トシの旅

小さな旅で学んだことや感じたことを、
まとめるつもりで綴っています。

鯉のぼりが泳ぐ商店街

2012年05月10日 | 日記
”屋根より 高い鯉のぼり”と、
歌われていますが・・・。

屋根より低い商店街のアーケードの下に、
多くの鯉のぼりが泳いでいます。
「つり下げられている」という方が、
正しいとは思いますが・・。

岡山市街地の表町商店街の中心部にある旧栄町商店街です。

旧栄町商店街を含む一続きの商店街は、
昭和45(1970)年の住居表示の実施に伴い、
表町商店街と名を変えましたが、
その起源は、400年以上さかのぼる伝統ある商店街です。
以前は、「表八ヶ町」、すなわち上之町、中之町、下之町、栄町、
紙屋町、西大寺町、新西大寺町と天瀬と呼ばれる商店街でした。

戦国武将の宇喜多直家が、岡山に出て城下町づくりに
着手したのは、天正元(1573)年のことでした。

城下町づくりにあたり、宇喜多直家は、
幼少の時に身を寄せていた、
備前福岡(瀬戸内市長船町福岡)の商人である阿部善定の手代、
源六を呼び寄せ、現在の天満屋デパートがあるあたりに、
土地を与え住まわせました。
源六は、そこで、    
魚屋九郎衛門と名乗り、呉服商を営みました。

ちなみに、「備前福岡」は、歴史の教科書に載っていた
「一遍上人絵伝」にあった「福岡の市」の福岡です。
この当時、福岡から移ってきた商人が住む「福岡町」は、
「上之町」「中之町」「下之町」の三ヶ町に分かれていました。

その後、
山陽道が現在の表町商店街を通り抜けるようになってからは、
旧栄町は、町内は町会所や本陣がおかれるなど、
商人町の中心として栄えました。

下から見上げると、泳いでいる鯉のぼりの裏には、
名前が書かれていることに気がつきました。

これまで、表町商店街は天満屋デパートと一体となって、
多くのお客さんを集めてきた、岡山市街地最大の商店街でした。

しかし、表町商店街は、これまでも
岡山駅前エリヤの商店街など新らしい商店街との競争を、
続けてきました。

最近、
倉敷駅北側の旧チボリ公園跡地に出店したアウトレットモールは、
岡山市からも多くの買い物客を集めるようになっています。
また、岡山駅に隣接している旧林原駐車場には、今後、
イオンモールが開業することになっているようです。

老舗の表町商店街は、これまで以上の強力なライバルとの競争に
さらされることになります。
それを見越して、核になっている天満屋デパートは
増床工事を始めることを決めているようです。

表町を愛する人たちのためにも、
この鯉のぼりのように、創意工夫を重ねて、
賑わいにある商店街を維持していってほしいと願っています。