投手=江草仁貴
 なんで江草やねん、という人も多いだろう。安藤、下柳、岩田、藤川をさしおいて江草!確かに勝利に貢献といえば安藤たち4人だろう。しかし、先発が2回でKO、だれ出そ、江草。6回2点リードされとる、逆転するかもしれん、だれ出そ、江草。8回5点リードされとる、だれ出そ、太陽はファームや、だれ出そ、江草。困ったら江草。これだけチームに貢献した投手は他におるやろか。
 野手=関本賢太郎
 新井オリンピック、骨折、今岡不調、平野負傷。どれだけ関本に助けられたことか。1塁2塁3塁内野ならどこでも守れる器用さ。一番四番以外どの打順でもOK。ホームランも打つしバンドの名手でもある。阪神プロパーたたき上げの選手。赤星の次の選手会長か。

 最後に岡田監督へ
 5年間どうもご苦労様でした。このブログでこの感謝の言葉を何度もいいましたが、なんどでもいいます。
 JFKを構築し、金本を4番にすえ、鳥谷を育て、関本を育て、今の阪神タイガースを作ったのは、岡田さん、あなたです。野村でも星野でもありません。岡田さん、あなたです。
 岡田さんは本当に選手想いの監督さんだった。それは、きのうのラストゲーム敗戦のあとの胴上げに現れています。
 敗戦投手の藤川にいったそうですね。
「お前で打たれてよかったよ。なあ球児、お前で終われて良かったよ・・・」
 この言葉に涙しない阪神ファンがいるでしょうか。少なくとも小生はホロッとしました。岡田さんは阪神タイガースの監督やなあ。岡田さんは心から阪神を愛していたのだなあ。
 岡田彰布監督。名監督であった。拍手。
 
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