覚悟

今朝はお宮参りに行きましたが、ちらほらと勘違いをした桜が咲いていました。
花の盛りの時には葉桜になってしまっているのでしょうか。

人も偉そうなことはいえません。
流れを正確に読むことなどできはしません。
流れに任せきればいいいのですが、下手に自分の都合で流れを読もうとするから、間違います。

どれだけ鍛錬を重ねたプロのスポーツ選手でも、調子の波があります。
調子のいいときはすることなすこと上手くいきますが、調子の悪いときはあがけばあがくほどドツボに嵌ります。
商売でもそうですし、人との関係においても、スルスル上手くいくときもあれば、なにから何まで引っかかることもあります。
人ができることは、調子が悪いときをどう過ごすかなのでしょう。

ぼくが思うに、調子が悪いと感じたときは、とにかくジタバタしないことです。
来るべき不幸は何でもかんでも背負ってやると覚悟を決めることです。
最低を覚悟すれば、それ以上の不幸というのはありえません。
不思議なことに、覚悟を決めると、不幸はあれやこれやで去っていきます。
小手先で覚悟を決めるのではいけません。
本当に心の底から覚悟を決めるのです。
覚悟を決めた人間には、そうそう悪霊も付け入ることはできません。

「自分」が生きようとすれば、「自分」が己の責任で何でもかんでもしなければいけない。
「自分」が生かされようとすれば、すべてを委ねて目の前のすべきことを着実にこなしていく。
生きようとするよりも、生かされようとしたほうが、よほど楽です。
他人よりも先んじて咲く花を褒める人はそう多くはありません。
咲くべきときに、思い切り咲けばいいことです。

「咲くべきとき」を知るためには、「自分」の都合をブン投げるしかありません。
「自分」の都合に捉われてしまったら、「べきとき」などという摂理は無効になります。

覚悟を決めて、堂々と咲き、思いきり散る。
覚悟を決めるというのは、美学です。
生存に執着するのは、本能です。
どちらも強烈な磁力があります。
どちらがどうという比較ができる話ではありません。
ただ、美学というのは、おそらくは人だけに許された世界の広がりではあるでしょう。

美学に陶酔しきってしまうのも阿呆でしょうし、生存だけに汲々とするのも阿呆でしょう。
さて、みなさんはどこに己の生を打ち立てるのでしょうか。