風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

ブロークバック・マウンテン

2006年04月15日 | 雑感
なんか雨がざあざあ降っています。
しばらくお日様を拝んでいないような気がします。

一月以上前にロンドンのオークションで落札した商品がまだ届きません。
先方の手続きに手間取り、何度もEメールのやり取りをして、どうやらようやく来週には届きそうですが。
物事の推移に何かの弾みで引っ掛かりができると、次から次へと引っかかり続けるということがあります。
そういう時に限って、同時進行で他の事柄でもつまらないことで引っ掛かりが次々と発生するということも重なります。
このところ、そういう状況でした。
でも、ようやく一段落つきそうな気配が見えてきて、一安心しているところです。

さて、しばらくブログを書くのをやめていましたが、特別な理由はないです。
なんとなく書く気がしなくなっていました。
それでというわけでもないんですが、映画をたくさん観ていました。

「ショコラ」
「8マイル」
「ブロークバック・マウンテン」

他にも数本見ましたが、記憶に強く残ったのが上記3本です。

それぞれの作品について解説めいたものを書きたい気もするのですが、止めときます。
まだ見ていない人もいるでしょうから。

最近の映画の見方はこうです。
まずコンビニで缶のウイスキー水割りを二本と柿の種一袋を買います。
ビールだとどうしても上映途中でトイレが我慢できなくなるからです。
それを持って、映画館に行くわけですが、できるだけ木曜日に行きます。
メンズデーで、1000円で観れるからです。
近頃の映画館はなんだか空いています。
で、中段よりやや高めの真ん中の席に坐ります。
ウイスキー水割り缶を開けます。
柿の種は予告編が始まってから開けます。
そうでないと、バリバリ食べる音が目立つからです。

で、本編が始まります。
二本目のウイスキー缶を開けます。
いとも簡単に映像の世界に入ります。
誰にも邪魔されず、誰のことも邪魔することもありません。
楽しい時間が過ぎます。

基本的には、ほろ苦い話やら切ない話を好む傾向にあります。
「サウンド・オブ・ミュージック」や「E.T.」みたいな、ビューティフルな話というのはあまり得意ではありません。
だからなんだと聞かれても困りますが。

最近の日本の映画とアメリカのそれとの一番の違いは、脚本の練度でしょうね。
日本の映画の台詞というのは、説明や感情の直接的な表出が多すぎます。
要するに、台詞が筋やら背景やら感情やらを説明するために使われることが多いんですね。
誰か大切な人が死ぬと取りすがって耳障りなくらいの大声で泣く。
日本映画でよく観られる演出ですが、言葉にならないショックを受けたとき、人は声が出ないことも多いと思うんですが。
 
ヘミングウェイの文学理論に「氷山理論」というのがあります。
氷山は海面上にその2割くらいしか姿を現していません。
その2割を的確に書くことによって、海面下に沈んでいる8割を想像させるというか、表現させるという理論です。
映画は映像表現なのですから、一つの目配せ、身のこなしの瞬間を捉えることによって、
何万語を要する感情だって表現できるわけです。
日本映画は、過剰な台詞、過剰な演出が多すぎるように思います。
テレビドラマの悪影響もあるのかなと思ったりしていますけど。
殺人者が延々となぜ殺そうと思っているのかを説明してから、人を殺そうとするなんてのは日本のドラマではおなじみですが、
映像からはリアルさと情感の深みとがどんどん失われていきます。

そいう意味では、「ブロークバック・マウンテン」は本当に秀逸な映像表現を成し遂げていました。
無言の男の顔が語り、山や湖が語り、一つ一つの仕草が、小道具が能弁に人生を語っていました。

うん、いい映画を観ると、いい余韻が心に残って、なんか得した気分です。
毎週木曜日は映画の日と決めました(笑)








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