風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

バイト

2007年03月10日 | 雑感
はっきりしない空模様です。
明日あたりは山登りに行こうかと思っています。
昨日、横断歩道でちょっと走ったら、足がロボットみたいにギクシャクとしか動かなかったことにちょっとショックを受けましたので。
店にだらだら座っている毎日ですので、筋肉が衰ろえっ放しです。

20代後半まで就職する気もなく、アルバイトをしては旅行してました。
居酒屋、パン工場、学習塾、ガードマン、株券整理、ビヤホール、内外装、弁護士事務所などなど。

中でも一番長く、お金もよかったのが超高圧水を使った、外壁の剥離業です。
特許をとった工法で、超高圧の水が何箇所かのノズルから出ます。
そのノズルを空気圧で回転させ、建物の外壁の塗装や新幹線などの車両の塗装を剥離します。
超高圧の水を侮ってはいけません。
指などに触れると一瞬に穴が開き、もの凄く痛いです。
ノズルを代え、水を一個の穴に集中させますと、コンクリートも切断できる文字通り超高圧水です。

その水を噴射する機械(ガンと呼んでいました)の形状は、そのまんま機関銃のような形をしています。
軽量化を図ってチタンでできていますが、それでも10キロくらいはあったかと思います。
そのガンに水と空気圧のホースが二本繋がっています。
そのホースはそれぞれ遠く離れたトラックに詰まれたポンプに繋がれています。
したがって、手元で超高圧水を止めたり出したりする作業はできません。

足場を移動するたびにいちいちスイッチを止めたりはしませんから、水が出たまま足場を上下左右に移動するわけです。
上下を移動する時は、片手で水を噴射したままのガンをぶら下げ、足場から身体をだし、片手で足場の枠に捕まって上下の段に移動するわけです。
ガンは、凄い圧力のかかった水をグォーという凄まじい音と供に噴射しているわけですから、じっとしていません。
初心者のうちは、その移動の際に、長靴の上からとかゴム手袋の上からとか水を当ててしまい、指やら足の甲に穴をあけてしまうわけです。

なかなかスリリングな職場でした。
秋田、長野、新潟、それから都内各所とあちこち止まりこみで現場から現場と流れ歩くのも性に合っていました。
夜は仲間と飲み屋に繰り出します。
かなりの金額のお金を貰っていましたが、飲み屋で消えていました。
いつまでこんなことをやっているんだろうとぼんやり考えることもありましたが、概ね楽しかったです。

ただ、時々しっかりした仕事をする業者がいて、塗装がとても硬く手におえないことがありました。
そんなときは剥離剤というのを塗装の上から塗ります。
しばらく待ってから、超高圧水を吹き付けて、なんとか塗装を飛ばすわけです。
水しぶきと一緒にその剥離剤が顔にかかりますと、異様な臭気と供に皮膚がひりひり痛くなります。
分厚い塗装を溶かすほどのやつですから、猛毒だったのに違いありません。

ま、戦場にいる気分で仕事してました。
超高圧水の吹き出る轟音と、空気圧で回転するモーターの音と、飛び散る水と跳ね返る塗装の破片で全身べたべたです。
ガンとホースの重さで15,6キロの機具を持ったままですし。
でもって、ストレスは全然感じませんでした。
駄目な人はまったく駄目で、一日持ちませんでしたが。

なにを言いたいのかというと、昔は体力あったのになぁということです(笑)

秋田に行った日の長い夏などは、現場を4時過ぎくらいで切り上げ、近くの日本海まで釣りに行ったりしました。
日が暮れるまで、酒の飲みながら釣り糸をたれ、ホッケの稚魚などが釣れました。
なんかおもしろかったです。

ちなみに、ぼくが辞めてから、この工法で国会議事堂やニューヨークの自由の女神像も洗ったらしいです。
自由の女神像は洗ってみたかったなぁと思います。