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All Photos by Chishima,J.
(釣具が嘴に刺さったウミネコの幼鳥 以下すべて 2007年9月 北海道中川郡豊頃町)
本日午後、ラジオをひねれば口を揃えて台風接近を告げる中、嵐の前の静けさなのか、漁港内はまだ細波程度だった。それでも天候の急変を察知してか、普段の数倍の数のウミネコが港内の草地やスロープに飛来していた。そうしたウミネコの幼鳥の1羽が、嘴から何かをだらりと垂れ下げていた。最初は餌かと思ったが、双眼鏡で確認するとそうではなく、釣りの仕掛けであった。私は釣りをやらないのでどのような物なのかよくわからないが、おもりらしき物の先にタコの模型が付いた物で、嘴から垂れ下がると地面に付きそうなくらいだから結構な大きさである。重さもそれなりにあるに違いない。
タコの模型の先にある針が、右の口角あたりにがっしりと刺さっており、見ていて痛々しい。きっとタコの模型を餌と思ってついばみ、針を口にしてしまったのだろう。まだ元気に飛び回っているところからすると刺さって間もないものと思われるが、この異物は採餌や飛行の障害となり、いずれは命を奪うかもしれない。絡んだりはしてなさそうなので、捕獲して針を取ってやりたいのだが、翼は健常なので試みても飛んで逃げられるのが関の山だ。
このような釣具が刺さったり絡まったりした鳥は、各地で観察されている。それで命を落とすものも少なくないし、観察された時点では脚や翼を失いながら生きていても、それは野生下で生きる鳥にとっては遠くない死を意味している。皆、釣り人たちの身勝手な行動の犠牲者たちだ。もちろん、釣具を放置するようなのは釣り人のうちの一部で、大方の人はちゃんと回収しているのだと信じているが、総じて釣り人の方は自分たちが自然の中に入り込んで活動させてもらっているという意識が低い人が多いようにも感じる。人間の身勝手で、罪の無い水鳥たちの命が奪われるのは、決してあってはならないことである。
哀れ、ウミネコの幼鳥
右の嘴の付け根近くに針が食い込んでいる。ゴミの持ち帰りなど、個々人のモラルやマナーで解決できることを解決してゆくことが、地球規模の環境問題の改善にも繋がると思う。
![Img_8386_2 Img_8386_2](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/75/379f03db57d5cab34f280fe70652e596.jpg)
(2007年9月7日 千嶋 淳)