風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

最悪

2007年09月06日 | 雑感
仕事で総額2千万円くらいの商品を知り合いの業者に貸していたのですが、
約束の期日が来て数日がたっても何の連絡もありません。
さすがに心配になりまして、昨日携帯にも事務所にも電話しましたが誰も応答しません。

これはやられたかなと最悪の事態を覚悟しました。
手を打つべき段取りをあれこれ考え、あとは流れに任せ、背負った借金を返す方策まで考えました。
なぜこの時期なのかとも考えました。
なかなか結論が出ないままに、スッキリしない心のまま神棚に感謝の拍手を打ち、店に出ました。
すると、昼過ぎに貸していた商品がそっくり全部届きました。

はぁ~。
一言連絡してくれればいいのにと思っていると、業者から電話があり実はああだったこうだったと言います。
はぁ~。
例え業者が何らかの事情で(よろしくない噂はぼくの耳にも入ってきていました)持ち逃げしようとも、
恨んだり憎んだりしても何の益もないので、そういう感情だけは持つまいと決めていましたから、平静に話ができましたが。

これも何かの学びではあります。

1.最悪の事態を想定して受け入れてしまうと善後策を冷静に考えることができる。
2.感情的に相手を断罪するのは意味がないし、できるだけの手段を着実に手を打つ。
3.いかなることがあろうとも、天の采配に感謝を捧げる。
4.どんな人間でも天の子であることを信じ、待つ。

そんなところでしょうか。
この時期2千万円という金額を背負うというのは、そりゃなんというか、重すぎるという話どころではないのですが、
終始冷静でいられたのは最悪の場合を覚悟してしまったからだと思います。
最悪を覚悟すると、あとから出てくる状況は最悪以下ではありえません。
それを最善を期待してしまいますと、そりゃもうハラハラドキドキで、ちょっと期待値以下の結果が出るとパニクるでしょう。

業者との信頼感は確かに薄れました。
こういう時に連絡をしないというのはありえないからです。
でも、こういうときに怒ったり、嫌味を言うのは得策ではないとぼくは思っています。
誰でも苦しい時はあります。
特にこの業界は今苦しい人だらけです。
ぼくもその業者から商品を買ったときに支払いを延ばしてもらったこともあります(事前に連絡はしましたが)。
苦しい時に怒られたり、嫌味を言われると、それが当然であるとはいえ、心に何かが苦いものとして残ります。
その苦いものは尾を引きます。

またその業者と商売が出来るかどうかは分かりません。
彼も苦しいなりに頑張るはずです。
また商売する時があったら、彼の心の中に苦いものを残していて欲しくないと、ぼくは思います。

甘いと言われればそれまでなんですが、苦いものを撒き散らして生き抜くバイタリティはぼくにはありません。
とにもかくにも、商品は無事戻りました。

感謝、合掌、です。